表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編大作選

逆算カッケー

掲載日:2020/05/15

「何でそんなに鍛えてるの?」


「デートの為であり、彼女の為であり、俺自身のためでもあるかな」


「でも、何で腕や上半身だけ鍛えてるの?」


「彼女が望んでいるデートコースに合わせるためだよ」


「よく分からないけど、とにかく頑張ってね」


「うん。ありがとう」




デート当日、男は堂々としていた。


完璧に練り上げられた計画があったから。


「今日は楽しみだな。私の行きたかった場所に連れていってくれるから」


「必ず感動させるよ」


「でも私、少し不安だな」


「大丈夫だよ。俺がついてるから」


「ありがとう」




道を進んでいくと、大きな川が現れた。


その川は音をたてて、勢いよく流れてゆく。


「私、全然泳げないよ」


「大丈夫だよ。俺が肩に担いで渡るからさ」


「ありがとう」


「じゃあ、いくよ。ヨイショ!」


「大丈夫?重くない?」


「うん。全然平気」




川を越え、木が生い茂る道を進んでいくと、岩の壁が現れた。


足場が僅かしかない場所から、岩と岩で挟まれた狭い隙間へと繋がる道。


そこを通らないと、目的地には辿り着けない。


男は彼女の手を握り、主に上半身だけを使い、狭い足場を渡り切った。


「ありがとう。腕の力、かなり強いんだね」


「うん。鍛えてるからね」


「すごいね。でも、この隙間通れるかな?ガッチリした体型の人は通れないんじゃない?」


「いや、行けると思うよ」


「下が狭くて逆三角形みたいな形してるけど、大丈夫なの?」


「うん」


男と壁の間は、少し隙間があく程度で、スムーズに通り抜けた。


彼女も男に手を引かれて、スムーズに通り抜けていった。




「やっと着いたね」


「うん。あと数分で、陽が昇るよ」


「本当に完璧だね」


「そうかな?」


「私の体力とか天気とか、全部逆算して、タイミングよく日の出が見られるようにしてくれたんだよね。本当に頭がいいよね。ありがとう」


「逆算?ああ、それね。それはしてたよ。あなたの為だからね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