悪役令嬢物って何?
あまりに悪役令嬢物が多いんでカッとなってやった
アイディアだけ浮かんでまったく進まない新作の設定を流用しているので、もしかしたらゲート物を新作で出すかもしれない
「はあ~~~・・・」
ため息が止まらない
気が付くと私は見知らぬ部屋で目を覚ましていた
私はどうやら、ネットで話題の「悪役令嬢転生」とやらをしたらしい
でもね、私このゲームやったことがあるんだけどね、このお嬢さんって別に「悪役令嬢」って言われるほど悪くもないし嫌われても無かったのよね
確かにヒロインのライバルだったし、ヒロインのピンチには必ず彼女の影が見えてたんだけど、実際には全て彼女の取り巻きによる暴走だったと言うのはみんな周知の事実
何しろ登場人物まで知ってるレベルなのだ
そして彼女は王太子との婚約を破棄され、田舎の荘園にて謹慎を申し付けられた
今はその荘園の屋敷の一室に居るところだ
「ここまではいいのよ、ここまでは」
彼女の話は実はここで終わりではない
普通の乙女ゲーではここで終わりなのかもしれないが、ここからが実はエピローグの本番と言ってもいい
彼女からの報復を恐れた王太子の取り巻きは、荘園の彼女に刺客を差し向けた
お互いの取り巻きは血で血を洗う争いをし、最後には彼女が刺客の手にかかって幕を閉じるのだ
完全なとばっちりである
まだ自分が指示をしたのなら解らなくも無い
王太子自らが全てを危惧して刺客を差し向けたなら話し合う余地もあろう
しかし全てはお互い与り知らぬ所での暴走の結果なのだ
そしてカレンダーの日付を確認すると
「あした・・」
彼女・・いや、今は自分か
自分の命はもはや24時間を切ったのである
「嘆いていてもしょうがない!せっかく転生した翌日に死ぬとわかったなら、もう後悔しないように行動するしかないんだ!!」
私はまず、荘園の近くの村に足を運ぶことにした
*** *** ***
村に到着すると、そこには現実では見たことも無いような野菜や魚、血抜き中の動物がそこかしこの軒下に並んでいます
いや、見たこともないと言うのは違う
確かにゲーム内で見覚えのある(と言ってもよりリアルなので一瞬同じものには見えないけど)動物も吊るされてる
多分アレは魔物と言う類だったはずだ、ヒロインがクエストを受けて狩りに行って調達した素材の中に居た気がする
日本どころか自分の世界で見たことは無いはずなのに、クエストで入手した経験から妙になじみのある植物もある
あ、あそこのプランターに生えてるのはもの凄いなじみのある初期薬草だ
食べてよし、塗ってよし、調合してよし
でも美味しいかと言うとものすごく苦いらしい
葉っぱがハートとダイヤで構成された葉野菜と言えば解るだろうか?
こんなもの向こうの世界で生えてるのは見たこと無い
おっと、こんなことで感動している場合じゃないんだ
確か屋敷の使用人に聞いたあの建物がこの辺に・・・
「ここかな?」
村の大きさに見合わない宿屋兼酒場
国家組織とは別に治安維持を行う「冒険者斡旋ギルド」がここらしい
中で斡旋する仕事は主に、市民からもたらされる街の脅威の情報に対しての処理を始め、行商人や街から町へ移動する際の護衛、及び森の中にある木材や薬草の採取
他にポピュラーなところで言えば、猟師がとって来ないような食材の調達と様々だそうな
そして何故私がここに居るかと言うと
単純明快、護衛を頼みたいのだ
私を狙っているのが王太子の取り巻きである以上、国の息のかかっている人間では信用できない
となれば、国の息がかかっておらず、なおかつそれなりの実力のある人間に守ってもらうべきだろう・・そう思ってきたのだが
「お嬢さん、ここはあんたが来る様な場所じゃないぜ?」
なんというテンプレ!!
