第十六章
「はいはーい。みんなお疲れさんーー☆」日向が生徒会室に戻るなり満面の笑みで言った。
「おみゃーさんたち!これで、この部屋は我々のものだ。ここを拠点としてだな?世界征服を行おうではないか!!」直人が叫ぶ。
「はあ。」と大空。
「そういえば、由佳もなんだかんだ言いながらも、仕事してたよね。交渉するだけって作戦ではなってたけど、ちゃんと脅迫できてたしね!凄いじゃん。良かったよ、由佳。お疲れっ!」柚が私に抱きついた。
「ありごとう。」私は柚の腕から抜け出しながら言った。
「楽しかったねー。それに許可も取れたしー☆」理亜も楽しそうに笑った。
「じゃあさ。みんなで、お祝いしよう。由佳が放課後青春部に入ってきたことと、生徒会からこの部屋を奪ったお祝い!!」日向が突然提案した。
「いいね、それ」みんなも賛成のようだ。
(みんな何かと滅茶苦茶だけど一緒に居て楽しい。みんなだったら、私のことを受け入れてくれるんじゃないかな・・。いつまでも隠したままでは嫌。今日この機会にちゃんとみんなに言おう。)
私は決心した。
「あのさっ。聞いて欲しいことがあるの。」私がそういうと、みんなが一斉にこちらのほうを見た。
「あのっ・・・・・えと。そのね・・・・・。」私がなかなか言い出せずに困っていると、日向が私の様子から何かを察してくれたのか、「あのさ由佳。」と言った。
「由佳。ここは何部だ?よく考えてみて。俺たちはもう仲間だろ?一緒に校長室に乗り込んだ仲なんだぜ?なのに、何をいまさら言いにくいみたいな顔してんだよ。まだ、俺たちに慣れないのことは分かる。でも、少しずつでいい。仲良くなりたい。それで、一緒に楽しい高校生活を送りたい。最後はみんなで楽しかったな!!って笑って卒業したいんだよ。・・・俺はそう思うんだよ。言いにくいなら無理はしなくていい。でも俺たちは、どんなことだろうと馬鹿にしたり笑ったりしない。それが、俺たち。放課後青春部の仲間のルールなんだ。なっ!日向はそういうと、私に笑いかけてくれた。
“何も心配するな。大丈夫だ”というかのように。
「・・・うわ。きもっ。熱血キャラ?」と柚がつぶやくと・・。
「黙れーこの愚民が。」と直人。
「なんか日向がいっても説得力ないよね。」と理亜。
「まあな。」と大空。
「でも、まあ。確かにその通りだしな。大丈夫だ。なにかあるならいつでも力になる。ちゃんと相談にのる。お前はお前らしく居たらいいんだ。胸をはってな。」と大空が言った。
みんなもその大空の一言に黙って頷いてくれた。
(みんな・・・・・・。)私は思わず泣いてしまいそうになった。
(ありのままの私を受け入れてくれる友達がいる。それは凄く幸せなこと。私もようやく“本当の友達”が出来たんだ。)
「ありがとう、みんな。」私はみんなに頭を下げてお礼を言った。