ミリアの街17
朝、目が覚めてたらいにお湯を張り、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃って、昨日の服と一緒に銅貨を籠に入れ、着替えたら支度は完了。朝の忙しい時間は1階に下りたくないからのんびりして、空いて来た時間に1階に下りる。これが毎日の日課だ。
コリンちゃんと少し話をして朝食を持ってきてもらう。今日の朝食はサラダとオークの肉がゴロゴロ入ったスープと食べ放題のパンだ。今日も戦いに勝った。食べ過ぎなかった。
もしかしたら明日から進級試験で暫く宿を空けそうだから、今のうちに次の宿代を払っておく事にした。
「明日からCランクの試験で暫く宿を離れるかもしれないから、今のうちに次の宿代払っておくよ」
「わかりました、ヤタさんは2食付いて銀貨4枚ですので、10日分の先払いでしたら金貨4枚になります」
「ほんとに素泊まりの値段にするんだね」
「はい、ヤタさんのおかげで母の調子も良くなって、たまに厨房の下ごしらえもする様になったんですよ。父が大層喜んで、ヤタさんからはお金は取れないと言ったんですけど、そうするとヤタさんが気を使ってここを利用しなくなりそうで、素泊まりの金額をもらうことで落ち着きました」
当たらずとも遠からずだな、気まずくはなっただろうからな。気遣いに感謝しよう。
「わかった、金貨4枚だね、はい、確認してね」
「毎度ありです。試験頑張ってくださいね」
「ありがとう、詳細は今日聞くんだけどね」
「ヤタさんなら受かりますよ」
「頑張ってみるよ、じゃあギルドに行ってくる」
「行ってらっしゃい」
見送られるのは気分がいいな、なんて思いながらギルドに向かった。
ギルドに着いて討伐用のボードを見ながらオークや大蜘蛛以外であの山で討伐代が高いのは無いか見てみた。トロールがあるけど、そんなに数がいないし、中々出会わないから難しいな。ジェネラルオークも中々いないし、そう考えると早くランクを上げて隣の山に行きたいな。あそこは魔物も強いけど数も結構いるって言ってたから。
いつも通りオークの討伐依頼を受けてギルドを出る。
北門に向かいギルド証を出して門をくぐる。森までは歩いて行きマップを出す。森の奥の方に魔物がいるのがわかるがまだ行って事が無い所だからバジリスクがいた所までは転移で飛ぼう。もちろん安全確認とバリアを張る事は忘れてないけど。
昨日のバジリスク戦の所に来た。今日は近くにバジリスクがいない事は確認済みだ。
ここから少し行った所にオークが20体いる、ジャイアントオークが2体いるけどなぜだろう。取り合えず行ってみよう。
獣道を歩いてオーク達の近くまで行く、茂みから覗くとオーク達が何か作業をしている。ジャイアントオークの指示に従って寝床や武器を作っているみたいだ。ジャイアントオークは2体だが1体の体が1回り大きい。これが指示を出している。ジェネラルオークになる手前だろうか。
1回り大きいジャイアントオークをエアガンで撃って、残りは雷の魔法で倒そう。
ジャイアントオークに狙いを付け、雷の魔法を落とす準備をする。ジャイアントオークに向けて撃った瞬間に雷の魔法も落とす、一斉に倒れ痙攣が始まる、痙攣がおさまったのを目でもマップでも確認してからアイテムボックスに回収する。1回り大きいオークの顔つきが違うのを気が付いた。やっぱりジェネラルオークになる所だったのかな。
今は周りに集中しよう。近くに危険はなし、マップでも危険な魔物や動物は映ってない。大丈夫だ。
奥にトロールが2体いる今度はそれを倒しに行こう。
バリアを張り、マップで確認しながら獣道を歩く、近くまで行くとドシン、ドシンと歩いてる音が聞こえる。
頭が見える範囲まで行き、木に登る。トロールは丸太を肩に担いで移動中だ、近くに大蜘蛛の巣がある。そこに行くまでに倒したい。
トロールの頭に雷の魔法を落とし、ひっくり返った所を木から急いで下りて、頭をエアガンで撃ち抜く。
周りの安全を確認してアイテムボックスに回収する。
この奥に大蜘蛛が20匹いる。今のでざわついてるかもしれないけど、1度行ってみよう。
獣道を歩いて大蜘蛛がいる所まで来た、思ってた以上に静かだった。大蜘蛛は自分のテリトリーに入らなければ周りは関係ないのかもしれない。
大蜘蛛を倒す準備をする、バリアを張り続け、エアガンを持ち、巣の下を歩く、巣の下を通るとスルスルと音もなく大蜘蛛が下りてくる。それを撃つ。撃った大蜘蛛は下に落ちて動かなくなる。それを繰り返す、暫くすると20匹いた大蜘蛛が全部地面に落ちてた。
それを周りの安全を、目とマップで確認して回収していく。
ここから2時間くらい離れた場所にオークがいる。マップではジェネラルオークもジャイアントオークもいる40体になる大所帯だ、多分また集落らしきものを作ってると思う。倒しに行こう。
