開拓村7日目
朝になった、昨日は寝つきが悪かった。バジリスクに追われる夢を見た。夢の中でも怖かった。
今日は西の山の奥の方まで進むんだ、気合いを入れないと。
転移で村に行ってジンさんと朝食を取りながら西の山の奥の方に行くことを伝えた。
「いつも言ってるが、危なくなったら転移で戻ってこい。でも、考えたんだが、昨日のバジリスクも転移で帰ってこれたな」
「そうなんですよ。俺も昨日帰ってからそこに気が付いて。結構慌ててたみたいです」
2人で笑いながらその事を話す。何があっても転移で逃げればどうにかなる、と思ったら心が少し軽くなった。
朝食が終わり西の山に向かう準備をしていたら、薬師のおばあさんが来て薬草を取ってきて欲しいと頼まれた。快く引き受けて転移した。
昨日ラビットを倒した場所に転移で飛んでマップのマークを見る。近くに魔物がいる、シールドの練習をしてみよう。
マークに近づいた、ラビットがいた。念のため転移で逃げる準備をしながらシールドを出して体当たりを受け止める。特にこっちに衝撃もないな。何度か体当たりを食らうが特に問題はなさそうだ。バリアに換えて体当たりを受け止める。これも問題なし。特に問題もなさそうなのでラビットを倒して昨日バジリスクを倒した場所に転移する。
マップを開いて赤マークを探す。今日も結構あるな昨日までと同じように片っぱしから倒して行こう。
いた、ゴブリンだエアガンで倒してアイテムボックスに回収する。ちょっと歩けば魔物に当たる。
今度はスライムだった。火の魔法でジュッと焼いて魔石を回収する。またゴブリンがいた、これもエアガンで撃って回収した。次はゴブリンとコボルトがいた。争ってる、コボルトが優勢みたいだな。マップ上で魔物が近づいてきたのがわかった。隠れて見ていると、オークがやってきてゴブリンもコボルトも全滅させた。それを食べてる。正直グロイ。
こうやって魔物のテリトリーが決まっていくんだろうな、と思いながらオークを倒してアイテムボックスに回収した。
近くにいる魔物は全部倒したかな、奥の方に行ってみよう。
池、沼みたいな所に出た。水の中に魔物の反応がある。バリアを張って近づいてみた、
「バシッ」
何かがバリアにあたった、沼の中からカエルを大型犬位にした魔物がのそのそと出てきた。鑑定をしてみる[鑑定 トード 食用 可]、バリアがあるおかげで余裕を持って倒せるな。
雷の魔法を頭の上に落とす。ひっくり返ってピクピクしてるけどマップの反応はまだ生きてる。
エアガンで頭を撃ち抜いたら反応が無くなった。どうやら倒せたみたいだ。沼の中にはまだ魔物の反応があるから沼に近づきすぎないようにトードをアイテムボックスに回収した。全部倒せないかな、雷の魔法を沼に落してみた。
何匹かプカーっと浮いてきた。エアガンで倒しておく。他のトードは沼からジャンプして出てきた。
すぐエアガンを撃って倒して行く、何匹かの攻撃を受けたがバリアが守ってくれた。沼に沈んだのもあって全部は回収出来なかったけど15匹は回収出来た。沼の中の魔物の反応は無くなった。
もっと奥の方まで行ってみよう、けもの道をエアガン片手にマップを出して赤のマークの方に歩く。魔物の方から近づいてくる。バジリスクかもしれない。バリアを出しながら慎重に歩いてると。いた、バジリスクだ昨日は驚かされたから今日は先に攻撃して倒してしまおう。
エアガンと雷の魔法の準備をして奇襲をかける。エアガンで頭を撃ち抜いた後、尻尾の蛇の上に雷の魔法を落とす。
マップから赤のマークが消えた。倒したのを確かめてアイテムボックスに回収する。昨日のトラウマになりかけてた物が無くなった気がした。
もう少し奥に行くとオークの群れを見つけた。群れは10匹いた。全部雷の魔法を頭の上に落して倒した。アイテムボックスに回収して、今日の探索は終了。
村に帰って今日の獲物を全部出したら、出し過ぎだと怒られた。半分出して後は明日出すことにした。明日は休みにしよう。今日は帰ってきた時間も遅かったから、そのままジンさんの家に行った。
「ただいま帰りました」
「よう、今日は遅かったな」
「はい、森の奥まで行ってたんです。そのせいで狩りすぎてしまって女の人達に怒られましたよ」
「あはは、そうか。じゃあ明日は休みにするか?」
「そうしようと思ってます」
「じゃあ明日はこっちに来なくてもいいぞ、せっかくの休みだのんびりしろ」
「そうですね、やることなかったらこっちに来ると思いますけど」
「まあどっちにしろ、体は休めるときに休んでた方がいいぞ」
「わかりました」
「マギのやつがそろそろ復帰出来るみたいだし、のんびりしてたらいいさ」
「マギさんの具合も良くなってきたんですね、良かったです」
「でも、そうなったらヤタは旅に出るんだな、転移があるからいつでも帰ってこいよ」
「そうですね、転移があるおかげで寂しさみたいのはありませんね」
「ヤタ、お前も村の一員なんだからいつでも帰ってこいよ」
「はい、ありがとうございます」
ホントに嬉しい、俺みたいなどこから来たのかわからない人間に村の一員と言ってくれて。この恩は忘れないようにしよう。
今日の夕食はオークの肉とトードの肉の2種類が出た。トードの肉は鳥のささみみたいなあっさりとした味だった。
読んでくれてありがとうございます。