旅12という名の散歩&開拓村
朝、目が覚めて、たらいに湯を張り、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃る。寝てる2匹をそのままにして1階に朝食を食べに行く、コリンちゃんに声をかけて空いてる席に座る。料理はすぐに出てきた。今日の朝食はサラダとスープ分厚いベーコンにスクランブルエッグ、食べ放題のパンだ。もちろん食べ過ぎた。コリンちゃんから兎の肉をもらい、今日の夕食はいらないと伝えて2階に上がると、餌入れの前に2匹が座って待ってる。待てと良しをしてあげる。今日も少し足りなかったから大蜘蛛の肉をあげてみんなでお腹いっぱいになる。食休みを長めにとって、開拓村に行こう。
2匹を抱っこして宿から出る。宿の前で転移を使い開拓村に着く、2匹にリードを付けてバラバラに行動しないようにしてジンさんを探す。ジンさんはすぐに見つかった。
「おはようございます。ジンさん、今日はよろしくお願いします」
「ようヤタ。おはよう。村の連中も夕方から宴会だって浮足立ってるぞ」
「この2匹が俺が拾った小狼のフェンとリルです」
俺が紹介すると2匹はわんと勢いよく吠えた。
「まだちぃせいが元気があっていいな、ちゃんとしつけもしているみたいだし」
「村になれたらリードを外すつもりです、今は村の人達に怪我をさせたら困るのでこうしてます」
「大丈夫だ、村の連中で小狼に怪我させられる奴なんかいないよ。それは外してていいぞ」
「そうですか、ありがとうございます」
リードを外すと2匹は元気に駆け回った。
「ちぃいせい内は何にでも興味を持つんだそのままにしてやれ」
「このままみなさんにも挨拶してきます、手伝う事があったら言って下さい」
「前にヤタが持ってきた農具の性能がよくて仕事がはかどってるよ、手伝わなくていいからのんびりしとけ」
「じゃあ村をまわって挨拶してきます」
ジンさんと別れて集会所の方に行った。そこには今日の宴会に使う鍋などが各家から持ち出されてきている。
そういえばギルドの進級試験の時に浸かった寸胴鍋もう使わないから村で使ってもらおう。
「おはようございます。お久しぶりです、今日はよろしくお願いします」
「おはよう。ヤタさん、久しぶりだね、小狼を連れてきたんだって、どれ見せてごらん、賢そうな顔してるじゃないか、いい相棒達が出来たね」
「はい、狩りはまだ出来ませんが賢くて将来が楽しみです」
「今日は肉は解体して持ってきてるんだよね、どのくらい持ってきたの」
「オークが70体、大蜘蛛が70匹分です」
「何だいその数、多すぎるよ20ずつあれば今日はみんなお腹いっぱい食べられるよ」
「そうですか、じゃあ後で出しますね。後、前に寸胴鍋使ったのが3つあるんですけど処分に困ってて村で使ってもらえないですか」
「どれ、見せてごらん。これはいいじゃないの、ほんとにもらっていいのかい」
「はい、1人だとこんなに作る予定も無いですし、村で使ってもらえれば嬉しいです」
「ありがとうよ。早速この鍋でスープを大量に作るよ」
周りにいる女性達を引きいて野菜を切り始めた。邪魔にならないように少し離れた所で作業を見ていたら水が足りてない、水がめに水を満タンになるまで入れて後で肉を渡しに来る約束をしてその場を離れた。
『お父様、優しい人がいっぱいいますね』
『頭なでられたー』
フェンとリルにはあらかじめ念話で話しをするように言っておいた、人の言葉をしゃべっていたら流石にびっくりするだろうと思って。
『ここの人達は良い人たちばかりなんだよ、俺が困ってる時も優しくしてくれたよ』
そんな事を話ししながら畑の方に来た。
「おはようございますみなさん。仕事ははかどってますか」
「ヤタか、ヤタが前に持ってきたクワとか鎌とかで仕事がはかどって開拓地も増えて行ったよ。来年は人を募集するって村長が言う位だし」
「それはいい事ですね、じゃあまたその時に農具を買って持ってきますよ」
「ほんとか、ありがたい、これがあるのとないのとじゃ仕事のはかどり方が違うからよ」
「そうですか、後で少し手伝いに来ます」