ならず者(偏見)からの忠告とかどこの異世界冒険小説かと
しかし残念ながら私にチートはないし、そもそも冒険者になりに来たわけじゃない
「依頼でも・・でしょうか?」
「ああ、依頼でも・・だ」
え?どういう事??
仕事の依頼にも来られないとか、じゃあどうしたらいいの?
「お嬢さんぐらい身分がいいなら、普通は使用人に行かせるものさ、使用人が信用できないなら自分の元にギルドの関係者を呼ぶのが普通だぜ?」
なんと、非常識扱いを受けていたらしい
しかしそれなら別にここで依頼して悪いわけじゃないだろう
「ご忠告ありがとうございます、なにぶん無知でしたもので」
「おいおいお嬢さん、いくら物を知らないとしても、こんな下賎の者に自分が無知とか言っちゃならんぜ。あんたかなり位の高い貴族のお嬢さんだろ?」
確か、公爵令嬢だったかな?
王家に連なる血筋ではあるのよね・・・
「それは・・・」
「いや、別に言わなくていいぜ。依頼なら俺が受付に話を通してやるからちょっとここで待ってな」
「ありがとうございます」
とりあえず家名を汚さない程度に丁寧にお礼を言っておく
*** *** ***
「これはこれはお嬢様、お呼びいただければお屋敷まで参りましたものを」
目の前には美しい少女が居る
烏の濡れ羽色と言われる美しく長い黒髪、サファイヤのように輝く青い瞳
陶器のように透き通った白い肌、けして控えめとは言えない膨らみと細い腰
まるで等身大のビスクドールのような少女は、愁いを帯びた瞳で何を言うべきかと思案しているように見える
彼女の素性は、この村の人間であれば殆どが知っている
恋に狂った美しくも可愛そうな公爵令嬢として
しかし事実は異なるのを知っているのは一部の人間だけであり、私もその一人だ
彼女の依頼はおそらく護衛の冒険者を雇いたいと言うことだろう
単なる護衛と言う点で言えば、屋敷の騎士達と言う非常に練度の高い者たちが居る
人数も十分揃っているので、向こうが力押しで来る分には十分対抗できると思われる
この辺りの魔物をけしかけて村を壊滅させるだけの戦力を用意しても、このお嬢様の元に辿り着くのは至難の業じゃないだろうか
だが、彼女はそれでも護衛を欲している
おそらく何か感じ取っているのだ、その隙をかいくぐれるような刺客が来るであろう事を
彼女はけして愚か者ではない、少々性善説に傾倒しており、まさか自分の周りの者があんなことをするとは露ほども思っていなかっただけなのだ
しかし、最近の彼女と王太子を取り巻く環境の変化は著しいものがある
その最たるものが、取り巻きの不審死だ
まず最初に複数の彼女の取り巻きが死に、
その際に付近で何かしらの争った後があった
その後は泥仕合のように、一方に死人が出るともう一方にも死人が出るその繰り返しが過ぎていき、先日とうとう彼女の取り巻きが一人残らず消えたと言う
「護衛をお願いしたいのです。人数は要りません、私の自室を守っていただける信用できる方をいくらかお願いできませんでしょうか?」
やはりそう来たか
しかし物事はそう簡単ではない
この村のギルドにも、こう言った事を想定して国の息のかかっている冒険者が数人入って来ている
彼らに話を持っていったら最後、彼女は引き篭もった瞬間に死ぬことになるだろう
そうなればギルドの信用問題にもなりかねない
しかし簡単に断れるほど単純な話でも・・・そうだ、確かさっき代わりに受付に話に来た彼ならば
*** *** ***
「まさか指名依頼をされるとは思わなかった。四宮昴だ、よろしくな」
「・・・え?日本人!?」
これは一体どういう事??
ここは乙女ゲーの世界じゃなかったの?
いえ、これまで見てきた全てが、ここが私の知っているあの世界だと物語っている
だとすると彼はトリッパーという事なんだろうか?
