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ー第4話ー

 シェトランドポニーとは現存する馬の一種である。品種改良で更に小さいものもあらわれているが、古来からある馬の中では一番小さい種である。一般的なサラブレッドなどと比べるとがっしりした体つきをしており、寒い地方の種であるためか毛足は長いためによりずっしりした体型に見える。


 毛色はパロミノと言われる珍しい色で金色の地に真っ白いたてがみ。ちなみに一部の王族が好んでパロミノのサラブレッドに乗っていた。


 そういった説明をピートがしてくれた。

 してくれたが、トビラは呆然と固まっていた。

「この子に私が乗るのは無理があるよね?」

 と、半ば独り言のようにつぶやくと


「ポニーは性格的にも人を乗せるのは無理だね」

「え?じゃあ、大きくなっても乗れないの?」


「そもそもあまり大きくならないし、騎乗用ではないよ」

「・・・騎獣召喚じゃないの?」


「運営によせられているご意見(クレーム)にも術の名前がおかしいというのはあがっているけど、意見(メール)するかい?」

「とりあえず今はいらない。仕様として、みんながこうなの?」


「正式版から、ある程度ランダムで種族や能力にバラツキがでるように変更されたよ」

「・・・ちょっと待って、召喚獣の変更はできるの?」


「可能だよ。その場合はシェトランドポニーを削除してね」

「・・・削除って?」


「召喚術のスキルとして召喚獣を消すことができるよ」

「・・・どうしよう」

 トビラは考え込む。うつむきがちになったトビラはこちらを見ているポニーの濡れたような目をみる。


 ところで今トビラたちがいるエリアは、そこまで木々が密集してるわけでなく、高低差もあまりないため、色々と冒険の基礎を学びやすいエリアになっている。


 このスタート地点周辺にいるのは、いわゆるノンアクティブモンスター、こちらから攻撃しない限り反撃してこない鹿くらいの大きさに小型化させたサイをまったりさせたような動物だけしか出現しなかった。

 トビラも召喚が終わってから戦おうと思っていたので攻撃しなかった。


 が、モンスターによって攻撃された事の定義は異なる。人間にも目があうと「ガンつけた」と戦闘になる人もいるし、ならない人もいる。人間でも戦闘のきっかけは何であるのか分からない、モンスターだったら如何なる理由で戦闘になるかは、もっと分からないだろう。

 召喚魔法が行使されたことで、攻撃されると思ったノンアクティブモンスターもいる。それが考え込んでいるトビラに背後から突っ込んできた。


 警告するような甲高い声でポニーがいななく。


 意味が分からずキョトンするトビラ。




 衝撃

「グヘッ」

 肺から空気をしぼりだすような悲鳴がリアルであった(ネナベぽかった)。トビラは視界がいきなり空の青になり更に一転地面が急速に近づいてきて、枯葉や落ち葉のやたらと現実感ある感触を全身で味わった。


「な、何がどうなってるの?」


 トビラは武器である短槍を支えに立ち上がり、振り向くと威嚇しているモンスター、超小型サイがいた。ポニーはびっくりしたのか涙目で固まっているのを視界の隅でとらえる。


「モォ!」

 と相手の威嚇音は牛の鳴き声のようだ。


「小さい仔を脅かしてデカイ顔してるんじゃないわよ」

 思うようにいかないランダム要素と、何も悪い事していないのに攻撃されたこと、仔馬(こども)をおびやかしたことなど、トビラはイライラしていた。


 ブンと槍を横向きにふりまわす。目測を見誤り、槍の穂先ではなく、柄の部分が相手の顔に当たる。

「モゲップ」

 とダメージはあまりなかったようだが怯んだところで、角で攻撃されないように横に回り込む。


 後ろ足のつけ根に槍を突き立てると、出血の赤いエフェクトが、とびちる

「もぉうぉぅ」

 と鳴き声をあげながら、振り向くがのんびりした動作のため、そのすきに2撃目をいれたうえで、バックステップを行うという2アクションを余裕でこなせる。


 サイのような2本縦に並んだ角をふりかざすが、左にサイドステップすれば、ちょうど右手にもった短槍が当てやすい位置に来たので、そのまま槍を首元に振り抜く。


「もおぉぉぉ」

 と断末魔をあげながら横倒しになると光に包まれる。あとにはドロップ品の角が残されている。

 手にとって、しげしげと眺めているとシステムネコのピートが

「サゥシカの角だよ。様々な道具に加工できるよ」

 と教えてくれる。


 意外と戦闘できるなぁとか、出血のエフェクトは赤い粉が舞っているみたいで液体ぽくないなぁとか、サイなのか、ウシなのか、シカなのか、何だっただろうなぁとかトビラは取り留めもない事を考えながら、初勝利のドロップ品とずっと無意味に握りしめていたニンジンともに、ポーチにしまう。


