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第二十四話 猫の爪など… 児戯にも満たぬ…

「コロス…」



ゆらり…と黒影が揺れる…


刹那、俺の頸動脈を裁ち斬らんとする鋭い爪が、

眼前に迫る。


それを…おっさんは…


二本指で首元を摘み、もう片手で尻尾の生え際を揉み込む。


「ふsy…ぎにゃ?…ぎゃにゃにゃにゃにゃ〜」


岩くらい軽く噛み砕く牙で腕を噛みちぎる!


…のをいなし、腹をくすぐりまくる。


「にぎゃぁぁぁ〜おおおおぉぉぉぅぅぅ」


糸のように狭まる瞳孔。


とはうらはらに鳴ってしまう喉…


ゴ〜ロゴ〜ロ…ゴゴゴゴゴ…


死合い開始10秒後の光景である。



おっさんにとって、

元ミスリル冒険者の、『惨殺の黒猫』の攻撃は…

遅かった。


地上五階建て…わかりやすく言えば、

都市部のドンキ。


あの程度の建物の屋上から降り注ぐ鉄パイプ。


それを、地上に停車したトラックの荷台で…

片手でキャッチし、もう片手は種類別に纏める。



若かりし頃のおっさんの仮設足場屋経験である。


判断をミスれば、前歯が無くなる。

それが一日中続く現場。


そんな環境で、道ゆく女性の胸を評価するくらいの余裕のあった青年。


…その未来に立つおっさん。


そやつにとって…

猫の爪など…

児戯にも満たぬ…


などとナレーション(サザエさん)は語るのであった。

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