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旅15という名の散歩

 朝、目が覚めて、たらいに湯を張り、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃る。2匹はまだベットで寝ている。着替えをして銀貨と一緒に籠に服を入れる。2匹を起こさないようにそっと部屋を出て1階に下りる。コリンちゃんに声をかけて空いてる席に座る。朝食が運ばれてきた今日の朝食はサラダとスープ、具がたくさん入ったスパニッシュオムレツに食べ放題のパンだ。パンとオムレツの相性が抜群で今日も食べ過ぎた。今日も出たお腹をさすりながらコリンちゃんから兎の肉をもらい部屋に戻る。2匹は起きて待っていた、餌入れに兎の肉を入れて待てと良しをして食べさせる。お代わりにオークの肉を少しあげて魔石をあげる。水をあげて食休みをとる。




食休みが終わって宿を出る、宿を出たら昨日の場所まで転移で飛ぶマップを出し全員にバリアを張る。マップに映ってる森の中には小さな動物が居る、狩りの練習になるかな、聞いてみる。


「兎より小さな動物が居るけど狩りする?」


「したいです」


「やるー」


 やる気満々だ、一緒に森の中に入って2匹だけで狩りをさせてみる。

 昨日と同じようにフェンが十分に近づいて、リルがまわりこんで逃げ道を塞ぐ様なコースをとってる。獲物はうずらかな昨日よりはだいぶ小さいし動きだけを考えれば十分仕留められる。

 フェンが飛びかかりうずらは逃げたけども、リルがその逃げたコースで待ち構えて仕留めた。獲った獲物を俺の所に持ってくる。褒めてと顔が言ってるので2匹の頭やお腹をワシャワシャとたくさん撫でた。羽を毟って2匹に渡すとリルが仕留めたからかリルが食べる事になった。待てと良しよして食べさせる。小さな獲物だったからデザート感覚だろうなと思った。




 森から出て街道を歩く、フェンとリルはさっきの狩りの反省をしてるのか、俺の側を歩きながらグルグル言いながら話をしてる。森にはさっき位の動物はまだいるけど連続だとキツイかな、と判断して休憩の後にまた狩りをすることを約束したこれには2匹とも大喜びで賛成した。

 最初の休憩は早く狩りがしたいと言ってくるので早めにとった。水を飲んで木陰で休む。2匹は早く狩りがしたいのかそわそわしてる。頭を撫でて落ち着かせ休憩をさせる。それでも興奮は収まらないのか尻尾がパタパタしている。




 休憩が終わり森の中に入る、さっきとは違って身をかがめ息をひそめてる様子に興奮した感じは見られない、狩りモードかな。さっきと同じうずらが獲物だ俺は遠くから息をひそめて見てるだけだ、2匹はさっきと同じように十分に獲物に気付かれないように近づき逃げた所を追い詰める作戦のようだ。

 フェンが音も無く獲物に素早く近寄ったと思ったら一瞬で仕留めた。これには俺もびっくりだ、リルもびっくりしたようで茂みから出てきた。フェンは得意げな顔で俺の所に獲物を持ってくる、


「フェン、いつの間にあんなに上手に歩く事が出来るようになったの?」


「あのねー静かに歩こうと思ったら出来たー」


「やはりフェンには身体能力ではかないませんね」


「フェン今のは上手だったよ」


「すごいでしょー」


 どや顔で褒めてと顔を摺り寄せてくる。ワシャワシャと撫でて獲物の羽を毟ってフェンに渡す。自分で獲った獲物だ美味しそうに食べてた。2匹とも昼は少し少なめにあげよう。

また街道に出て旅を始める、2匹とも今日は獲物を獲れて自信を持った歩き方に変わってる。どんどん経験値を積ませてあげよう、立派なフェンリルになるように。





 お昼になった、木陰を探してそこでお昼にする。俺はスープと串焼きとパン、フェンとリルはオークの肉だ、だけどさっき食べた獲物の分を引いて、いつもよりは少なめだ。午後も狩りをする予定だから動きやすい方がいいだろう。食事を終えて2匹は魔石を齧る。魔素を吸いこみ水を飲んで食休みを取る。

