第五章
(うわーあの入学式の人だ。えっと・・・・)
私は一人でぼんやりとそんなことを考えていた。
すると、私が戸惑っているのを察してくれた理亜と柚は、
「無理だわ。今日は先約が。」
「えー。今日は三人で遊ぶ予定なの。だから、ごめんね。」
と断ってくれた。
私は、その男の人とその取り巻きの男の子のことを知らない。
だから、正直すごく困っていた。
ただ、二人は知り合いみたいだから断ってもらうのはすごく悪い気がした。
理亜は私が悩んでいるのを見て、
「大丈夫だよ。こいつらのことは、気にしなくて。この三人は、私達は同じ中学なんだ。だから、仲もよくて。」といってくれた。
私は「ありがとう。」と言った。
理亜は優しく微笑んでくれた。
本当に、二人とも私に優しくしてくれる。
私は、すごくうれしくなった。
改めて、三人をみた私に柚が三人の自己紹介をしてくれた。
柚はチャラい人を始めに指差した。
「あのチャラいの。直人っていうの。」
そういうと、直人は私に「よろしく。呼び捨てでいいから。仲良くしようぜ!」と言ってくれた。
二人目は大空という人だ。
柚いわく、「学年一の秀才。というか、天才。」なんだとか。
私は「よろしくね!大空君。」と挨拶してみたものの、「呼び捨てでいい。」といい、あとは黙ってしまった。
最後に、入学式の人。
名前は、「白垣 日向」。
明るい、笑顔の素敵な人だ。
「よろしくね。俺も呼び捨てでいいから!仲良くしような☆」と言ってくれた。
みんな、いい人みたい。
(仲良くなりたい)
私は思った。
理亜は「由佳。三人とも同じクラスの奴らだよ。自己紹介聞いてなかったでしょう。」と私の頭をポンっとたたいた。
私は、笑い返した。
日向以外は知らなかった。
でも、これからはみんなと仲良くしたい。
私はそう思った。