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ミリアの街13&地球&開拓村

 ゆっくり目が覚めた、スマホで時間を確認したとたん慌てたが、今日は冒険者は休みにするんだった。朝食もいらないって昨日のうちに言ってあったのを思い出して、ホッとする。


 今日は布団を買いに地球に行く日だった。宿の3つとジンさんに1つ合わせて4つ荷物としては大きいけど、アイテムボックスがあるから余裕だよね。どうやって隠れながらアイテムボックスに収納するかだけだよ。

 どうにかなると思うけど、取り合えず支度をしよう。


 たらいにお湯を張って顔を洗って歯を磨いて髭を剃る。着替えをしたら、1階に下りて出かけてくると伝える。

 コリンちゃんの行ってらっしゃいの声が一段と大きい、今日はかなり期待しているみたいだ。期待に応える様に買い物はちゃんとしにいこう。




 転移で家に飛んでまずは、近くのホームセンターに向かう。

 そこで業務用の塩と胡椒を、10キロずつカートに入れる。その後は保存の効く飴を50袋ほどカートに入れる。次は業務用のマヨネーズだ、これは宿にお土産に持って行こう。気にいったら作り方を教えればいい。

 さて、今日のメインの布団だけど、枕やシーツもセットになってるのを買うんだがカートに入りきらない。店員さんを呼んで、5組レジに先に置いてもらうことにした。なぜ5組も買うのかって、ジンさんにお嫁さんが来た時様だ。置いていても真空パックだから劣化しないしね。お嫁さんが来た時も慌てなくて済む。

 取り合えず一度レジに行こう。お金を払って、カートを押しながら駐車場に行く、駐車場の影になる所でアイテムボックスに収納していく。アイテムボックス、ホントに便利だな。ホームセンターでの用事はこの位かな、買い忘れがあったらまたこればいいか。次は役所だ。