 食休みの間に午後も狩りをする予定だと伝えると2匹とも喜んで、テンションが高くなった。

 今いる木陰から少し離れた所に兎がいるさっきから食事をしているのかあまり場所を移動してない、フェンとリルにその事を伝える。


「フェン、リル兎が居るけど狩りに行く?」


「行きたいです」


「行く」


「じゃあ、兎の近くまで連れて行くから後は自分たちで狩りをしてごらん」


 2匹はすぐに狩りモードに入り体勢を低くした、一緒に身をかがめ兎の近くまで2匹を連れていく。


『ここからは自分たちで考えて行動するんだ、連携を大事にね』


 2匹は体勢を低くしたまま兎を囲むように位置取りをする。まず動いたのがフェンだ、リルの居る場所に上手く誘導しながら兎を追いかける。リルはギリギリまで隠れていて兎がリルの横を追い越そうとする瞬間をタイミングよく噛みついて倒した。良い連携だった。


「良い連携だったよ、フェンの誘導も良かったし、リルの出るタイミングも良かったこれで兎も上手に獲れるようになってきたね」


「はい、お父様のご指導のおかげです」


「ほめられたー」


 褒めた後に血抜きをして皮をはぐ、兎を2匹にあげてしばらく食休みをとる事にした。さっきお昼の食事をしたばっかりなのに少なめに食事をさせたのが良かったのか2匹はバクバクと食べてた。水を飲み食休みを少し摂ってまた街道を歩く。




 街道の補修をしながら歩いてるとたまに馬車にすれ違ったり追い越して行ったりする、御車の人が会釈をしたり声をかけて行ったりする。のどかな光景だ、旅を初めて盗賊や嫌な人に出会っていない、これも優しい人たちが多いからかもしれない、それともたまたまそれを俺が見ていない可能性もある。少なくても俺が会った人達はみんな良い人たちばかりだ。フェンとリルだってそうだ、いい子達だ、これからどんなフェンリルになるのか楽しみだ。

 そんな事を考えながら道の補修をしてる、フェンとリルは草や花の匂いを嗅いだりしながらちゃんと付いてくる。たまに草を齧って苦そうな顔をしているフェンをリルがたしなめてる時もある、ゆったりした時間が過ぎていく。休憩時間になるまでゆっくり進みながら道を直してた。




 今日最後の休憩時間にどんな獲物を狩りたいか聞いてみた。


「フェンとリルはどんな獲物を狩ってみたい?」


「私はまずは兎狩りをもっと上手になって、その後は鳥やもっと上手になったら猪とかですかね」


「ぼくオーク、おいしーから」


「オークは早いかな、まずは鳥とかが良いかな、大きくなったら猪とかトードとかを相手にして経験値を増やしていこう、そうして大きな獲物も倒せるように頑張ってみよう、そうなるように俺も手伝って行くから」


「はい、わかりました」


「はーい、鳥もたべたーい」


 鳥か、木の上にいるから中々下りてこないんだよね。エアガンならすぐに倒せるけど普通の倒し方知らないしな、勉強しとこ。飛び立つ瞬間なら行けるかもしれない。どうなんだろう今度観察してみよう。

 そんな事をみんなで話して休憩を終わらせた。




 また街道を修復しながら、2匹を遊ばせながら歩いて夕方になった。

 宿の前に転移で戻り浄化の魔法できれいにして宿に入って部屋に戻るとフェンが着替えを持ってきた。


「お風呂に行くか」


「いくー」


 お風呂に行くことが決まり転移で家に飛ぶ、湯船にお湯を溜め2匹を湯船に入れ上手な犬かきを見る。疲れてふちに顎を乗せるまで泳がせる。2匹を湯船から出しタオルで体を拭いてドライヤーで体を乾かし部屋に転がしておく、次は俺の番だ、体を洗い湯船に浸かる。ゆっくり浸かって長湯をする前にお風呂からあがる。

 体を拭いてドライヤーで乾かした後、寝てる2匹を連れて宿に戻る。2匹をベットに寝かせ1階に下りる、コリンちゃんに声をかけて空いてる席に座る、夕食はすぐに出てきた。サラダとスープモーウ肉のステーキ、食べ放題のパンだ。食べ過ぎてお腹がいっぱいだ。出たお腹をさすりながらコリンちゃんから兎の肉をもらう、2階に上がると2匹はまだ寝ていた、起こして食事の時間にする。

 餌入れに兎の肉を置いて待てと良しで食べさせる、今日は間食もしたからあまり食べないかなと思ったがお代わりも欲しいらしくジャイアントトードの肉を少しあげた。その後は魔石をあげて水を飲ませたら食休みをしながら寝てしまった。2匹をベットに運んで並べて寝かせる、一緒に寝てる時にたまに蹴られるが基本寝像はいい。

 2匹を寝かしつけテーブルにワインを出し椅子に座ってワインをちびちび飲みながら夜を過ごした。

読んでくれてありがとうございます。

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