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王を継ぐもの  作者: ジェイソン
王都脱出編
6/25

王都上空 対聖女戦

sideヴィクトリア


王都の空に花火が咲く。


ジェイソンとアーリアが戦闘を開始した。


私は急いでケストレルに乗り込む。


ケストレルは超巨大な航空空母で、王家が独自に保有する超兵器だ。


ケストレル内の格納庫に乗り付けるとすぐに機体を降り、ケストレルの司令部に走った。


「「「「「姫様ッ!!」」」」」


司令部にいた衛兵たちが一斉にこちらを向いて敬礼する。


「出港まであとどれくらいかかる!?」


「あと3分でケストレルの離陸準備が完了します!」


「準備でき次第離陸しろ!進路はカロル地方に取れッ!」


「「「「「ハッ!」」」」」


「聖堂教会の探索範囲外に脱出し次第、ステルスを展開せよ!!」


「「「「「ハッ!」」」」」


「よし、かかれ!」


「「「「「かかりますッ!!」」」」」


ジェイソンから軍事教練を受けたことを感謝した。


私が軍人に命令を下すことなどないだろうと高を括っていたのだが、まさかこんなことになるなんて。


私は艦長の座るべき席に腰を下ろし、画面を見る。


画面にはレーダーによって捉えた王都内の状況、そして遠隔操作式偵察機から送られてくる映像が映されていた。


アーリアが次々と狙撃で敵を撃ち落とし、司令部内で歓声が上がった。


ジェイソンも素早い動きで敵を攪乱しつつ敵を撃破していき、あっという間に12機を落としてしまった。


「姫様!離陸準備整いました!」


「離陸せよ」


「了解、離陸せよッ!」


「ケストレル、離陸します」


「ケストレル離陸を開始」


このまま順調にいけば、逃げ切れるかもしれない。


世の中そんなに甘いものじゃないというのは、レーダーに映った敵機が雄弁に教えてくれた。


先ほどの12機とは次元の違うスピードで王都に突っ込んでくる機神。


「王都内に敵機侵入!」


「敵機総数1、この機体は……!」


「偵察機の映像、入ります!」


司令部の画面いっぱいに、王都上空の映像が映し出される。


王都を凄まじいスピードで駆けるその機体。


重量2脚に頑丈な腕、胴体も分厚い装甲に覆われている。


右手左手にそれぞれ巨大な魔導ライフル。


肩にもそれぞれ巨大な魔導兵器が乗っている。


軽量級の機動性を持つ、魔導兵器積みまくり超火力重量機体。


そんな反則的機体を操る魔導士を私はジェイソンに教えられたばかりだった。


聖堂教会の頂点に君臨する聖女、リゼ。


今回のクーデターの張本人その人が強襲をかけに来た。


『御嬢様、俺とアーリアでできるだけの時間を稼ぎます!急いで逃げてください!』


俺、という言葉のせいで発言者がジェイソンだということに気付くのに少し時間がかかった。


「あぁ、頼むぞジェイソン、アーリア」


『はいはい。ま、死なない程度に頑張るよーっと』


リゼの機神から魔力ミサイルが放たれる。


魔力でミサイルを発射、誘導し火薬を炸裂させてダメージを与える魔力・実弾の混合兵器はまっすぐ画面の中を私たちに向かって飛んできた。


そして偵察機はなすすべもなく撃破され、画面にノイズが走る。


画面をレーダーに切り替え、私たちは脱出作戦に移った。





sideリゼ


王都内への侵入に成功し、背中の外付けブースターをパージした。


同時に火器管制システムを完全起動。


空中に浮かぶジェイソン機をロックオンする。


「……ッ!」


同時に両手のライフルを発射する。


右手の魔力弾は誘導、左手の魔力弾は速射という2種類の弾で追い詰めていく。


ジェイソンはブーストを吹かし、左右にユラユラと動いてから一気に下に落ちていき、そのまま私の懐に潜り込もうとしてきた。


「逃がしま……せんッ!」


レバーを引き、ペダルを細かく踏みまくってなんとかジェイソン機をロック可能範囲から逃がさないようにする。


ライフルを連射しながら、右肩のミサイルを放つ。


24発連続発射のミサイルは、互いに争うようにしてジェイソン機に殺到していく。


ジェイソンはそれらをチェインガンで撃ちおとしながら逃げようとする。


私はジェイソンの逃げ込む先に飛び込んでライフルを構える。


腕に衝撃が走り、、発射した魔力弾は街に撃ち下ろされてしまった。


「狙撃……」


『ハァイ、裏切り者!』


「アーリアですか」


『そうよ、恩知らずのクソ野郎ッ!』


狙撃弾が次々と飛んできて、私の腕に当たる。


どうやら狙撃では私の装甲が貫けないと踏んで、腕を撃って照準を狂わせることに傾注しているようだ。


素早くペダルを蹴り込み、24連ミサを浴びせてやる。


アーリアは泡を食って逃げ出し、私はすぐにジェイソンのほうに向きなおった。


ブーストを吹かして一気にこちらに接近してくる。


大鎌の範囲内に入るのはマズイ。


素早く後退しながら両手のライフルを連射する。


さらに魔力ミサイルをぶち込んでやった。


ジェイソンはその場で急停止するとさらに急降下して地面に降りた。


王都の建物を盾にして、ミサイルを振り切ったのだ。


建物の間からチェインガンでこちらを牽制してくるが、その程度の攻撃は効かない。


私は背中に背負ったもう1つの魔導兵器を起動させる。


右肩の魔導ミサイルの上に覆いかぶさるようにして砲塔がせり出す。


魔力を集中させて、一気に発射する。


ジェイソンのいる地区を丸ごと吹き飛ばした。


『まともに喰らったら消し飛ぶな……』


ジェイソンはすばやく連続小ジャンプで後退して巨大なビルを盾にして耐えきっていた。


しかし衝撃波で肩武装が吹き飛び、大鎌1本のみとなっている。


いける、とその時確信した。


昔のジェイソンなら、傷一つ負わずに逆に私の後ろに回り込むくらいのことをやっていたはずだ。


今のジェイソンなら苦労することなく殺せる。


ジェイソンは何としてもここで殺しておきたい。

次回、ジェイソン視点です

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