「待ってるよ、魔法でバーンとやってくれ」
「はい、わかりました。じゃあまた後で」
畑を通りすぎて今度は伐採場に来た。
「おはようございます。お久しぶりです」
「ヤタか、おはよう。今日の宴会は楽しみにしてるぞ」
「さっき肉の話をしに行ったら多すぎるって言われちゃいました。今日はみなさんがお腹いっぱいになるまで食べれるらしいですよ」
「聞いたか、今日はいつもより張り切ってやるんだぞ」
「後で手伝いに来ます」
「そりゃ助かる、待ってるぞ」
「はい、では後で」
伐採場も過ぎて、一通り周ったから今度は1軒1軒周って水がめに水を溜めていく。水を入れるついでに浄化の魔法もかけていく。
集会所に戻って肉を渡してくついでに休憩も取った水を飲みながら女性達が仕事をしてるのを見る。フェンとリルは興味があるのかクンクンと近くまで行って匂いを嗅いでる。邪魔してないからいいかな。
ジンさんの所に行って井戸掘りの手伝いをして、畑に行って地ならしの手伝いをして、伐採場に行って木を切る手伝いをしてフェンとリルにご飯をあげるためにお昼休憩を村にある俺の小屋で食事にする。
餌入れにオークの肉を入れ待てと良しをしてからあげる、バクバク食べてるいつもよりお腹が空いてたのかな、俺はスープと串焼きとパンを食べる。2匹はまだ食べ足りないみたいだ大蜘蛛の肉も少しあげて終わりにする。その後にオークの魔石をあげる。カリッと噛んで何かを吸収する。その後は小屋の外で涼みながら食休みを取る。まったりしながら村の様子を見る、みんな活気に溢れていて居るだけで元気がもらえる、2匹もここを気に入ったみたいだいつよりのんびりしてる。午後は森に散歩に行こうかな。
食休みも終わって北の山に行って兎を追いかけたり、オークの骨を投げて遊んだりして過ごした。夕方になったから集会所に行ってみんなが揃うのを待つ。
みんなが来るのを待ちながらテーブルにワインやウイスキーエールの樽、ビールなどを置いていく。先に来て待ってた人なんかは食事よりも先にワインを開けて飲んでる人がいて怒られてたり、怒られてても楽しそうに笑ってたりみんな楽しそうに待ってる。
ジンさん達が来た、ジンさん達が1番最期だったらしく、ジンさんの挨拶が始まる。
「みんな今日はよく集まってくれた、ヤタが小狼を飼う事にしたお披露目をしたいのでみんなには集まってもらった。小狼の名前はフェンとリルだ、この2匹も村の1員に加えよう。今日は大いに食べて飲もう」
ジンさんの挨拶と共にカップにワインが注がれテーブルに料理が並びワイワイと食事会が始まった。
フェンとリルは子供たちに頭をなでられ背中をなでられ楽しそうだ。フェンとリルの餌入れにオークの肉を入れておく、今日は食べられるときに食べたらいいから大目に見よう。食事をしてるとジンさんに声をかけられる。
「ヤタ、飲んでるか」
「飲んでますよ、今日はわざわざありがとうございます」
「礼を言うのはこっちだよ、開拓村って言うのは楽しみが少ないからこうやってみんなで集まって飯を食うだけでも楽しくて特別な感じがするんだよ」
「そう言われると嬉しいですね」
「魔物の肉も美味いし酒も美味い。こんな贅沢な事なんてめったにないからな。みんなも楽しんでるよ」
「俺も今日はすごい楽しいです。やっぱりみんなで飲むのはいいですね」
「そうだな、これもヤタのおかげだ。ありがとう」
「そんなことないですよ、皆さんいい人ばかりだから何かしたくなるんです」
「そう言ってくれてありがとう、この村は何もないけど人が好いのだけが自慢なんだ」
「もっと村も大きくなって良い人がもっと増えていけばいいですね」
「ああ、俺の目標だ」
「ジンさんなら出来ますよ」
「ありがとうな、ヤタ」
ジンさんと熱く語り合い、肉を食べ美味しいスープを飲み、ワインを飲んで夜が更けていく。
2匹は先に宿に戻し浄化の魔法できれいにしてからベットで寝かせる。俺はまた開拓村に戻って飲んで騒いで宿に戻ったのは夜中だった。回復魔法で酔いを覚まし、浄化の魔法できれいにした後でベットに入って2匹と眠った。
読んでくれてありがとうございます。
ブックマークしていただいて感謝してます。