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街への旅

 特別な朝が来た、今日から街に向けて旅に出る日だ。支度を終えて小屋に転移する。


「ジンさんおはようございます」


「ヤタおはよう、今日から街に向けて出発だな」


「はい、食事が終わったらそのまま行こうと思います」


「そうか、じゃあ忘れないうちに渡しておく。何も持ってないのも人に侮られるからな、護身用に持ってけ」


「これは短剣ですか、もらってもいいのですか?」


「いいぞ、この村では使い道が無いし、次街に出るときに新しいの買うつもりだったんだ。お下がりみたいで悪いけどよ持ってけ」


「ありがとうございます。大事にします」


 俺はジンさんから短剣と剣帯をもらった。グリップの所が黒くてカッコいい。


「後は、ヤタの格好は目立つからこれももらってけ」


「外套ですか、俺の格好目立ちます?」


「目立つぞ、ここら辺では見ない服を着てるからな。盗賊や貴族に目を付けられるとうっとうしくなるぞ」


「それは困りますね。では遠慮なくいただきます」


 いい具合に使い古された茶色の外套をもらった。


「似合うぞ、旅の最中は目立たない方がいいからな」


「そうですね、あんまり目立つのも困りますし」


「それじゃ、飯にするか」


「はい、いただきます」


 朝食を食べ終えて街に出発することにした。道は一本道、ひたすら南へ歩いて行くだけだ。ジンさんが言うには、ここより北に海があるそうで国が海への進出を狙ってるとか。そのための開拓村らしい、上手くいけば街までの街道にもいくつか村を作る予定らしい。早くそうなって欲しいとジンさんが言ってた。

 さあ、出発だ。




  街道に出てマップをすぐに出した。魔物と動物、植物も出しておこう、そうすれば村に帰った時に薬師のおばあさんに渡せる。魔物も動物もだいぶ街道から離れた所にいるな、わざわざ行く必要はなさそうだ。

 道と言っても舗装されてる訳でもなく、ゴロゴロ石が転がってデコボコした道だ。馬車が通り易いように大きなデコボコはならしながら行こう、歩くだけだと暇だしこれ位はやっとくか。

 お昼くらいになった休憩しながら木陰で水を飲む。道の補修もやりながらだから、あまり進んだ気がしないな、でも急ぐ旅でもないから、まあいいか。

 休憩が終わってマップを見ると魔物がこっちに近づいてくる逃げるのもいいけど他の人が襲われたらいやだなと思うから倒せるなら倒して行こう。ゆっくり来るから準備して待っていよう。




 魔物が近づいてくるにつれて地響きがしてきた。大物なのかな、倒せるかな、無理だったら転移で逃げよう。そう思ってる間も地響きはだんだん大きくなってくる。

 木々の間から大きな魔物が近づいてくるのがわかった。鑑定[鑑定 トロール 武器 棍棒 食用 可]食べられるんだ、大体3メートル位の大きさのトロールが近づいてくる。

 まずバリアーを張って、雷の魔法を頭に落す。胸にエアガンを撃ち込む。これで無理なら逃げよう。

 相手の攻撃範囲に入る前に雷の魔法を頭に落とす、あたったとたん全身がビックとして白目を剥くのがわかった。そのままエアガンで心臓のあたりを撃ち抜いた。

 巨体が周りの木々を巻き込んでゆっくり倒れて行く、よかった倒せたみたいだ。

 近くに行くと大きさがわかる。それをアイテムボックスに回収して、ついでに倒れた木もアイテムボックスに回収する。

 マップを確認すると、ちらほらいた動物が逃げたのかいなくなってる、俺は一度村に戻ってトロールを出しに行った。たいそう驚かれたが喜ばれもした。

 街道に戻ってまた道の補修をしながら夕方まで歩いた。




 夕方になったので村に戻ることにした、小屋に転移してジンさんの家に行く。


「ジンさん、ただいま帰りました」


「おう、ヤタ帰ってきたか、どうだ旅は」


「道の状態があまりにも酷かったので、道をならしながら歩いていました。そんなに進んでないと思います。後、トロールとあいました。他の人が襲われたら目覚めが悪くなりそうだったので倒しました」


「トロールの話は聞いたぞ、一度村に持ってきたみたいだな、倒してくれて助かったよ。あれは頭は悪いが力が強くてな、棍棒の一振りで馬の首を折りやがるから厄介なんだ。街に行くまで見つけたらまた倒してくれ」


「わかりました。出来る限り倒しておきます」


「そんなそっちゅう出てくるものでもないからそこまで気にしなくていいぞ」


「はい、取り合えず街道に出てきそうな魔物は倒すつもりです」


「街道を補修してくれてるのは助かるな、今のところは行商人しか来ないが道がよくなったら冒険者とかも来るかもしれないからな」


「冒険者ですか?」


「長距離の依頼とかで馬車を持ってるやつらが結構いるんだよ、それに馬車を持ってるやつらは大抵高ランクだから村に来ると魔物を間引きしてくれて助かるんだよ」


「そうなんですか。では、街まで道の補修しながら行きます」


「面倒になったらやめていいから出来る所まで頼んだ」


「任せてください。ただ歩くだけより魔法の練習にもなってずっといいです」


「確かにそうだな。じゃあ頼んだよ」


 そんな話をジンさんとしながら夕食を食べた。街に行くついでの用事も出来たし、暇にならずにすみそうだ。




 転移で家に帰り風呂に入ってのんびり過ごした。明日も楽しみだな。

読んでくれてありがとうございます。

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