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異世界転移物語 一ノ瀬龍太郎  作者: #社畜さん
第1章 知らない世界へ
1/10

#1 龍太郎冒険記の始まり

目覚めると一ノ瀬龍太郎は、森の中にいた。


今朝は久しぶりの休みだったので、パーカーにジョガーパンツと買ったばかりのランニングシューズを履いて近所のランニングコースに向かっていたはずだった。


それが気がつくと森の中にいた。しかも人口的な公園の森ではなく、うっそうと茂る陽の光も弱い深い森のようだ。


龍太郎は訳が分からないまま、かすかに道らしきものをまっすぐ進む。


30分も歩くと泉があった。

とても澄んだ泉のようだ。


ふと、泉の奥に何か動く気配を感じた。


誰かいるのか?

いや、そもそもココは何処だ?

なんでこんな所にいるんだ?

たしかランニングに行こうとして家を出てエレベーターに乗って………。

何か思い出したいが自分の事以外は何も思い出せない。


「おーい、そこに誰かいるのか?ココはいったいどこなんだ?おーい。」


ガサっと音がして、体長が3メートルもある黒い何かが現れた。


ん?

何だ、あれ?


黒い何かが頭の上から何かを振り下ろしてきた。


あ、危ねぇ!


龍太郎は、間一髪避けた。


避けた地面は大きく凹んで何かがめり込んでいた。


何か昆虫の足のようだ。


木々の間から光が溢れた、明るくなって黒い何かの正体が分かった。


とてつもなく大きいカマキリだ!


何だよ、あんなのアリかよ!

しかもカマキリは口から涎を垂らしている。どうやらエサとして龍太郎を見ているようだ。


いきなりワケの分からない場所で化け物みたいなカマキリに喰われるのか?


黒い巨大なカマキリがシャーと嫌な鳴き声を出しながら龍太郎にカマを振り下ろしてきた。今度こそヤバイ避けられない。


諦めかけたその時、龍太郎の背後から別の気配がした。


この後に及んで挟み撃ちか?こりゃいよいよ死んだな。


龍太郎は

目を閉じた。

一瞬、龍太郎の脇を風が吹き抜けた

………。



あれ?


何も起きない?

そう思った矢先、大きな叫び声がした。


目を開けると、さっきまでいた黒い巨大なカマキリは粉々に飛び散っていた。


助かった…。


しかし、いったい誰が?


すると後ろから声がした。


「大丈夫?生きてる?」


後ろにはRPGに出てきそうな耳が大きく尖った綺麗な女性がいた。


もしかして…エルフ?


化け物みたいなカマキリがいるし、綺麗なエルフがいるし、どうなってるんだ?

そこまで考えて、目の前の恐怖が去ったせいか龍太郎は気を失った。



冷たい…けど、気持ちいい。


龍太郎のおでこに水で濡れた布切れがあった。


「あ、気がついた?

危ないところだったね。人間がなぜこの森に武器も持たないで1人でいたの?

私が近くにいたから助かったのよ、運がいいわね。」


「助けていただいて、ありがとうございます。私は一ノ瀬龍太郎と申します。あなたはその…エルフの方ですか?」


「イチノセリュウタロウ?変わった名前なのね。それに変わった服装だし…。

私はエリー。

そうね、見ての通りエルフよ。まさか、エルフを見た事ないの?」



「はい、初めて見ました。それにあんなの化け物みたいなカマキリも初めてです。ここは一体何処なんですか?」


「あなた、もしかして…【迷い人】なの?違う世界から来た。」


「はい?【迷い人】??何を言ってるか、さっぱり分かりませんがエリーさんの住んでいる町まで連れて行ってくれませんか?」


こんな所に置き去りにされても困ると思い、龍太郎は出来るだけ腰を低くお願いした。


「も、もちろんよ、【迷い人】なら助けない訳にいかない。私について来て。

まずは近くの村まで案内する。

それと村に着くまで、少し歩くからこれを貸すから。」


エリーは

そう言って自分の腰から60センチくらいの鞘に収まった剣を渡してくれた。


いわゆる、ショートソードだ。


小ぶりだが、使いやすそうだ。ベルトを腰に巻いて鞘に剣を納める。


すると頭の中から声がした。

➖ショートソードを装備➖


何だ今の声?

それになんか力が増したような気がする。


何だかホントにRPGやラノベみたいだな。


それから約2時間森を歩き続けた。辺りは一気に暗くなり、夜になろうとしていた。


「これ以上は危険ね。どこか拓けた場所を探して今夜は休みましょう。」


エリーの提案を受けて龍太郎は野宿の準備を始めるのであった。
















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