旅2
あさ、目が覚めてたらいにお湯を張り、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃る、昨日着てた服とスエットを籠に銀貨と一緒に入れる。1階が落ち着くころに下りてコリンちゃんに声をかけて空いてる席に座る。今日の朝食はサラダと兎肉が入ってるグラタンと食べ放題のパンだ。朝からグラタン。合いましたよ、美味しゅうございました。
のんびり食休みを取って宿を出る。転移で昨日の場所まで行きマップを出しバリアを張る。
今日も道を補修しながら歩く。特に魔物や動物が出てくる訳でもなく、盗賊が出てくることもない、至って平和的に進んでいる。2時間位歩いた所でやっと前の野営地点に着いた。そこで休憩しながら水を飲む。森の中に兎がいた、宿に持って帰って何か作ってもらおうかな。仕留める事にした。
そっと茂みに入ってエアガンを取り出す。兎は気が付かずに葉っぱを食べている、エアガンで狙いを付けて撃つ。一瞬痙攣した後動かなくなった、マップで確認してからアイテムボックスに回収した。
休憩も終わってまた歩きだす。気になってる事が1つ、昨日の狼の親子が付いてきてる。見える所には出てこないがマップではずっと確認してる、もう1羽兎を捕まえとくか。お昼の休憩までにもう1羽兎を倒しておいた。
そろそろお昼にしよう、今日のお昼はスープとパンにトード焼きをはさんだサンドイッチ、食べてると茂みがガサガサと動いて出てきた。小狼が2匹その後ろから親も出てきた、多分母親だろう。人間に慣れ過ぎるのはよくないと思いつつ兎をアイテムボックスから取り出し親狼の前に投げた。匂いを嗅いで安全とわかってから兎を2羽咥えて小狼と茂みの中に入っていった。群れからはぐれたか、外されたか。親も一緒だ外されたんだろうな。明日は猪でも倒しておこうかな。
食休みも終わりまた道を補修しながら歩きだした。別にやる必要はないのだけどただ歩いてるのが退屈でしょうがない。
道を補修しながら歩いて、夕方になったので宿に帰った。今日の夕食は兎肉のソテーとサラダとオーク肉のスジ煮込みと食べ放題のパンだ。先に夕食にして後からお風呂に行こう。まだ動ける程度には食べ過ぎて部屋に戻って家に転移で飛んでお風呂に入った。風呂に浸かりながら狼たちの事を考える。そういえばマップで見た限り、あの辺りには狼はいない。じゃあどこから来たのか。草食の動物が多いから狩りもしやすいと思うけど。それも出来ない何かがあるのか。
考えてもしょうがない事はわかってるけどつい考えてしまう。情がわき始めているのかな。ザブッとお湯を頭からかぶり考えないようにした。
風呂から出て宿の部屋に帰ってビールを飲む、まださっきの事を考えてる自分がいる。どれ位賢いのかな。街に入って人間を襲ったら危ないし。思考が飼う方向に行ってる。ダメだもっとよく考えて。何かあってからじゃ遅いんだ。
今日のビールの味はよくわからなかった。
次の日の朝、朝から気もそぞろで朝食に何を食べたか覚えてない位ボーっとしたまま昨日の場所に転移してマップとバリアを張った。マップには狼の親子がいる。今日は道は補修せず、ずっと考え事をしながら歩いてた、最初の休憩で遠くの方で猪を見つけエレベーターの魔法で上から倒しに行った。アイテムボックスに回収しながらこれはもう、情がわいて飼う事に自分の中では決めてるなって思った。
お昼の休憩で小狼と親狼が出てきたとき、自然と、
「お前達一緒に来るか」
と、聞いた。すると意外にも親狼が声を出して話し出した。
「異世界の人間よ、私達はフェンリル一族のもの、私達は1頭につき子は1頭と決まっている、記憶の継承の為だ。しかし私は2頭の命を授かった。一族は記憶の継承の為に1頭は殺せと言う。私は反対した、腹を痛めて産んだ子だ、どちらが優先とか出来なかった。私達は群れを抜けだし狼の格好をしてさまよい続けた、そして異世界の人間、お前に逢った。この世界の人間ではこの子達は守れない、だからお前に託したい私の子供達を」
「お前はどうするんだ」
「私は時期に死ぬ。記憶の継承を終えたら天に戻る、そういう定めだ。記憶の継承は済ませた、もう時間が無い、追手は私が引き受けるお前はわが子を独り立ちするまで守って欲しい」
「急に言われても守りきれる自信が無いよ」
「大丈夫だある程度の年までは狼と一緒だからばれにくい、それに記憶の継承は終わってるから人語も理解してる。もう少し経てばしゃべる様にもなろう。何年かの間だこれも何かの縁だと思って頼まれてくれ」
