ミリアの街3
朝、やっぱり布団で寝るのは気持ちがいい、寝起きが違う。やっぱり布団を持っていくかな。でも持っていくなら新しいのがいいか、暇を見て買いに行こう。こっちで食事を取らなくなったおかげで金銭的にだいぶ余裕が出てきた。布団位なら買える範囲だ。
朝の支度を済ませ宿の部屋に転移する。毎日決まった時間に起きて仕事に行く感じだな、懐かしい気持ちになる。今日も頑張ろう。
1階に下りて朝食を摂る、周りは戦場のように冒険者たちが食べてる、少し怖い。
「お客さんも早く食べないといい依頼無くなっちゃいますよ」
「依頼は早い者勝ちか、だからみんな急いでるんだ」
「そうですよ、お客さんはのんびりですね」
「俺は宿代が払えれば問題ないから後からでもいいよ」
「ふふっ変わってますね、宿代をきちんと払ってくれれば問題ないですけどね」
「取り合えず10日はゆっくりしてられる」
「後8日ですけどね」
「ははっそうだった、後、俺の名前ヤタって言うんだ」
「ヤタさんですね、覚えておきます」
「ここの食事は美味しいね、パンなんて食べ過ぎて動けなくなるよ」
「キッチンは父がやっていますから後で伝えておきます、きっと当たり前だとか言いますよ」
「今日の夜も期待してます」
「腕によりをかけて作らせますから」
「宜しくお願いします」
宿の子と話をしながら食事を終えて、食休みを取った後に一度部屋に戻ることにした。
部屋に戻って転移で家に一度戻り買い物に行こうと思った。やっぱり長期滞在になりそうだし、どこの宿に泊まってもあの硬さなら必ず布団は必須だし、アイテムボックスに入れとけば嵩張らない。
電車で1駅の家具専門店に行って布団一式を買った。人に見られない所でアイテムボックスにしまった。このまま転移で家に戻り支度をしてからまた宿の部屋に転移で飛んだ。ベットに布団を敷いてからギルドに向かった。
ギルドについてまず依頼票を見に行った。昨日と同じ感じの依頼が並んでる、今日もオークの討伐依頼を受けよう。暫く慣れるまではオークの討伐をメインにやろうかな。
「オークの討伐依頼の処理をお願いします」
「はい、処理しました。お気を付けて」
「では、行ってきます」
ギルドを出て昨日の北側の門に行く。昨日の門番さんはいなかった、休みなのかな。
「ギルド証の確認をします」
「はいこれです」
「確認しました。どうぞお通り下さい」
何か固いな、昨日みたいにフランクなのがいいな。そう思いながら森の入口まで来た。マップを開いたら近くに魔物がいる、倒しに行こう。
最初にいたのはコボルトだった5体で集まって何かしてる、獲物の取り合いみたいだ。兎かな、まあいいや、全員の頭の上に雷の魔法を落として動かなくなったのを確認してアイテムボックスに回収する。次は、ちょっと行った所に動物がかたまってる、見に行こう。
狼が群れでいた。15匹位かなこれも雷の魔法で倒した。アイテムボックスに回収するときに小狼もいたのがちょと心が痛んだ。
気を取り直して次の獲物を探す、時間を見たらお昼を回ってた。少し遠い場所にいるから一度休憩を入れて行けばいいかな。
マップで危険が無いことを確認して昨日の串焼きとスープをお昼にした。森の中で温かい食べ物が食べられるのは幸せだな、さっきの鬱蒼とした気分が少し晴れた。
食事が終わり1時間位の所でオークを2体見つけた。エアガンで倒しアイテムボックスに回収する。すぐ近くにもオークが2体いたのでエアガンで倒してアイテムボックスに回収する。
少し行った所にオークが獲物を漁ってた猪かな、6体いる。これは雷の魔法で倒そう、頭の上に雷を落として動かなくなるまで待つ。その後アイテムボックスに回収する。
今日はこれで帰ろう。明日は森の奥にでも行ってみようかな。
森の入口まで転移で戻り門番に挨拶をする。
「お疲れ様です、ただ今戻りました」
「ギルド証を確認させてください」
「はいどうぞ」
「確認しました、通って結構です」
「ありがとうございます」
やっぱりこのやり取りは肩が凝る、でもあの人も仕事だから仕方ないか。
ギルドに戻って解体依頼受付に行く。
「解体の依頼をお願いしたいのですが」
「おう昨日の、空いてるスペースに全部出せ」
「わかりました」
俺は狩ってきたコボルト5体と狼15匹とオーク10体を出した。
「これで全部です宜しくお願いします」
「今日も状態がいいな、今日も1時間位かかるからこの札を持ってけ」
札を受け取り今日は隣接するテーブルが並んでる所で時間をつぶすことにした。
「よう新入り、昨日今日と頑張ってるみたいじゃないか。ジェランドだAランクの冒険者でパーティー『赤き白熊』のリーダーをやってる、ソロでやってるみたいだがパーティーは組まないのか?それとも探し中か、なんならうちのパーティーにはいるか」
「ジェランドさんですか初めましてヤタと言います。今はパーティーは考えていないので暫くはソロで活動したいと思います」
「そうか、いい新人がいるって聞いたから誘いに来たが振られちまった、でも何かあれば気軽に声をかけてくれ相談に乗るぞ」
「ありがとうございます。その時は宜しくお願いします」
「おう!いつでも待ってるぜ」
ジェランドさんかいい人だな。でもパーティーの名前は少し笑いそうになった。俺もパーティーを作る事があったら名前は慎重に決めよう。
1時間位時間をつぶした後解体受付の所に行く。
「終わってるぞ、今日もいい状態だった明日も期待してるぞ」
「はい、ありがとうございます」
依頼終了の伝票をもらって依頼達成の受付に行く。
「達成数オークが10体、コボルトが5体、狼が15匹、状態良好本日も肉も含めてすべてギルドで買い取りします。間違いはございませんか」
「それでお願いします」
「それでは依頼達成金です。お確かめ下さい」
金貨が17枚入ってたこれはギルドに預けておこう
「全額預ける事出来ますか」
「預金ですね出来ます。1度ギルド証をお預かりします」
金貨とギルド証を預け受付の人の手元で何かした後ギルド証が戻ってきた。
「これでギルドの方に預金しました残高はギルド証に書かれてます。なお本人じゃないとお引き出し出来ませんので安心して下さい。他のギルドでも預け入れもお引き出しも可能です」
「ありがとうございます」
冒険者ギルドを出て宿に向かう、今日から布団で寝れると思うと足が軽くなる。宿に戻って1度部屋に戻るたらいにお湯を張って顔を洗う足も洗って布団に横になる。そのまま眠ってしまいそうだ、少し休憩してから1階の食堂に向かう。
「ヤタさん夕食食べに来たんですか」
「そうだよ、今日はワインも付けてくれるかな」
「別料金で銅貨5枚になります」
「はい、どうぞ」
「毎度あり、今、夕食とワイン持ってきますね」
今日の夕食は、オークのソテーと野菜のスープだ、もちろんパンのおかわりも付いてるそれとワイン。昨日と今日の討伐で冒険者で生きていける事が大体わかった。今日はそのお祝いだ、家には朝帰って風呂に入ればいい。今日は久しぶりに飲もう。1人だけの祝杯だ。ワインは冷えてないけど氷を出してカップに入れた。明日は休みにして街を散策しよう、しばらく腰を落ち着けてここで暮らそう。
ワインを何度かおかわりをして、ほろ酔い気分で眠りについた。
読んでくれてありがとうございます。