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なろう系コント・漫才 for ゲラゲラコンテスト

漫才『神の名は。』

作者: 藤屋順一

ゲラゲラコンテスト向けの漫才の脚本として執筆しました。

ちょっと癖の強い作品ですが、楽しんでいただけましたら幸いです。

B:最近オレ、小説書いてるんだけど、ちょっと悩んでて。聞いてくんない?


A:小説? お前が? 本気でか?


B:本気本気、本気とかいてマジだって。 オレだって本気でお笑いの道進んでるんだからさ!


A:『下手の考え休むに似たり』という奴だ。大体、小説よりもネタのほうが先だろう?


B:それな! あ〜、じゃなくて、『遠見の角に好手あり』って奴だよ。小説を書いて表現の幅を広げれば、絶対今より面白いネタが書けるようになるはずだから!


A:ふん、言うようになったな。それより、お前、日本語が使えたのか……


B:わ〜! 今使ってる〜!


A:タッカラプト?


B:ポッポルンガ…… って、普通に返しちゃったよ!


A:ふっ、ついに正体を表したな。


B:くっ…… バレてしまっては仕方ない。 ……じゃなくて! Aが『本当にか?』のニュアンスで聞いてくるから、思わず『マジでマジで』のニュアンスで返しちゃったんだよ!


A:ま、そういうことにしておこう。それで、その小説というのはどんな怪文書なんだ?


B:さっきからひ〜ど〜い〜!


A:もういい、悩みを聞いてやるからさっさと話せ


B:え〜と…… 主人公はブラック企業で社畜をしている冴えない男で、トラックに轢かれて死んで、神様にチート能力を与えられて、中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界に転送されて、美少女たちと一緒にその世界を冒険する。って話!


A:簡単に言えば『なろう系』だな。『なろう系』で『異世界転移』で『中世ナーロッパ』を舞台にした『俺Tueee』の『チーレム』モノだな。


B:……なんか、すっげー詳しくない?


A:これくらい知っていて当然だ。断じて趣味でよく読んでいるわけではないぞ


B:ふ〜ん…… まぁ良っか! まずは神様からチート能力をもらうところから。Aって神話とか詳しいっしょ? ちょうどいい神様いない?


A:そうだな…… 作品のイメージを聞かないことには何とも答えようがないな


B:え〜と、そうだなぁ。冒険の道中で沢山の美少女に出会って恋をしたり


A:ボーイ・ミーツ・ガールで……


B:そうそう、そんな感じ。 ……それで、読んでるうちに、ふわ〜っと幸せな気分になって


A:幸せの予感と……


B:んん? ……で、まだ未定だけど、多分、色んな人に出会ったり探索したりで異世界を満喫するイベントを入れると思う


A:きっと誰かを感じてる……


B:えっ? え〜と…… 後はバトルとか恋愛とか友情とか、熱い展開をてんこ盛りにする予定!


A:ゲレンデが溶けるほど熱い展開だな。ふむふむ……


B:ちょっ!? ちょっと待って!


A:わかった。ロマンスの神さ……


B:知ってた! 途中からAの魂胆は全部お見通しだった! 大体、最後のゲレンデって、別のところから持ってきた奴っしょ!


A:♪この(ヒト)でしょうか〜?


B:いやいや、絶対違う! (ヒト)違いですぅ!


A:全く、わがままな奴だな。ロマ神のどこに不満があるんだ?


B:全部! もう、悉く不満! ロマ神って略すのにも不満だってば!


A:わかったわかった。それではお前には絶対的な答えをくれてやろう


B:そうそう、ロマ神とか言ってないで最初からそうしてよ


A:神などいない!


B:うわ〜…… 正論の暴力〜……


A:と、冗談はさておき、『なろう系』の神なら作者のイメージどおりにすれば良いだろう


B:そう言われてもなぁ。 ……あ! そうだ。オレ、神様に出会ったことあるんだった


A:そうか…… お前もとうとう末期か…… 薄々気付いてはいたが、残る人生、悔いのないようにな


B:お〜い! そういうんじゃないから! その可哀想な人を見る目やめて!


A:私はてっきり…… いや、もうやめよう、この話は


B:うん! もう二度としないで!


A:で、お前が出会った神というのは?


B:オレってアイドル好きじゃん?


A:知らん


B:で、暇な時はネットの掲示板で情報収集してるってわけ


A:まさに『小人閑居して不善を為す』のお手本だな


B:ある日その掲示板を流し読みしてたら、推しのグラビアの画像が張ってあって、でも、断片しか上げられないしリンク切れだったりするし…… それでオレ、神様にお願いしたんだよ『ZIPでくれ』って…… そうしたら天から恵みが!


A:出会ったときから思っていたことだが、見下げたクソ野郎だな。お前は。そいつは邪神だ。二度と関わるな


B:え〜、でも〜……


A:デモもストライキもない。世間からロックアウトされてしまえ


B:う〜 さっきからひどくない?


A:だが安心しろ。そんなお前を見守り、応援し、助けてくれる存在が居る。顔を上げて周りを見てみろ、お前にもわかるだろう?


B:え……? はっ! そっか……! オレ、間違ってたわ!


A:そうだ『お客様は神様』だ


B:それな!


AB:いつも私達を暖かく見守り、応援し、笑ってくださってありがとうございます!


A:これからも応援、よろしくお願いします。それではまた〜


B:えっ!? こんなオチでいいの? オレの小説は!? お〜い!

最後までお読み頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 神、という言葉は創作者であれば、普通の人より考えたことがあるのではないかと思います。なろう系における舞台装置としての神、ロマ神(笑)、ZIPでくれる人に対しての称賛の神、そして、お客様は神…
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