表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ある世界線の「素手縛り」

「おもいだす」とは

_____とある世界線。


野太い腕に鋭く大きな爪が、主人公ルークを襲う。

距離を()()()詰め、腕の勢いを殺す。

「フッ!」

密着状態から地面を踏みしめた力を、足、腰、肩に伝え肘で爆発。

「ガアアアア」

熊が痛みに叫ぶ。

肘を使った体当たりとも言えるその技は、熊の肝臓を突き刺し、3mほど突き飛ばした。


3.5mほどある灰色熊の魔物「グリズリー」に挑むのは二度目だ。20年を2回費やし、オレはここに立っている。


______


n回目、記憶を取り戻した3歳の誕生日。

「魔法使っちゃったら楽勝だしなー、武器にも飽きたし…素手で救っちゃおうかな!世界!」

この頃はまだ世界を楽しんでいた…。


「おもいだす」

呟くと脳裏に浮かぶ記憶。

『魔法』『剣術』『武術』…。

「魔法完全禁止ってのもなー、不便すぎるし…完璧主義じゃないんだよねーオレ。」

三歳児の両手幅いっぱいサイズ程度の羊皮紙を広げ脳内の『魔法』を選択。

「羊皮紙に使えるスキルを映し出す魔法はあるかい?…お、あったあった。<パーチメント>ね。」

「ホイ!」

羊皮紙に写しだされる文字。「タップ」や、「スワイプ」で感覚的に操作でき、羊皮紙の文字が映しだされたり消えたりする。

「『武術』と…おー『太極拳』ってのがある。こんなのやったっけなー…<おもいだす>」

「おお!()()()()の武術か!」

脳内に知識と経験が流れてくる…

馬面のマー婆…娘のレイちゃん…記憶と共に流れ込む技術。


「コォォォ…破!!」

ゆるりとした動きで腹に力をため、一気に爆発。にやける主人公ルーク。



_________


魔物は本能で人を襲う。肝臓にダメージを負った巨大熊は唾液を垂らしながらも4本足で地面を蹴る。

正面から受けたら、()()()て死ぬ。

23歳になったルークは170cm72kg程度の筋肉の塊だが、熊には遠く及ばない。


熊の突進を緩やかな動きでかわす。

振り返って起き上がり掴みかかってくる熊。


「肝臓打ちしててもキリないな…。」

抱き合うような距離で低く沈み込み、熊の抱き着き<ベアハグ>を回避。

ッ!!!!」

起き上がる勢いで金的を肘打ち。

「ゴアアアアアアアア」

グリズリーは泡を吹いて失神。


ルークはこの戦いの記憶を「心に刻んだ」。

「<ルーク式太極拳>…完成ってところかな。」


この5年後、ルークは1人、素手による魔王討伐を達成することになる。





※作者あとがき※

風呂敷を広げたい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