 シェトランドポニーがトビラによってきて、頭をすりつける。反射的になでかえす。毛が長いので撫でる感触がモフモフしてるなぁと思いながら、

「悪いやつは倒したから安心しなよ」

 と声をかけてしまう。


 そこにシステム猫のピートが声をかけてくる。

「召喚獣の名前はどうする?」

「すぐに決めないとだめか?」


「ダメじゃないよ。正式決定までは名前が種族表示になるよ」

「・・・そうか」


 トビラが悩んでいてもシステム猫はゲームを続けるものとしてヘルプ機能どおりの案内を続ける。

 ポニーは安心したのか、トビラを見上げている。トビラは無意識に仔馬の首をモフモフしている。


「かわいいね」


 そう呟きながらトビラの内心は複雑であった。カワイイものは好きだが、自分はカワイイよりもカッコよくなりたいとゲームをしている。

 正直、召喚獣のリマセラするのもありかなと思っている。育てれば騎乗プレイできるならともかく、シェトランドポニーは性格的に騎乗できないなら育成しても騎乗不可能なのだ。


 しかし夏子は決心できずにいた。

 昔、思春期の頃、母親との喧嘩を思い出していた。背が小さく、大きくなれないことに今よりもずっと大きなコンプレックスを抱えていて、親に八つ当たりをしていた。最初は母も気が強い性格をしているため、言い返していた。

 が、ある日、牛乳がきらしていたとか、そんな些細なことから始まった喧嘩で母親が泣き出したのだ。夏子はその時に母に何て言ったかはもう思い出せないようなつまらない事だった。


「未熟児で産まれて、泣くのに不自由していた子が、親と喧嘩してると思ったらこっちが泣けてきた」

 そう母が最後にもらしたことだけは鮮烈に覚えている。


 自分の身長が小さいことは今でも嫌だし、そのことで人に馬鹿にされるのは不快だ。

 でもポニーが小さいからとデータを消してしまったら、自分が未熟児なのに、守ってくれた母を裏切るような気持ちになる。

 自分が外見で判断されるのはとてもいやだ。背が低いから役に立たないなんて言われたくない。自分が一番いやなことを人にすることになってしまわないだろうか。


 誰かを守りたいとゲームをはじめた。守る対象である小さき者が眼の前にいるのに、データを消してよいだろうか。自分は小さいものも消したくてゲームしているのだろうか。そういう風に感じたトビラは一つの決断を先延ばしにすることにする。


「・・・ペトロニウスにする。ポニーちゃん、あなたの名前はペトロニウスね」


 そうトビラに話しかけられると、どうやら名前がついたのを認識したのか嬉しそうに顔を再度すりよせてくる。

 システム猫のピートも「召喚獣の名前はペトロニウスで登録したよ。以降は召喚でペトロニウスがよばれるようになったよ」と言いながら嬉しそうにしているのはトビラの錯覚だったろうか。


 とりあえず、もうしばらくゲームを続けてから決めることにする。本格的にいやとなったらサモナー以外の職業も考慮しようとトビラは考えていた。一つのIDで3つまでアバターを利用できるので、メインプレイは他の職業にするのも手段である。


「さて、そうと決まれば、もう一狩りいきますか。目標通りレベルもあげたいし」

 そう声に出して言うことで気合をいれなおすとタイミングよく接近するモンスターを発見する。


 近づいてくるのは犬型のモンスター2頭だ。ハイエナのような大きさと体色だが、耳と尻尾は狐のように大きい。トビラは初見のため知らないが、フォッカルというモンスターで、このフィールドで出てくるモンスターの中では強い方だ。