トリッパーだとすれば確実に国からは縁遠いはずだ
「・・・日本人と言う言葉を知っているのか、こんな辺境の人間には珍しいな」
「え?都会なら知っていることなんですか?」
なんだろう?要領を得ない気がする
もしかしてトリッパーとかじゃなくて日本と交流があるの?そんなまさか
「その様子だと知らずに日本人とか言った訳か・・・あんた何者だ?」
「私はセレーナと申します、そこの荘園の主であるシルフィード公爵家の者です」
「いや、そういうことじゃなくて・・・まさかあんたも日本人なのか?にしては顔の造りは日本人離れしてるな」
「・・・」
なんだろう?この辺りに日本人がいるのは珍しいけど、王都の人間は知っていても当然のようだし
日本人なら言っちゃっても理解してくれる・・かな?
「あの・・こう言って信じて貰えるかは分からないのですが、私どうやら乙女ゲー転生と言うのになったようでして」
「乙女ゲー転生・・ああ、もしかしてネット小説でたまにあるけどなかなか下火にならない悪役転生物の?」
「そう!まさしくそれです!!」
ガタタッ!
おっといけない、思わず椅子を鳴らしてしまいました
「なるほど、ついさっき転生したことに気づいたからこちらの事情には詳しくなく、それでも明日襲われるから護衛を頼みに来たと」
「はい、この体の記憶、周りの状況、日付・・全てを鑑みるとまさしく明日の早朝、私は刺客に襲われて死ぬことになります」
「じゃあ長くとも数日、あんたの部屋で護衛をすればいいんだな?」
「はい、背に腹は代えられませんので、寝室に異性が居るのはこの際スルーです」
隙を付いて寝込みを襲われては、屋敷の人間以外を雇う意味がないもの
屋敷の人間には、万が一の為と言って理解を得ないと
「でも本当に、何でここに日本人が居るんですか?ここは乙女ゲーの世界じゃなかったんですか!?」
「それに関しちゃよくは判らないが、恐らくあんたの居た日本と俺の居た日本は違うんだろうな」
「それは・・」
「俺の居た世界にこの世界が題材になったゲームは無いらしい、それがあったらネットでお祭りになってる」
「確かに」
私も日本から異世界に行けるなんて話は聞いたことが無い
時系列の問題なら、どちらかが相手の言ってる情報を知っていてしかるべきだろう
「俺たちの世界には、ある町の空き地のひとつに、突如として世界間ゲートが生まれた。そこからでてきた斥候らしき人物はあっさりと警察に捕まり、ゲートは国が管理することになった」
「そんなネット小説無かったっけ?」
「そっちにもあったのか・・・うちにもあったし、実はアニメ化されてた」
異世界版戦国自○隊とも言われたあの作品と類似する設定か
まあ、人によっては、人の想像の数だけパラレルワールドはあるというし・・・ありえるのかな?