 市役所に来た、理由は生活保護から抜けるためだ。

 担当の人と会う、手伝いだが仕事が見つかったと伝える。


「友人の伝手ですが仕事が見つかりました、続けていけそうなので生活保護は打ち切りの手続きに来ました」


「そうですか、それはおめでとうございます。いつからの仕事になりますか」


「急ですが明日からの仕事になります」


「ホントに急ですね、部屋の方はどうしますか、引っ越しも出来ますし、そのままそこで暮らす事も可能ですよ」


 部屋を換えたら転移とか出来なくなるのも困るし。このままが無難でいいな。


「愛着もあるので出来れば部屋は引っ越さずに手続きをしたいのですが」


「では、そのままそこで暮らすという事で手続きしましょう」


「お願いします」


 そこから、手続きまで時間がかかったが、無事生活保護を抜けられた。今は現金の調達が出来るからその分他の人に回して欲しいから。大変お世話になりました。

 市役所から出てスッキリした気持ちで街を歩く。

 まず、開拓村に行こう。




 開拓村に着いた。


「ジンさん、お久しぶりです。今日はお土産を持ってきました」


「おうヤタ、元気にしてるか。土産か、前の塩と胡椒も、だいぶ助かったぞ。ありがとうな」


「今日も塩と胡椒と飴を持ってきました。後ジンさんに使って欲しくて買ってきた物もあるんで家に行ってもいいですか」


「鍵なんかかけてないから、勝手に入っていいぞ。今日は晩飯はこっちで食べて行くだろう」


「はい、1度街に戻る用事がありますけど、終わったらまた来ます。ジンさんと久しぶりの夕食楽しみです」


「俺も楽しみにしてるぞ。街の用事を早く終わらせて来い」


「わかりました、じゃあ1度ジンさんの家に荷物を置いたら行ってきます」


「気を付けて行って来い」


「わかりました、では、また後で」


 ジンさんと別れてジンさんの家に荷物を置いて、ミリアの宿の前に転移で飛んだ。




 宿に入るとコリンちゃんが迎えに出てきた。期待してる顔だ。


「お帰りなさいヤタさん、買い物は出来ました?」


「ただいまコリンちゃん、買ってきたよ」


「ホントですか、嬉しい」


 いつもは厨房で食事を作ってる親父さんが出てきた。


「コリンが無理を行ったみたいで、すみません」


「いいですよ。そんな高価なものじゃないし、あると寝やすくなるんで皆さんの分買ってきました。1度部屋にお邪魔してもいいですか、敷き方を教えますんで」


「じゃあ、家内のマリンに教えてください。今なら部屋にいると思うんで」


「ヤタさんこっちだよ」


 コリンちゃんに連れられて宿の奥に案内される。


「ヤタさんこっちがお母さん、お母さんこの人がヤタさん」


 マリンさんは身重だった。だから顔を全然見なかったのか。納得。


「初めまして熊手亭の女将でマリンといいます。いつもコリンがお世話になってます」


「初めまして冒険者のヤタと申します。コリンちゃんには大変お世話になってます」


「もう、そんな事はいいからヤタさん早く布団出して」


 待ちきれない感じでコリンちゃんが急かす。


「今出すよ。これだよ」


「これ、ヤタさんの部屋にあるのと違う」


「これは空気を抜いてるからこの形になってるだけだよ、袋から出したら膨らむから」


「早く出してお母さんに寝てもらおう」


 ああそうか、母親の為に欲しがったのか。いい娘なんだな。


「わかった1組やってみるから、同じように他のも開けてね」


「わかった、手伝います」


「この袋を破いて、中から寝具を取りだしてシーツの中に入れてチャックを閉める、枕も枕カバーがあるからそれに入れてチャックを閉める。簡単でしょ」


「わー、ヤタさんの部屋にある布団と同じになった。お母さん、これで堅いベットに寝なくても済むよ」


「コリン、私の為に我儘を言ったのね、ありがとう。ヤタさんもありがとうございます」


「いえ、俺こそコリンちゃんには世話になってるし、この宿が好きですから気にしないでください」


「お母さん早く寝てみて、どう?違う?」


「これは、軟らかくて寝やすいわ、ヤタさんホントにありがとうございます」


「子供が産まれたら子供用の寝具をプレゼントしますよ」


「そんな、何から何までありがとうございます」


「いいんです、気にしないで下さい。それより元気な赤ちゃんを産んで下さい」


 身重の人にここのベットは堅いもんな。そういえば飴の袋1つ持ってたな。


「コリンちゃんこれ飴だけど食べる」


「もらっていいの、でもこの飴食べ方がわからない」


「これはこうやって袋を破って食べるんだ。お母さんと分けて食べて」


「ありがとうヤタさん」


「ヤタさんありがとうございます」


「では、友人に会う約束をしてるので、そろそろ行きますね。コリンちゃん今日の夕食は外で食べてくるから」


「わかりました、父に伝えておきます」


「よろしくね」


 宿を出て屋台通りに行って串焼きを20本、オークのモツ煮を買い、開拓村に転移で飛んだ。




 開拓村に着いたらジンさんが家にいた。


「ジンさん用事終わらせてきました」


「こっちも今日の仕事は終わりだ」


「じゃあ、ワインを買って来たんで乾杯しましょう」


 カップにワインと、皿に串焼きを出し、オークのモツ煮を出して乾杯する。


「このワインは美味いな。味も濃いし渋くもない。相当いいワインじゃないのか」


「違いますよ。俺の国で普通に売ってるワインです。たくさんあるので今日は飲みましょう」


「串焼きも美味いな。こりゃ明日起きられねえ」


 ワインもつまみもジンさんに合ったみたいでどんどん飲んでる。


「それはそうと、あれは何だ」


「あれは俺の国の寝具ですよ、出すのでちょっと待ってて下さい」


「へえ、これをベットの上にのせるのか。寝心地が良さそうだな」


「いつも頑張ってるジンさんへプレゼントです」


「ヤタ、ありがとう」


「俺の方こそ、得体のしれない俺を仲間に入れてくれて助かりました。ありがとうございます。この開拓村は俺にとって第2の故郷だと思ってます」


「まだ何もない所だけど、そう思ってくれるのが嬉しい。これから大きく発展させていくから、見ててくれよ」


「わかりました。ジンさんの偉業を見させてもらいます」


 酒が入ったからか、ジンさんがいつも以上に熱く語ってる。でもこの村は大きくなる気がする。ジンさんや他の村の人達がこんなに頑張っている村だ。

 酒を飲み、つまみを食べ、熱く語り、たまにはこんな日もいいなと思いながら夜が更けて行った。

読んでくれてありがとうございます。

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