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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

赤い鶴

作者: 青島秋

 克明な自傷の描写やはなはだしい残酷描写を期待する方にはものたりないと思います。また、この文章は、自傷、自殺を賛美したり、推奨したりするものではありません。なんというか不健康です。

血管から赤い鶴が舞い上がる。大量に。まるで動脈を切ったみたいだ。

見えるはずのない腕の内部の、深くの動脈から……。

そして赤い鶴はゆっくりと旋回する。優雅な動きで。本当に滑らかに、たくさんの鶴が、互いにぶつかることもなく、首吊りの夢を見ている僕の目の前で、幸福を絵にかいたかのように飛び回る……。

血みたいな赤だ。血、僕の血管。欠陥品の自身。鋭利で冷たい刃物。月のような。死の世界。死の世界をうつした刃物。

僕は欠陥品だから、刃物で補って初めて不具合がなくなる。スムーズに動き出す。視界が、世界が。

刃物。血管の中の刃物。銀色のメス。とても美しい表面をしている。銀色の粒子が規則正しく並んだ精妙なカーブ。限界まで薄くなる刃先。

それが破砕する。切り分ける。切り裂く。皮膚を。皮膚に食い込んで刹那に切り開く。そして血管と出会う。切断する。美しい切断。

鈴が鳴っている。澄んだ軽い、冷たい響きだ。真夏のガラスだ。いや、もっと軽い、銀の靴を履いたカスミソウが躍るような音だ。それは生命のない響きだ。カスミソウは凍り付いている。やはり、生命がないのだ。氷の破片をまき散らしながら、踊っている。死んだカスミソウ。死体の踊り。

僕は死体を夢見ている、死体になる夢を見る、自分の死体を幻視する。血管の中に死が流れている。それは銀色で、メスの色だ。赤い鶴が、次々に分裂する、分裂して細かくなる、小さくなって、幾百もの鶴が、血飛沫みたいだ……。

そしてそれはきっとそのものなんだろう。

 死にあこがれる人物が好きだ、書きたい、という作者の趣味に走った文章です。ただそれだけです。

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