「とりあえず私が前衛で戦うから、ペトロニウスは見ていて、出来ることをして」

 色々と考えていたり、思い出していたために召喚獣のデータ確認していないため、何が出来るのか把握できていない。補助騎獣召喚というくらいだから前衛タイプではないと思うが、いきなり特攻させるわけにもいかないし、トビラのタヨリニされたい欲求としては「守ってあげたいオーラ」を出す存在が後ろにいれば戦意倍増するのである。


 フォッカル2頭も戦闘態勢に入ったのか、小走りで間合いをつめてくる。1頭は正面から、もう1頭はトビラからみて左手、武器をもってない方向から回り込んでくる。

 相手の都合の良いタイミングで同時攻撃をもらっては苦しくなるとトッサに判断し、右前方に踏み出す。2頭を縦に並んだ状態にすれば、1対1での戦闘に近い状況に出来る理想論になるが。

 フォッカルが強敵とされる理由は3つの理由がある。複数で出てくること、連携をとること、そして素早さだ。ある程度、レベルアップした盾職や前衛職ならともかく、ゲームを始めて間もないと素早さ(AGI)で劣り、連続で攻撃をもらってしまう。


 トビラが動いたことによって同時に攻撃されるのは避けられたが、正面にいた1頭には先制攻撃をもらってしまう。

 爪の攻撃で右足をざっくりと引き裂かれる。ロボット型のアバターのためか、プレイヤーが受ける攻撃も、粉末のような血がでるエフェクトが発生するが、足やズボンに傷が出来るわけではないようだ。ゲームらしいといえばゲームらしい非リアルさである。

 トビラも槍で反撃しようとするが、回り込んでいた2体目が槍の柄に体当たりしてきて、上手くダメージにならない。

 さらに噛み付いてこようとした1頭目を足で蹴って、距離をとる。


 1対1を2回繰り返すという目論見は完全に失敗し、相手にも大きなダメージを与えていない。貰っているダメージは多くないが、このままでは倒すまでにもう2〜3回は攻撃をくらってしまうであろう。


(素早さで勝る相手に位置取りで勝負しても勝てないな、武器のリーチはこちらの方が長いんだから、先制で良い一撃をいれるしかない)

 トビラが武道家のような思考パターンをしていると、

 ふいに視界のすみにいた、ペトロニウスが光る、身体が軽くなるのがわかる、


「これなら!」

 声を出して気合をいれながら、左側、さきほど柄に体当たりをして、ややダメージのあった方に槍を突き入れる。キレイに頭にあたって


「ギャィン」

 と叫びながら後方に吹き飛ぶ。さらにこちらに向き直ろうとしている2頭目にも、そのままの勢いで攻撃ができるくらい素早さ(AGI)が上がっているのが分かる。


「ガァ、、キャン」

 吠えかかる声が途中で右回しにふった槍によって、悲鳴に変わった。

 前足2本とも痛打し、前のめりに転ばせたフォッカルにトドメの一撃を突き刺す。


 ふっとペトロニウスから光が消える。素早さ(AGI)の補助の効果も消える。効果時間に制限があるのか、理由はわからないが十分に役立ってくれた。残りの1頭も吹き飛ばれたせいでスタン(めまい)を起こしているのか、立ち上がっているもの、フラフラしている。こちらも無事にとどめをさす。


 ドロップアイテムの確認の前に

「ありがとう、ペトロニウス!」

 トビラが感謝の言葉を口にする。ペトロニウスも勝利を喜ぶのように駆け寄ってきてトビラの足にあたまをこすりつけてくる。

 トビラはすこしかがんで首から頭のあたりをワッシャワッシャする。


(背の高い人は腰をいためやすいって言うけど、こういう姿勢をリアルでしょっちゅうやっていたら腰にクルよねぇ)

 と、背の高さをよく分からない所で噛み締めているトビラである。


 謎の補助能力のおかげで勝利をおさめたトビラたちであったが、連続でモンスターと遭遇したので、この場ではゆっくりステータスを確認できないと判断し、移動することにする。


「さて、どうしよう、これ?」

 フォッカルとの戦闘後、トビラは多くのプレイヤーがぶつかる難題に直面していた。ドロップアイテムをどこにしまうかである。


 ドロップアイテムはフォッカルの尾とフォッカルの毛皮が1つづつである。尾と、ニンジン、サゥシカの角の3つでポーチが埋まってしまうのである。尾と毛皮は大きいためポーチの容量をくってしまう。と言うか、同時には入らないのである。


