第十話 「魔力がうんちゃら」らしい
外構工事がひと段落したので、しばらく休みにした。
海竜君も穏やかになり、牙にロープを結ばせてもらってブランコを取り付ける。
アコムを座らせ、6点シートベルトで拘束。ラッキー君に島の見回りお願いすると、海上100メートル越えの超絶叫系ブランコが動き出した。
首を振り回して、島全体を往復できる遊具だ。
空から落ちてくるゲロを素早く避けつつ、トゥエラを探すと…
なぜか植えたばかりなのに神殿をぐるりと覆う満開の花畑、
咲き誇る青いネモフィラの絨毯を眺めていた。
「あとは神殿内部を仕上げれば依頼完了なんだろうが…」
どうにも気が乗らない。
長年の勘だ
立派な神殿の扉なのだが、目の前まで来ると
……なんか臭い。
ラッキー君に事情を尋ねるが、恥ずかしそうに目を伏せて黙る。
このパターンはよ…絶対アレだよね…
まぁ仕事だからやるけども。
今日はいいやってことで踵を返し、デッキに作ったグランピング施設へ戻る。
バーベキューもできるし、寝床も風呂もある。
炭火で炙った牡蠣に、混合魔石ペーストと魔石汁。
おろし大根も添えて晩飯に。
温めた酒をキュッとすすり、牡蠣をいただく。
まだ太陽も高い真昼間だが──
「最高の1日だ…」
──
給湯器を設置するとなぜかお湯が出た。
(少女たち曰く「魔力がうんちゃら」らしい)
なので普通にユニットバスを組み立てた。
異世界人達はいまいち不潔なようなので
風呂を貯めて、しっかり洗って暖まるように指導した。
俺はサウナだ。
ラッキー君に生えてたアザラシみたいなヒゲを一本もらい、それを丸太に編み込んで設置。
それだけで100℃超えのサウナが完成した。
防火服は……着ないサウナだし。
限界まで粘って、海へダイブ。
──
どうやら溺れかけたらしく、ラッキー君が咥えて助けてくれた。
目が覚めると、薄着の子供たちが心配そうに風を仰いでいた。
「ぁー…整った。」
かどうかは分からないが、深酒してからのサウナは危険なんだなぁ──
とみつを風に書き残した。




