一つ目の選択肢。
「ねえ、僕もサークル悩んでるところだから一緒に入らない?」
彼、そうきくんがそんなことを言い出したのは大学から徒歩十分程の大きなカフェの中のことである。
「えっ……私、特に部活も入ってなかったし……。」
「僕もだよ。僕さ~すごく田舎から来たから友達がいなくて、なんだか目が合ったから焦って話しかけちゃったんだ。だから……」
彼の目が、じっと私を見つめた。
黒い黒い、でも透き通った瞳。
なんだか、何かを見透かされているような不思議な心地になった。
「僕と、友達になってよ?」
いたずらな笑顔でこう告げた彼に、頭を大きく上下に振ることしかできなかった。
話をしてみると、そうきと私は住んでいたところが近かったようだ。
「えー、高校は違うけど中学って同じ学区じゃない?」
私がそう尋ねると、そうきは困ったように笑って返事をした。
「僕さー、中学はいってすぐ転校しちゃったからな~。一緒だったのかもね?」
私は、しまったという顔をしてしまった。
触れない方がよかったな、と後悔する。
それに気づいたそうきは、すかさずフォローした。
「別に暗い事情じゃないから!普通に父さんの転勤だよ!……で、このサークルとかどう?」




