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第一話 闇堕ち去ね!

初めての投稿です!

色々と不慣れな点はありますが、生暖かい目で見ていただけるとありがたいです。

趣味で書いているので、投稿は毎日だったり、いきなり一週間日にちが空いたりしますが、どうかご容赦ください。



───

※現在書き溜め中のため更新しておりません。(2025.06.02)


『ふざけるな!!何故こんな事をするんだ!!』


そう叫んだ兄の目にはいつもの優しい色はなく、ただ憎悪の色だけが滲んでいた。

すぐそばでは姉が泣きながら笑っていて、私の腕にはとても綺麗な金髪の女性が抱かれていた。


『なんで…なんでよ!姉様!!』


私が初めて大きな声を出すのを聞いて、姉は気分良く答えてくれた。


『憎いから』


─────────




「っ……」


姉の綺麗な笑みを最後に目が覚める。

何度も見る悪夢に頭が痛くなるのを抑えながらバスルームへ向かった。

スッキリしたい時にはシャワーを浴びて、髪を濡らしたままベッドにダイブするのが一番なのである。

さっさとシャワーを浴びてベッドへダイブ。フカフカのベッドに沈む感覚が心地良くて瞼も沈む。


………私はアステア・カタルシア・ランドルク──カタルシア帝国の第二皇女だ。


ちなみに転生者でもある。

転生者と言っても聖女みたいな力があると言うわけでも、何かを成すために神様に頼まれて転生したわけでもない。ただ記憶を持って生まれたと言うだけの転生者だ。

加えて私が転生した世界は所謂、乙女ゲームの世界。

確か名前は「クロス・クリーン」とかだった。

通称クロスと呼ばれるそのゲームは、姉が「絵が綺麗じゃない?」とか言ってプレゼントしてきた代物。中古だった。


一応、姉が選んでくれたとあって遊んでみたのだが……正直ものっくそ暗いし話が重い。


これ本当にファンタジー?と聞きたくなるほど希望がない。

幸せになるのがヒロインと攻略対象だけで後味最悪だな、と思いながら遊んでいたのを今でも覚えているくらいだ。


簡単に説明するとヒロインは「子供が産めない王女」と言う設定で、王城内しか出歩く事を許されていなかった。

すでに暗い、辛い。

ストーリーが進むのは、あるモブ伯爵が王女に結婚を申し込む所からだ。

伯爵は、まあ所謂クズのテンプレで「え?子供産めない?じゃぁ色々やりたい放題じゃね?」みたいな考えで結婚申し込んだ女の敵。ヒロインが結婚を受けた場合の短編を見た事があるが、マジでクズだったとだけ言っておく。

クズに結婚を申し込まれ、自己犠牲精神で「う、受けます…」と言ってしまったヒロインだが、そこは優しい王子である兄が助けてくれる。ちなみにその兄も攻略対象。

そうして攻略対象を選ぶ画面に進む。

キャラごとに結構ストーリーが違ったり、または似たり寄ったりなやつもあったりと、絶対製作者側の私情が入りまくっている仕上がりだった。もうこれは誰か一人の趣味で作ったとしか言いようがないな。

そして、その私情が入りまくったキャラの一人が…


──アステア・カタルシア・ランドルク──


私だったりする。

“アステア”の兄は攻略対象なのだが、何故かヒロインよりも二人の妹を優先するシスコンであり、末っ子であるアステアを猫可愛がりしていた。しかもアステアはおそらくヒロインよりも愛され体質で、会った人みんなに好かれるし、部屋に引きこもるばかりにも関わらず何も言われない。ヘイトを溜めるために作ったと言われた方がまだ納得できるけれど、ヒロインと仲良くなり終始味方サイドにいたのを見るとそうでもなさそうなのがなんとも言えなかった。


正直、顔は良いが目立たない、というか必要性をあまり感じないキャラクターだ。


なのに攻略対象である兄の話にはよく登場するという、ヒロインにとっては邪魔以外の何者でもないキャラ。

現実世界にいたら丁寧に婚約を破棄させていただきたいくらいにはシスコンである兄は、そんな事気付いていなかったけど。

個人的感想としてはアステアと言うキャラクターは好きではないが、まあそこは今関係ないとして。


クロスには第四章までの物語があるのだが、その内容がそれはもう酷い。


第一章はヒロインが攻略対象と結ばれる、攻略対象によっては二章や三章の中盤でだが、どんな形であれ行動を共にする事になる。

第二章はヒロインが何故子供を産めないのかが発覚。原因を解決し、ヒロインと攻略対象は晴れて「皆から祝福される夫婦または恋人同士」になるわけだ。

問題は第三章と第四章。

第四章は一旦おいておくとして、第三章はヒロインの代わりに「後継を産むため嫁いだ女性」との対立が描かれるのだ。

ファンタジーにドロドロ持ち込むなって話だが、これがなかなかに辛い。

そして、兄のルートではそのドロドロを演じるキャラ、詰まるところの「敵キャラ」が我が姉なのである。

初めて気づいた時は「は?製作者締めたいんだが??」と本気のトーンで呟いてしまったわけだが、転生し物語の中の登場人物になった今、そんな事ができるはずもなく。


私は、姉を救うと決めた。


そもそも私の姉は優しく美しく更に美しい、正直言って女神だ。

あ、前世の姉も美人で大好きでしたよ。

そんな姉が絶望した顔で「憎いから」と言いながら、兄と敵対する姿は見たくない。

だから私は決意したのだ!


「ぜっっっっっっっったいに!姉様救う!!」


姉様を闇落ちなんかさせてたまるか!!!


お読みくださりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 転生部分をさっくりこなすのはなろう内では問題無いと思うんだけど、そのまま延々説明が続くのは面白くない 物語を進めつつ、キャラクターを出しつつ、少しずつ世界観や設定を紹介した方が掴みが良くなる…
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