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消え逝く死神  作者: 香夜
1/1

兄ちゃんと僕

シリアス、ほのぼの、恋愛とは違った兄弟愛、過保護な兄ちゃん、甘える弟、と言う話を昨日見た夢で思い付いたので書かせていただきます。

主要人物は基本、弟の雪と兄の氷でその他は友達や先生、両親と言った具合でございます。

BL(ボーイズラブ)ではありません。

小分けに書いていきますが次話は少なくとも3日以内に投稿させていただきます。

興味を持って戴けましたら、どうぞ宜しくお願い致します。

昔、病院で見た死神は涙を流していた。

横たわる年老いた爺さんの前に立ち、大きな鎌を持ってぼろぼろ涙を溢してた。

その時僕はまだ五歳でよく分からなかったけど死神を見ていたら何だか泣けてきたんだ。お母さんには不思議がられたけど涙が止まらなくて悲しくなって…








「…き!雪!おい!」

ここは何処だ?

「雪!起きろって!」

…兄ちゃん?

「もう7時だぞ!!」


兄ちゃんは中々起きない僕にチョップを食らわした。


ここは僕の部屋、さっき僕の額にチョップをしたのが兄ちゃん。今は7時で中学校へと登校するのが7時半、なので急がないと遅れてしまう。…よし、覚えてる


自分の記憶を呼び覚まし、起き上がる。


「兄ちゃん、痛いよ」

今さら痛みが込み上げてきたので起きて開口一番文句を言ってしまった。

「雪が早く起きねぇからだ」

そう言った兄ちゃんはタンスから僕の制服を取り出し差し出した。

僕はそれを受け取り、お礼を言う。

てっきりそのまま部屋を出ていくかと思ったのだが兄ちゃんは立ち止まり、じっと探るように僕を見てきた。

「……何?そんなに僕の着替えるとこ見たいの?」

さっきの仕返し(ほぼ逆恨みだけど)で皮肉を言ってみた。

「バッ!ちげぇよ!何勘違いしてんだよ!」

ツンデレか

「じゃあ何?」

「べ、別に心配してる訳じゃ無いんだけどよ…今日は咳大丈夫、か?」

これは僕が喘息で死にかけた時以降、毎日問われる事だった。

「あぁ…大丈夫だよ」

(ちなみに少しでも兄ちゃんの前で咳をすると即ベッド送りにされて無理強いで学校を休まされる)

「そうか。あ、早く着替えて下降りてこいよ!」

一瞬安堵の表情を見せ、またいつものツンツンした表情に戻る。ちょっと見ていておもしろい。


着替え終わりそうこうしているうちに7時半になった。

「兄ちゃん、行ってきます」

「おう」


「今日は16時に終わるから」

「よし、んじゃ16時にいつもの所で待ってる」

この会話も毎日行われ、あの日以降ずっと繰り広げられる会話であった。

兄ちゃんは少しでも僕を見守りたいらしく高校を早退してまで僕と下校を共にしたがる。ただし登校時は家でやる事が沢山あると言い、一緒には行かない。


「お。恵ちゃん達が来たぞ」

僕がのたのたと靴紐を結んでいるうちに友達が来た。

恵と裕太と由香だ。


「遅いよ、雪君」

仁王立ちで僕を待ち構えていたのは恵だった。

「そやで!遅いでー、雪坊!」

家から出てきた僕に皆口々に文句を言ってくる。

責められるのは好きでは無いので軽くあしらうといつもの皆に戻った。

その後、学校に着き特に普段と変わらない1日を過ごす。

だが、最悪な事に6限目の体育(野球)に急に意識が無くなり倒れてしまった。










夢を見たのだ

少し成長した僕はベッドに横たわり、目をつむっている。

その横には死神と兄ちゃん。

二人とも泣いていた。無表情で無音でただぼろぼろ機械のように涙流して怖かった。

「僕、死んだのか…?」「嫌だ。まだ死にたくない」「助けて」「誰か…兄ちゃん、助けて」「死にたくない。死にたくないよ、兄ちゃん」「助けて、助けてよ!苦しい!助けて助けて助けて!!」



「助け…て…」

いつの間にか伸ばした手を誰かに掴まれた。

「雪!!!」

「にぃ…ちゃ、ん」起きた瞬間鼻に霞む消毒液の臭いと心地よいベッド。…保健室にいるのか。意識がはっきりしてくると色んな感情がドッと出てきた。

目覚めた安心、夢だったという安心、兄ちゃんがいた安心、まるで泣いた後のようなスカッとした気分が入り混ざった感覚…。

しばらくその感覚に酔っていると兄ちゃんが話し掛けてきた。

「…なぁ、雪。何でいつも寝てるとき泣いてるんだよ?」

「?」

何故か反応して飛び起きてしまう。

「僕が…泣いてる?」

「あぁ」

泣いてる?いつも?


別に大した問題ではないのに、明らかに動揺する自分がいた。

「…あ……」

もしやと思い目元を触ると、湿ったい。

僕は毎日兄ちゃんに泣き顔を見せていたのか…

情けなさと恥ずかしさが同時に出てきた。

「ま、別に見てみぬふりしてやらんでもないけど」顔が沸騰していく僕を見て兄ちゃんが傍目を見つつ言う。そして付け足しのように「こ、これは皮肉だからな?」と。

「ありがと」

僕が笑った事に安堵したのか、礼を言われ気を良くしたのか、兄ちゃんは微笑み立ち上がった。そして…


「さ、病院に帰るか!」

家に帰りたかった。

変な終わり方の方が次書きやすい!…と言うことで、実にすみません。

色々反省したいところですが、なにぶん反省文を纏める能力に欠けているので省かせていただきます。



私の小説でお楽しみいただけたならば幸いなのですが、お楽しみいただけなかったのなら本当にすみません。

次話も読んで下されば幸いです。

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