 インベントリなどに入れてないアイテムは3分以上、放置されると消える。システム猫のピートが教えてくれて、それは分かっている。手に持っている分には平気なので、ポーチに入り切らないものは抱えて、もと来た道を戻れば、今あるアイテムはすべて持って帰れる。


 が、しかしである。


「正直、体力は減っているとはいえ8割以上はあるからな」

 とトビラも独り言をつぶいやいてるが、1回のマップ探索で3匹しか狩っていないで町に戻っていては効率が悪い。トビラは今日の目標を2つ立てている、1つ召喚術の行使、2つレベルアップをする。ただでさえ召喚獣(ペトロニウス)の分まで経験値をかせがないといけないサモナーという職業で、狩場までの往復の時間を考えると、ここで戻りたくはない。


 そうなると

「ドロップを取捨選択しながら前にすすむか」

 三度、トビラが自分の考えを声に出しているが、売値が安い(とトビラが推測する)アイテムを捨てて前に進むことにする。


 アイテムを持ったまま、戦闘は無理である。なのでモンスターに出会うまでは手に持っておく。敵が現れたら、地面において3分以内に決着をつければ、アイテムを失うことはない。

 3分以上、戦闘が長引いたらアイテムは失う。が、今日の目標は経験値であって、アイテム収集ではないと諦めをつけようと考えている。


「よし、じゃあ、ペトロニウス、ついてこい」

 馬具や引き綱、手綱のたぐいはついてない。現実の馬ではなく召喚獣であるためか、声をかけるとトビラの後を素直についてくる。


 10メートルも進むと、今度は1体の虫型のモンスターに出くわす。

「なに、あれ!きもっ。斑点つきのゴキブリみたい」

 トビラの中の人である夏子は都会っ子であるため虫をあまり知らない。セミ、アリ、ハチは分かる。Gやハエとかも見たことあるが、直接、手に触れるなんて考えただけでも無理である。槍ごしでも、勘弁してほしいと思っている。


 ちなみにトビラは勘違いしているが、カミキリムシがモチーフになっているモンスターである。背に白い斑点があるゴマダラカミキリが40センチほどに巨大化した姿をしており長い触覚とがっしりした顎など、わりと本物に近い写実的な姿をしている。虫好きからしてみればヤツとはぜんぜん違うだろ!と怒るとこである。


 トビラ達の接近に気づいた巨大カミキリはギチギチと独特の羽音で威嚇しながら接近してくる。

「うぇぇ。やだなぁ」

 フォッカルの毛皮を地面に置いて、槍を構えるが、戦意はみてとれない。

 フォッカルとの戦闘とは別人のように足はとまり、腰はひけている。一応は間合いにはいると先制攻撃の一突きをいれる。


 ヒョイと避けられる。威嚇音がとまる。

「ん?」

 一回り姿が小さく見えると思った瞬間、巨大カミキリがはねて、飛ぶ。

 トビラは腹部に攻撃をくらう。

「ぐっ」

 どうやら威嚇音は敵の雰囲気づくりための効果音ではなく回避率上昇を自身にかけるバフの効果があったようだ。大きさが変化したように見えたのはVRゲームでの演出だったのである。とはいえ効果は微弱なものであったようで、落ち着いて狙えば当てられると思える。


「さすが戦闘が売りって言うだけあって、序盤から色々と出て来る!」

 フォッカルの攻撃よりダメージが重い、腹部は良い防具をしているのにである。

 現実で腹部をこんな大型生物に噛みつかれたら死ぬかもしれないが、ゲームの世界であるので身体に穴はなく、大きなダメージ処理だけですんでいる。赤い粉のようなポリゴンが舞っている。