「こちらのゲートはこの辺境の入り口にある高台の開拓村と繋がっている。単純に考えれば、向こうの文明がこちらに来るんじゃないかと思うかもしれないが、実はそう単純な話でもないんだ」
話を要約すると、この世界とのゲートは電子機器が通ると不具合を起こすらしい
彼はその不具合によってゲートから遠く離れた地に飛ばされてしまい、ゲートのある開拓村にはあるはずの職業ギルドの祝福も得られないまま今に至るらしい
「え・・・じゃあ、あなたはノービスなんですか?」
「ああ、だが冒険者ランクはDだ」
ノービス、冒険者の職業の中で最低ランクにあり、その意味は「初心者」である
彼らは冒険者の心得と最低限の戦闘術を身につけただけで、どの職業神の祝福も得られていない
職業神の祝福を受けて職業に就いたものには、職業特有のスキルを身につけることが出来るようになる
魔術師の「属性魔法」や僧侶の「聖職魔法」が代表だが、気配を消し偵察をしたり盾に依る防御を行うのにもスキルは有効とされる
それらの恩恵も無く戦わなくてはならないノービスは、確かに地力では優れているかもしれないが、総合力ではどの職業にもかなわないだろう
しかしどんな事にも例外はある
ノービスの中にも、事情があってどの職業神からも祝福を得られず一定レベルに達してしまった者には、生活神と呼ばれる神から祝福を与えられると言う
「ああ、俺は生活神から祝福をもらったから、ある程度高度な戦闘も可能だ。この近辺の魔物の討伐依頼なんかもこなしてる」
恐らく彼は中堅冒険者なのだろう
オーバーノービスは生活神の祝福によって、戦士の「剣修練」、斥候の「回避向上」、商人の「アイテムボックス」を身につけられるようになり、装備の制限も若干緩くなるらしい
またMPの制限も若干緩くなるらしく、ノービスのままではMPコストの関係で使い勝手の悪い生活魔法も連続使用出来るようになると言う
そして、さらっとスルーした彼の冒険者ランク
Dと言うのは、実を言うと結構高い
冒険者ランクは、斡旋ギルドへの貢献度から算出される
入会したてがGランク、薬草などの採取任務をこなして達成度が高ければFランクにランクアップし、最下級の討伐任務を受けることが出来るようになる
EランクへはFランクの討伐任務を連続で一定数成功させることで試験としてEランクの討伐任務を受けさせられ、それを数回成功させると昇格できる、Dランクといえばその更に上だ
Eランクの討伐対象はゴブリンやコボルトと言った群れることで脅威となる魔物の単体討伐、Dランクだとゴブリンなら10匹以上の群れの討伐、単体であればロングファングウルフ(上顎の犬歯に当たる牙が20cmを超える狼型の魔物)の単独討伐であり、この魔物は一般的な衛兵10人でも互角と言う脅威だ
すなわち、彼は一人で衛兵10人分以上の働きが出来るとギルドからお墨付きを与えられているということになる
護衛としては十分だろう・・・一般的な盗賊とかが相手ならだが
「でも良かったんでしょうか?私の知識にある状況からして、相手は隠密持ちのアサシンなんですが」
「隠密スキルか・・・確かに厄介だが、対抗手段が無いわけじゃない」
*** *** ***
午前3時ごろ
ゲームでは、朝メイドが起こしに来た時、既に私は首を切られて冷たくなっていた
死後硬直や死斑による死亡推定時刻は午前4時前後らしかった
何もしなければ、私の寿命は残り1時間ほど
とりあえず護衛を加えて室内の安全を図りはしたが、それがどの程度有効だったかは現時点では判らない
じわじわと迫る恐怖に心臓を締め付けられるような焦りを感じる
スバルさんはそれなりの冒険者だ、よほどの相手でなければこんなに頼もしい人も居ないし、こんな田舎ではこれ以上のランクの冒険者などそうは見当たらない
望みうる限り最高に近い結果だろう
しかし相手の実力がわからないのだ
もし仮にない通者も無いのに、この厳戒態勢の中この部屋まで入って私を殺せるのであれば、かなりレベルの高いアサシンだ
アサシンというのは斥候と言う職業の最高ランクとも言える職業であり、冒険者ランクで言えばCランク以上にしか居ないほど優秀だ
もしそんな相手だとすれば・・スバルさんには申し訳ないが、歯が立たないと思う
その時は・・・潔く死ぬしかないだろう
もし彼が言うとおり隠密スキルに対抗できるのであれば、それに一縷の希望を託そう
とにかく、今日を生き延びれば王太子に直接訴えることが出来る
それまでは何とか生きなくては
キィィンッ!!
