すぐにわかる不条理
状況描写を極力省きました。
シンプルに結果だけを書きたかったのです。
とある町のとある交差点で、私は信号待ちをしていた。
夜も遅く、なかなか信号が切り替わらない。
そんな私の後ろから、学生服を着た高校生が自転車に乗ってやってくる。
まだ赤信号だというのに、自転車は横断歩道を走り抜けていく。
私はため息を一つ吐く。
車両の交通量は確かに少ない。
だからといって信号の指示すらまともに守れないとは。
これだから最近の子供は・・
歩行者用信号機が点滅し始めた。
道路を渡る準備をしたその時、トラックのヘッドライトが私を照らした。
トラックは制限速度をはるかに超えたスピードで、私に向かって突っ込んでいた。
そして減速することもなく、私を轢いた。
瀕死の私に、運転手はどなり声をあげた。
「馬鹿野郎!お前は信号機もろくに見れねえのか!」