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ミリアの街12

 朝、目が覚めて布団から出る。まだ夏と言ってもいい位の暑さだ。窓を開けて眠れば、涼しい風が入ってきて眠ってる間も汗をかかなくて済む。

 たらいにお湯を溜めて顔を洗い歯を磨き髭を剃る。スエットから普段着に着替えて昨日着てた普段着は籠に銅貨と共に入れる。洗濯をしてもらうためだ。

 準備が出来ても、1階に冒険者が多い時間は下りない。人が多い所は苦手だ、出来るなら避けたい。などと考えてる間に時間がたち、そろそろ行かないと朝食に食いっぱぐれそうな時間になってた。

 1階に下りて朝食を持ってきてもらう、今日はサラダと兎のソテー、食べ放題のパンだ。

 今日も朝から食べ過ぎ食休みを取っているときに、コリンちゃんに声をかけられた。


「ヤタさん期待の新人なんですね、宿に泊まってる冒険者の人達が話してましたよ」


「前にも誰かに言われたけど、人違いだよ、そんな活躍してないし」


「でもオークを毎日何体も討伐してくるんでしょ」


「確かにオークは倒してるけど、もっとたくさん倒す人いるよ」


「そうなんですか?防具も付けないで森に入っていく割には服も奇麗じゃないですか」


「魔法がメインだから接近戦はしないんだよ、だから服も奇麗だし、防具もいらないんだ。防具は重たいからね」


「そうなんですか、どこのパーティーに入るのかってみんなが賭けをしてましたよ」


 みんな人の事だからって賭けの対象にしやがって。でも、娯楽も少なそうだからしょうがないか。


「暫くはソロでやるからどこのパーティーにも入らないよ」


「そうなんですか、じゃあ怪我しないように気を付けてくださいね」


「ありがとう、気を付けて行動するよ。そろそろギルドに行ってくる」


「行ってらっしゃい、気を付けて」


 見送りの言葉が嬉しくて、やる気が出た。




 ギルドに着いて今日もオークの討伐依頼を受ける。受付の人に出来れば大蜘蛛も討伐して欲しいといわれた。快く了承して、北門に行く。

 北門でギルド証を出して門をくぐる。森の入口までは歩いて行く。

 森の入口でマップを出して魔物のいる場所を探す。オークと大蜘蛛が割と近くにいる。今日は大蜘蛛も狩って帰れそうだ。

 先にオークを倒すか、歩きだとここから1時間位だけど、前に近くまで行った事ある場所だから転移で行けるな。

 転移で近くまで飛び、獣道を歩く。

 いた、どこかに移動中みたいだ、数は15体ジャイアントオークはいない。雷の魔法で一斉に倒そう。

 頭の上に雷を落として倒す。動かなくなったのを確認してアイテムボックスに回収する。マップで大蜘蛛の位置を確認するここからそんなに離れてない。そのまま倒しに行こう。

 大蜘蛛の巣の近くに来た。大蜘蛛は下を通らない限り襲ってこない。バリアを張ってエアガンを持ち、大蜘蛛の下を歩きながら1匹ずつ撃っていく。数は10匹しかいなかった。動かなくなった奴からアイテムボックスに回収していく。

 前の女郎蜘蛛がいた場所にまた大蜘蛛が巣を作ってる。また女郎蜘蛛もいる。これは倒しに行こう。




 前と同じ場所に転移で飛んで、すぐバリアを張っとく。大蜘蛛だけなら襲ってこないけど、女郎蜘蛛がいるときは襲ってきたから、念の為だ。

 前と同じ感じで、女郎蜘蛛だけが下に下りてきてる。周りに巣を張り巡らせて真ん中にいる。女王みたいだ。捕まってまゆ玉の中にいる獲物達に生体反応は無い。冒険者がいない事を祈るしかないな。

 女郎蜘蛛にエアガンで狙いを定めて撃つ。ギャシャーと大きな声を出しながら動かなくなっていく。

 大蜘蛛が上からスルスルと下りてきながらこちらに向かってくる。雷の魔法を使いながら、近くまで来た大蜘蛛はエアガンで撃っていく。暫くすると俺以外に動くものは居なくなった。

 風の魔法で蜘蛛の糸を切りながら、倒した女郎蜘蛛や大蜘蛛をアイテムボックスに回収していく。

 倒した数は女郎蜘蛛1匹、大蜘蛛30匹。かなりの量になった。

 遠くの方にオークが固まっているが、その前にお昼にしよう。




 開けた場所を探して、そこでお昼にする。今日のお昼は肉団子スープとパンだ。食べ過ぎに注意して食事を終える。食休みを取りながら、明日は狩りを休んで、日本で布団とか約束した物を買いに行こうかなとか考えてた。換金もしに行かなきゃ。そろそろ役所にもいかなきゃな。