「死ぬかと思ったじゃない!!」

 というトビラの叫びは八つ当たりである。

 槍を短く持ってカミキリムシを跳ね飛ばす。

 さらに空中にいて体制を立て直せないでいるところを柄を右手でしかっり握り、左手は狙いをさだめつつ、槍をすべるように前に突き出し、追撃する。

 穂先がガツッと良い音をたて、虫がとんでいく。甲虫の硬い殻に当たったためか、カミキリムシはまだ生きているが、距離はひらける。


 そこに召喚獣(ペトロニウス)がいななくのが聞こえる。ちょっとだけHPが回復していくのが分かる。

 カミキリムシは接近してきているが足は遅く、まだ余裕があるので自分のHP(手の甲に浮き上がる)を見てみると、リジェネがかかっているようだ。


「これはさっきのと違う種類のバフ?」

 リジェネとはゲーム用語で継続的にHPを回復させるような支援(バフ)である。HP回復方法には瞬間的に傷を治す種類のものもあるが、じょじょに回復していくタイプのものを通常の回復と区別してリジェネレーション、略してリジェネと呼ぶことが多い。


「多芸な仔馬ね!」

 と言いながらカミキリムシとの間合いを自ら詰めて、槍を突き立てる。威嚇音などにひるむことがなかったためか、今度はしっかり当たる。

 それがとどめの一撃になりカミキリムシはドロップを残して光と消える。

 カミキリムシのドロップ品は「ジャイアントカミキリの小甲殻」というアイテムであった。それほど大きくないため、フォッカルの尾、ニンジン、サゥシカの角と共にポーチに入れることが出来る。


 と、後ろを振り向くとフォッカルの毛皮をくわえたペトロニウスが近づいてくる。

「持ってきてくれたの?ありがとな!」


 フォッカルの毛皮を受け取りながらトビラが礼を言う。ペトロニウスの能力確認を出来ていないトビラであるが毛皮をくわえた子馬の姿から別の疑問がわいてくる。

 肩から首筋辺りを撫でられるのが好きらしく、甘えるペトロニウスの相手をしながらシステム猫(ピート)にたずねる。

「ねぇ、放置したアイテムは3分たつと消えるという話だったけど、召喚獣が触れている場合はどうなるの?」

「召喚獣や水夫の船、その他の騎獣もプレイヤーの所持品を保持できる権限があるよ。水夫の船などは拡張すればインベントリを開放・拡大できるよ」

「ん?船『など』っていうことは召喚獣(ペトロニウス)もインベントリが開放できるの?」

「出来るよ。ただペトロニウスの場合はトビラの補助騎獣召喚スキルレベルをあげて、装備を出来るようにして、カバン類などのアイテムを装備する必要があるよ」


「それは思ったよりもずっと多彩な能力ね」

 トビラが感心しながら、自分の経験値のたまり具合や召喚獣のステータスなど確認しようと思い、システム猫(ピート)にステータス画面を表示するように頼む。


「そうだ!これ食べる?」

 と、最初のステータス画面に表示されている自分のHPやMPの数字をみるとトビラはニンジンをさしだす。

 召喚でMPが減っていくという話であったが予想より減っていないと思いつつも、食事をあげる効果を確認しようと思ったトビラである。


 しかしペトロニウスはニンジンを食べようとせず、耳をまっすぐ前方にむけて、高い声でいななく。

 馬は目が顔の左右についていて視野が非常に広いことは有名であるが、聴覚、嗅覚もすぐれた動物である。特に耳は馬の感情をしめす役割もあり、前方にむけてまっすぐ立てている場合は前方に注意をむけている事を示すサインでもある。視線より耳の向きで語るのが馬である。

 そんなことは知らないトビラであるがペトロニウスがニンジンを見ていないなぁとは思ってはいた。

「ん?どうした、、、げふぅ!」


 完全に油断していたトビラは背後から近づいてきていた新たなカミキリムシに思い切り攻撃をもらってしまう。中身は女性であるがまったく可愛くない悲鳴をあげる。


「な、な、なにしやがる!このクソG!害虫!」

 激怒したトビラは2体目を瞬殺する。しかしドロップ品にもカミキリとあったがトビラの中ではGという扱いになってしまったようである。


 背の高さ的に凸凹コンビになっているトビラとペトロニウスであるが、順調に(?)冒険をしている。

 このまま順調にゲームはすすむのか?トビラ達はステータスを次章で確認できるのか!?

シェトランドポニーは人を乗せていた記述もある本もありました。

が、自分が最初に読んだ本だと乗せられなかったってありました。

どっちだろう?


この話は8000字。

ユニークユーザー100人超えました。多謝


誤字脱字、あれば教えてください。目指せ、万が一、1万字に1つくらい目標にしてます。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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VRMMOで弓削師というのもかいてます。よろしくお願いします
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