第十五章
ここは校長室前。
校長先生しか居ないのか、すごく静かだ。
私達がみんなそろったのを確認すると、「よし。お前ら。準備はいいなっ?」日向がみんなの表情を確認した。
それから、みんなが頷いた。
「おし。3、2、1。突撃!!!」
日向のその声で私達は校長室のドアを勢いよく開けた。
日向、直人、柚、大空、理亜、私の順で中へと入った。
「手を上げろ。」日向が校長先生に言った。
(なんだか、テロリストみたいだなっ。)
「なんだ、お前達は!?」校長先生が叫んだ。
「校長先生。私達に生徒会室をください。そうしたら、手荒なマネは絶対にしませんから。さあ早く、使用許可を。」私は校長先生の目を見ていった。
「だめだ!!」校長先生は拒否した。
(まあ、当たり前だよね。でもここで諦めるわけにはいかないの。)
私の中で変なスイッチが入った。
「では、仕方ありませんね。」私がそういうと・・・・・。
いつの間にか、校長先生の背後にたっていた柚が、校長先生のカツラを取って、入り口付近に立っている理亜に投げた。
理亜は涼しい顔で竹刀で、その宙に浮いたカツラをキャッチした。
私は、理亜がキャッチするのを見届けてから、「もし、使用を許可していただけないのならば、明日の全校集会であなたがカツラだということを公表しますよ。それから・・・・・。」と言い、背後に立っている、日向と直人と大空のほうを向いた。
3人は、一斉に玩具を校長先生に見せた。
「お前達!?ナイフにスタンガン?お前ら捕まるぞっ!早く、置きなさい。そんな危ないもの持っちゃいかん。」校長先生はあせったように言う。
(まあ、それはそうかな。校長先生はこのナイフもスタンガンも玩具だということ知らないんだものね。大丈夫。玩具だから、人に危害なんて加えられないから。)
「分かりましたか?言われたくないのならば、早く許可を。」私は言った。
「駄目だ。」校長先生は言った。
「仕方ないなー。」校長先生の後ろにたっていた柚がそういいながら、勢いよく校長先生の鼻の穴に何かを突っ込んだ。
私は、驚いて校長先生のほうを見た。
可愛そうなことに、校長先生の鼻の穴にはタバスコの瓶が2本、ささっている。
(これは・・・・。さすがに痛いでしょ・・・。まあ、死なないから大丈夫だよね?)私がそう思っていると・・・。
「いったーーーーーーーーーーーーい」校長先生が、涙を流しながらのた打ち回っている。
「あらら・・・・。」私は、思わずつぶやいてしまった。
(ごめんなさい。校長先生。)
「先生、使用許可を。」私がもう一度聞くと・・・。
「許可する。許可するから、早く出て行ってくれ!!明日、ちゃんと全校集会で言う。約束するから・・・。」校長先生は泣きながら言った。
「分かりました。約束ですよ。」私が言うと、校長先生は頷いた。
「よし。退散するか。」日向のその言葉で、私達の退散が決まった。
私達は、ぞろぞろと校長室から出た。
最後に大空が一言。
「さっきのこと、誰にも言うんじゃねーぞ。いったら、どうなるか、分かってるんだろうな?あと。あのナイフもマシンガンも、玩具だから。」
とどめを、大空がさして、私達の戦争?は幕を閉じた。