表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/280

第十二話 え、これ……移動式リゾートじゃね?

幾日か経った頃。


神殿内部の廃棄物はほぼ無くなった。

天井や壁も高圧洗浄機で汚れを落とし、

出た汚水はポータブル浄化槽で濾過してから海に流す。

傷んだ箇所も漆喰で補修し新築のように輝く神殿が完成した。




その時だった。


「キャオォォォォォォォォン」


外から海竜の嬉しそうな咆哮が聞こえたかと思うと…


屋根が開き出した。

急勾配の切妻屋根だと思っていた建物はなんと縦半分に大きく割れ…


神殿自体が二つに割れてゆき…


バサァ!!!


翼になった。


まるで天馬のような美しく雄大な翼を広げると

花壇とテーマパークが一望できる壮大な景色が広がった

屋根だった部分は完全に展開し、

太陽の光が差し込む神殿の中央ホールには神々しい光の柱が現れた。


「……これ、翼だったんかい」


まじまじと見上げながら、俺は思わず呟いた。

あれだけ苦労して焼却炉を組んだ神殿の屋根がパカーって割れて、

しかもそれが翼になるとか聞いてねぇ。

建物に固定しない独立式にしておいて、

本当によかった。


「見てください!」

トゥエラが階段を駆け上がってくる。

「花びらが、風に舞って天まで昇っていきます!」


──花壇のネモフィラが舞い上がり、


まるで竜の背に祝福の魔法でもかけたような景色になっていた。


「これ、ラッキー君……飛ぶつもりなのか?」


ラッキー君(海竜)は静かに目を閉じ、翼を一度、ゆっくり広げた。

ドラゴンというよりも、空母というよりも──


「え、これ……移動式リゾートじゃね?」


挿絵(By みてみん)

いまいちコンセプト通りの絵は出来なかったのですが

イメージです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