金属の打ち合う音、そして私を押しのける力に気づいてそちらに目を向ける
すると、そこには何時入ってきたのか、まったく見覚えのない黒装束の人物が手元を押さえながらこちらを睨む姿と
私を庇うように背を向け、短直剣を構えるスバルさんの姿があった
「なぜだ・・・」
こちらを睨みながら黒装束が呟いた
「なぜ私の接近に気づいた?同業者にすら気づかれた事の無い我が隠密スキルを看破出来るなど、まずありえんと言うのに」
隠密スキルを持つ以上、この黒装束はアサシンなのだろう
そして、同じアサシンですら気づけないと豪語する以上、彼はかなり高位のアサシンのはずだ
そんな人間が、一介の冒険者にしか見えない人間に気づかれるなどありえない、そう言いたいのだろう
「簡単な話だ。この厳重な警備をかいくぐって暗殺しようなんて奴はアサシンに間違いない。なら侵入したことを知らせる仕組みさえ作っておけば、後は護衛対象の周りを油断なく見ているだけでいい」
確かに
言うだけなら簡単な話だが、そう簡単と言い切れるものではない
まず、侵入者に知られないように侵入を悟るための仕組みを作り、その上で侵入者に気づいていると気取られないように護衛対象の回りに気を張らなくてはならない
いくら隠密スキルが実に緩慢な動きで接近を図らなければならないと言う制約があるとは言っても、実行するのは非常に難しいはずだ
「馬鹿なっ!?そんな簡単な話ではないだろう!!大体貴様一見するとノービスにしか見えんのにもかかわらず、そんな芸当が出来ると言うのか?」
そう、まず最初の侵入を知るための仕組みを作るには高度な罠設置スキルが必要だ
この世界の人間ではないから、スキル抜きで向こうの世界で身につけた技術かもしれないが、こちらの常識ではノービスやオーバーノービスに出来る芸当ではない
「ノービスの分際でっ!!」
キィンッ!キィンッ!!ガッ!
「なんにでも例外ってもんはあるんだぜ?」
例外どころの話じゃない、さっきから明らかに格上であるはずのアサシンと互角に切り結んでいる
レベルで互角だったとすれば、ノービスに勝ち目などあるはずがない
もし互角になろうとするなら、スキルであれば剣士の「見切り」で動体視力を補い、モンクの「カウンター」で反射速度を補って初めて可能だろう
ノービスにないアサシンの職業補正をそれだけのスキルを同時に駆使することで、漸く互角なのだ、そんなスキルを持っている筈がないノービスでこんな事が出来るなんて
「フォースバインドッ!」
「うっ!?」
ドサッ
???
フォースバインド?
確か魔術師系統の派生職の中でも、応用魔術に長ける魔術学者の使うスキルだったはずだ
正確には「符術」と言うスキルで作られた使い捨て魔道具「術符」を駆使することで繰り出す即効魔術のひとつ・・・ただし本人専用だったと思うんだけど
「ば・・かな・・・」
「何にだって例外は居るって言ったろ?」
*** *** ***
アサシンはその後物音に気づいて突入してきた騎士により、スキル封じの手錠などで雁字搦めにされ、彼を連行ついでに、王太子に事の事情を説明することになった
王都までの道中の護衛もスバルさんに頼むことで漸く聞きだした話だが、どうやらスバルさんの職業はオーバーノービスではなかったらしい
ノービスはLv20まで祝福を受けずに居ると、生活神の慈悲によりオーバーノービスになることが出来る
だがそれだけではなかった
Lv40を超えても祝福に会えなければハイノービスと言う職業になり、基本職のスキルの中から、好きな物を任意で取得できるようになる
Lv60を超えるとスーパーノービスとなり、派生職のスキルから好きな物を任意で使えるようになるという
彼はと言えば・・・さらにその上だったらしい
ノービスでありながらランクD評価の冒険者、確かにそれだけのレベルは有って然るべきなんだろう
チートな職業に就いた日本人を伴い、私は自由への一歩を踏み出すことになった
これがどんな運命の悪戯なのか、今の私は知る由もない
1万字行ったら前後編にしようかと思ったけど、8000文字も行かなかったでござる