表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/29

清潔なものは必ず汚され、白いシャツは必ず鼠色になる。人々は、残酷にも、この世の中では、新鮮、清潔、真白、などというものが永持ちしないことを知っている。だから多いそぎで、熱狂的にこれを愛し、愛するから忽ち手垢で汚してしまう。

三島由紀夫『流行のおわり』より

  (わたくし)はこれから(ひと)つ、肉体(にくたい)精神(せいしん)紐帯(ちゅうたい)差逼(さしせま)った告白(こくはく)をしようと(おも)う。*無聊(ぶりょう)(うち)(つと)めて(ぼっ)し、()いて*韜晦(とうかい)()け、*諧謔(かいぎゃく)()んだ*口吻(こうふん)(ろう)した(つもり)であり、*三昧境(さんまいきょう)(つづ)った、掌中(しゅちゅう)(たま)(おな)じの*(てら)いだが、滑稽(こっけい)(わら)いとばすも、教訓(きょうくん)(しゃく)されるも勝手(かって)である。

 本音(ほんね)(あか)せば、恥入(はじい)(ばかり)稚拙(つたな)い、独善(ひとりよ)がりで(はなは)畏深(おそれぶか)く、読者諸兄(どくしゃしょけい)首肯(しゅこう)せらるるや(いな)や、明瞭(さだか)ではない。ただ、悠久(ゆうきゅう)(なが)きに()たれた人生(じんせい)の、*一縷(いちる)の*残滓(ざんし)(そう)されたならば(さいわ)いである。

*無聊…つれづれなこと。たいくつ。

*韜晦…形跡をくらましかくすこと。

*諧謔…おもしろ気のきいた言葉。

*口吻…くちぶり。言いぶり。

*三昧境…ある事に没頭して雑念を離れた忘我の境地。

*衒い…ひけらかすこと。ここでは文体の意味。

*一縷…絶えようとするさま。わずかにつながっているさま。

*残滓…のこりかす。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