休憩を入れながら獣道や茂みを通っていく、途中で会ったオークはエアガンで倒していく。
着いた、思った通り集落らしきものを作ってる。前見た掘立小屋や枯れ葉を集めた寝床がある。
ジェネラルオークは掘立小屋の中にいるみたいだ、ジャイアントオークが指示を出してる。
バリアを張りなおし、エアガンを持って、雷の魔法を撃つ準備をする。
狙いはジャイアントオークだ、エアガンで狙いを定める。パスンと気が抜けた音を出しながらジャイアントオークの頭を撃ち抜く。他のオークが慌てる前に雷の魔法を撃って倒しとく、全てが痙攣してる所で異変に気付いたジェネラルオークが小屋から出てきた。
慌てずにエアガンで頭を狙う、パスンと音がした後、ジェネラルオークが倒れて痙攣を始めた。
暫くすると動かなくなり、マップにも魔物のマークが消えたのを確認してからアイテムボックスに回収する。
集落に会ったのを風の魔法でこなごなにした後火の魔法で燃やした、消火はもちろん水の魔法で消した。誰かが再利用とかされたくないし。
だいぶ遅くなったけど、お昼にしよう。近くの石に座りマップで安全を確認してから、パンと串焼きとマヨネーズを取りだす。時間が遅すぎるのもあるけど、この食べ方だいぶ癖になったみたいだ。今日は2個で終わっとく。これ以上食べると夕食が入らなくなる。カップに水を入れて一息つきながら明日の事を少し考えた。でも、未体験だから考えてもそんなに考えても出てこない。やっぱり明日にならないとわからないな。準備できる事はしたし。考えるのをやめた。
近くじゃないけど大蜘蛛が10匹いる所がある、そこで今日は終わりにしよう。
1時間ほど歩いて大蜘蛛がいる場所に着いた。さっきと同じようにバリアを張ってエアガンを持って、巣の下を歩く。音もなく下りてきた大蜘蛛をエアガンで倒しながら落としていく。10匹しかいなかったからすぐに終わった。身の回りの安全を確認してアイテムボックスに回収する。
今日はこれで終わろう。
転移で森の入口まで飛ぶ。北門まで歩いてギルド証を出して通る。
ギルドに行き解体依頼受付に行く、いつも通り奥の部屋に通される。
「今日は何を狩ってきた」
「いつも通りオークと大蜘蛛ですよ。いつもより少し数が多いかもしれませんが」
「何だと、早く全部出しやがれ。こっちは忙しくやってるんだ、ちんたらするな」
「わかりました。これで全部です」
「お前、これを1人で狩ってきたのか」
「はい、森の奥に行ったら結構いたので頑張りました」
「頑張ったってレベルじゃねえよ。お前たちわかっているな」
「「「「はい、親方」」」」
「2時間で終わらすから、2時間したらまた来い」
「わかりました、宜しくお願いします」
「お前ら、気合い入れていけ」
「「「「はい、親方」」」」
解体も大変だなあ。2時間か、先に宿に戻って風呂に入りに行こう。
宿に戻ったらコリンちゃんに昇級試験の事を聞かれた。忘れてた聞いてない、また後でギルドに行くからその時聞こう。
部屋に戻って家に転移で飛んで風呂に入る。ゆったりと今日の疲れを取る。今日は結構歩いたけど全然疲れてないな、毎日動いてるから体力が付いたのかな。見た目は筋肉とか着いた感じはしないけどな。
風呂を終わって宿に戻る、のんびりしてから、またギルドに向かう。
解体受付で札と紙を交換して依頼達成の受付に行く、そこで紙を出して達成金をもらう。
「依頼達成数ジャイアントオーク3体、ジェネラルオーク1体、オーク60体、トロール2体、大蜘蛛30匹、状態も良好、肉、魔石どちらもギルドが買い取りでよろしいですね」
「はい、今日も達成金は預金でお願いします」
「ギルド証をお借りします。お返しします、達成金金貨250枚です。残高をお確かめ下さい」
残高金貨900枚
「確認しました、ありがとうございます」
「ところで昇級試験の事ですが、どうなっていますか」
「試験の内容ですが、依頼は護衛です。依頼人との交渉、道中の野営、魔物の討伐、盗賊の排除、が基本審査となっております。街から街への移動ですが今回は隣町のダラムの街に行ってきてもらいます」
「そこまでは何日ありますか」
「通常1泊で着く所ですね」
「そうですか、明日の集合場所や、時間なども教えてください」
「明日の集合時間は朝6時、集合場所は南門です、行けば『赤い白熊の』パーティーの方がいらっしゃると思いますので、従って下さい」
「わかりました。ありがとうございます」
とりあえず集合時間と場所はわかった、後は明日だな。
宿に帰って夕食をとる。今日の夕食はトードが入ってるシチューと何かのお肉のステーキと食べ放題のパンだった。今日は負けた。シチューが美味し過ぎた。パンと合うもんだから食べ過ぎた。
パンパンのお腹をさすりながら食休みをとった。
コリンちゃんに明日の朝はいらないと伝え部屋に戻る。部屋に戻ってワインをちびちび飲みながら明日が楽しみだと思った。
読んでくれてありがとうございます。