「わかった、俺の名前はヤタだ。子供を預けるのに預けた相手の名前もわからないなんてやだろう」
「確かに、私には名はない、この子達にも名はない出来れば名を付けてやってくれ」
「フェンリルだからフェンとリルだ。2頭で1頭って意味だ」
「フェンとリルかよい名じゃ。ヤタ、子供達を頼んだ」
そう言って親フェンリルは姿を消した。後に残されたのは2頭のフェンリルの子供達だけだった。
どうしよう預かってしまった。フェンリル、見た目は小狼。とりあえずご飯でもあげるか。猪を出したらすごい勢いで食べてた。食べ終わる頃にはお腹がまん丸になっててコロコロ転がりそうになってた。
ミリアの街の南門まで転移で行って狼を街に入れていいか聞いてみた。
ギルドで承認された首輪を付けていれば街に入れてもいいそうだ。でも何か問題があった時は飼い主に責任が行くらしい。熊狩りとかする猟師や冒険者では割と狼を猟犬代わりにするらしい。
良かった、ギルドに申請しに行こう。ギルドに向かい受け付けで申請を出す。飼い主の名前と動物の種類と名前を書くだけだ。首輪とタグをもらった、首輪は大きくなれば好きに替えていけばいいが、タグはギルド発行だから無くしたら罰金らしい。気を付けよう。
フェンリルの子はよく見るとオスとメスだった。オスの方にフェン、メスの方にリルと付けたどちらも気に行ったらしく尻尾を振ってた。
宿には入れてもらえるかな。聞いてみよう。宿に戻ってコリンちゃんに聞いてみたら。やっぱり門と同じくそういう冒険者もいるそうでトイレなどのしつけが出来ていれば宿に入れてもいいそうだ。ちなみにしつけが出来ていないペットは外だそうだ。
まだ昼過ぎだから1度地球に行ってペット用品買ってこよう。
転移で家に戻ってホームセンターに行って、ペット用品を買ってきた。トイレ関係の物は特に多めに買った。トイレすぐに覚えてくれるかな。心配だな。
すぐに家に帰り宿に転移してトイレをフェンとリルに教えた。すぐにわかったようで教えた場所にトイレをしてた。良かった、頭のいい子達で。骨ガムをあげて遊んでいると思ったら、いつの間にか寝てた。ペット用のベットに2匹とも入れて寝かしておいた。
今日の旅はこれ以上はいけないから風呂に入ってこよう。家に転移で飛んでお風呂に入る、風呂に浸かりながら今日の事を考える。なんか色んな事があったな、フェンリルかどうやって飼えばいいのかな、犬は昔飼ってたけどあの感覚でいいのかな。でも食事は生肉がいいよな、後でギルドに買いに行こう。早く戻らないと目を覚ますかもしれない。
いつもはもっとのんびり入ってるけど鳴いてたら困る、早く戻らないと。急いで着替えて転移で宿の部屋に戻る。2匹はまだ寝てた。ホッとした。今のうちにギルドに行かないと。
1階に行って外に出てくると言ったら。コリンちゃんに狼の餌は兎でいいか聞かれた。1匹につき銀貨1枚で朝と晩生肉を出してくれるそうだ。良かったギルドに行かないで。2匹の10日分金貨2枚を払ってお願いした。今日の人間の方の夕食はいらないと伝えた。これでまた部屋に戻れる。部屋に戻ったらフェンもリルも起きて骨ガムで遊んでた。戻ってきたのが嬉しかったのか、骨ガムそっちのけでこっちに尻尾を振りながら駆け寄ってきた。体中を撫でまわしてブラッシングをすると気持ちよさそうにしてまた寝た。餌箱も置いて後でご飯をもらってきてあげるときに教えよう。
ペット用のベットに入れて寝てる姿を見ながらビールを飲む。つまみを出して食べていると。鼻をひくひくさせペロペロと口の周りを舐めてる食べてる夢でも見てるのかな。
夕方になって2匹とも、もそもそと起きだしてそわそわとしだした。最初はトイレだと思ってトイレに連れて行ったけどそうじゃなくお腹がグーと鳴いたのを聞いてお腹が空いたんだとわかった。
1階に下りて兎の肉をもらい部屋に着くと飛びかかるように突進してきたからお座りと待てを教えた、1回で覚えて餌箱に兎の肉を入れて良しと言って食べさせる。飛びかかるように餌箱に頭を突っ込んでハグハグ食べてるお互い食べ終えて口の周りをペロペロ舐めてる水入れに水も入れてやりガブガブと飲んだ後は骨ガムで遊び遊び疲れてまた寝てしまった。
今日は部屋でまったり酒を飲みながらフェンとリルをつまみに飲んで過ごした。
読んでくれてありがとうございます。