一度目の人生
こんにちは、kemomといいます!
唐突に書きたくなってしまったので書いていきます!!
宜しくお願いします。
「クロエ・ロズ・リズモンド。今この場をもってそなたとの婚約破棄、そして愛しいマリアに犯した数々の罪。そなたをこの手で処刑する」
その場、学園のホールに集まった人々、そして私クロエ・ロズ・リズモンドも絶句した。
私は婚約者、ロイ・モラン・フィリシスの最愛の相手であり、私自身の友人。マリア・ミア・ディアスをいじめ、そしてしまいには殺害しようとしたらしい。
もちろん私はそんなことはしていない。逆にマリアとはたった一人の友人であり、よき恋のライバルだった。
なぜ、こんな事になってしまったのか?何がそうさせて、ありもしない罪が私を蝕んでしまったのか。
そう考えている間に王家代々伝わるという由緒正しい剣が愛おしい元婚約者によって振りかざされている。
物心ついたころから公爵家の跡取りに相応しく、そして時期皇帝になる婚約者に、この国の母として相応しくいるために、必死に努力してきたのに……、私の努力は穢い大人たちによっていとも簡単に粉々にされてしまうのね。
思わず他人事のように笑みがこぼれた。今この場に、私の味方をしてくれる人は一人もいない。そう思っていた。
剣を振り下ろそうするロイ様を止めようとマリアが飛び込んできて声を荒げている。
「ロイ様!!辞めてください!!私はクロエ様に何もされてない!!どうして信じてくれないの!」
必死に声を荒げるマリアをロイ様は優しく大切そうに抱き寄せる。
私は、そんな優しく微笑みかけられたことも、抱きしめられたこともないのに…。
マリアが羨ましいでもそれでも私の為に声を荒げる彼女を、嫌いになんてなれるかしら、私にはできない。
「あぁ、優しいマリア。大丈夫だ。もうそなたに危害を与えるような人間は消えるのだから。
クロエ、そなたには失望したよ。とても、残念だ。二度と出会うことがないと願おう。安らかに散れ」
マリアの悲鳴がホールを包んだ。
ロイ様の美しいアメジストの瞳が私を見下ろす。その瞳は軽蔑と憎しみを露わにして歪んでいる。
ああ、幼いころ、一度だけ見ることができた綺麗な瞳を、私がこんなにも黒くしてしまったのね。
刃が胸に到達する瞬間、クロエは柔らかく微笑み呟いた。
「愛しています。」
ひるんだ刃が速度を落としながら、クロエの胸を貫いた。
鋭い痛みの後、じわじわと熱が帯びる。青白い顔をした元婚約者と、泣き崩れる友人を最後に、目の前が真っ暗になった。
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