 食休みも終わったからオークの所に行って、明日の為にちゃちゃっと倒してきますか。




 お昼を食べた場所から2時間位の場所にオークが20体いるジャイアントオークはいない。行ったことない場所だから歩きだ。

 エアガンを片手に、獣道をひたすら進んだ。途中鹿や猪に出会ったがジンさんが前に言ってた、動物を倒し過ぎると獲物を探して人里まで下りてくる。って言う言葉を思い出してほっとく事にした。襲ってきたら倒すけど。




 オークがいる近くまで来た。休憩でもしてるのかみんな座りこんでる。今のうちに雷の魔法で一斉に倒そう。

 オーク達の頭の上に雷の魔法を落とす。一斉に崩れた後動かなくなった。マップで確認してからアイテムボックスに回収していく。

 まだ早い時間だけど、明日の為に今日のうちに換金屋に行きたい。今日はこれで帰ろう。

 転移で森の入口に飛んで、北門に歩いて行く。

 北門でギルド証を出して門をくぐる。




 ギルドに着いて解体依頼受付の奥の部屋に向かう。最近は何も言わなくても奥の部屋に通される。

 オーク35体、女郎蜘蛛1匹、大蜘蛛40匹出して、今日も驚かれた。

 1時間、テーブルで明日の予定を立てながらボーっとしてた。

 1時間たち、解体依頼の方へ札を持っていく。終わったみたいで依頼達成の紙と交換してくれた。

 依頼達成の紙を受付に持っていく。


「達成数オークが35体、女郎蜘蛛1匹、大蜘蛛が40匹、状態も良好、本日も肉も魔石も含めすべてギルドが買い取りでよろしいですか」


「お願いします」


「それでは達成金、金貨190枚銀貨5枚です」


「金貨を30枚残して後は預金します」


「ではギルド証をお借りします。お返しします。残高をお確かめ下さい」


 金貨300枚を超えた、当初の予定より早い達成になった。大事に使おう。




 ギルドを出て宿に帰る、いつもより早いけど換金屋に行きたいから、心なしか焦ってる。

 宿に着いて、家に転移で戻るとすぐ風呂に入る。今日はゆっくりしてられない。

 風呂を出て着替えたら、換金屋の近くの路地に転移する。


「いらっしゃい。前来た方ですよね。あの金貨がまた手に入ったんですか?」


「ええ、今度は20枚ほど手に入ったので換金しに来ました。出来ますか」


「もちろんです、あの後すぐに買い手が見つかってもうないのかと催促を受けてました」


「そうでしたか、では査定をお願いします」


「わかりました、少々お待ち下さい」


 この待ってる間の静寂の気まずさ。


「出ましたよ、本日の金の価値がいつもより上がってまして、1枚5万5千円になるので、20枚で110万円になります」


「そうですか、それでお願いします」


「では110万円です。お確かめ下さい」


「確かに受け取りました」


「この金貨は好事家の間でも話題に上がるほど人気が出てきました。また手に入る事があればぜひ、売って下さい」


「わかりました。手に入ったらここに売りに来ます」


「よろしくお願いします」


「では、これで失礼します」


 結構な金額に驚いたけどまた売れて良かった。宿に帰って夕食でも食べるか。

 その前にコンビニも寄りたいな、ワインとビールを買い足しときたいな。近くのコンビニに行って、ビールを1ケース、ワインを5本ほど買い込む。

 近くの路地から1度家に転移で飛んでスエットに着替えてから、宿に飛ぶ。

 夕食の時間には間に合った、今日の夕食は兎肉が入ったスープとオーク肉のステーキ、パンの食べ放題。

 明日は休みと決めたから、夕食を食べながらワインも頼んだ。ワイン自体は美味しくない、酸味が強すぎて度数も弱いし、水で割っている。ホントは買ってきたワインを出したいけど、ここで出すと、後がめんどくさくなりそうだから、後は部屋でゆっくり飲む事にしよう。

 食休みがてらコリンちゃんに、明日布団を買いに行く事を告げると喜んでくれて、洗濯代はもう出さなくてもいい事になった。地味に嬉しい。

 部屋に戻って、オークのモツ煮を食べながらビールを飲む。明日の朝食には下りて行かない事を、伝えてあるから今日はゆっくり飲める。明日は休みだ、買い物だけだからのんびりしよう。今日は夜が長くなりそうだ。

読んでくれてありがとうございます。

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