序章
「今日から新しい学校生活が始まるんだ」
私はつぶやいた。
私は今日から高校生になる。
つまり、世間一般で言うJKになる。
成績はと言えば、極めて普通。
運動神経も平均的。
どこから見ても普通の女の子。
だか、私には悩みがある。
それは、アニオタと言う事。
アニメ、漫画、ライトノベル、ゲームが大好きで、それさえあれば生きていける!と、言っているくらいだ。
しかし、世間はオタクを嫌う。
そして、偏見だけで語る。
「オタクは気持ち悪い」と言う。
理解もされない、私の趣味。
中学の頃、アニメが大好きだと公言していた為か私は友達が少なかった。
アニオタは気持ち悪い…そんな事からだ。
周りのアニメに興味がない女の子は話しかけてこなかったし、私を珍しいもののように見ていた。
でも、少しは趣味を理解しあえる友達は居た。
けれど、結局は彼女達も「彼氏出来たの。アニメはもう見ないなぁ。彼氏にアニメ好きなのばれたら嫌だもん。」「アイドルの方がいいって。」などと言う理由から、アニメを見る事やオタクを辞めていった。
私は、別に悪いことしてるわけじゃないから、辞める必要はないと思っていた。
けれど、みんなアニオタである私とは関わりたくないと言い私から離れていった。
私は中学の間一人ぼっちだった。
寂しくて、辛かった。
私は悪いことしてないのに。
オタクという理由だけで、友達が居なくなった。
だから、私はこの誰も知り合いの居ない高校で楽しい高校生活を送る事を決めた。
もう、あんな悲しくて寂しい日々は嫌。
私はここでは絶対上手くやる。
そのためには、アニオタを隠す。
ばれてはいけない。
今までの事を思い出すとやっぱり、辛い。
でも、今日からはちゃんと、オタクじゃない女の子を演じるんだ。
私は、気持ちを再確認しながら、学校へと向かった。