表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/280

第六話 リーーーーーチ!

立派な貿易港に辿り着き、顔見知りの漁師に小舟を貸してもらう。

3人で乗り込み、

船尾に充電式船外機を取り付ける。

モーターが唸り声を上げ、船は進みだす。


青い顔で(元々だが)船縁にしがみつき、アコム嬢が俯いている。

そんなに神殿が心配なのだろうか?


「ヴォエェェロロロロロロロロ…」


船は跳ねる。充電式モーターと侮るなかれ。

あちこちにそびえる岩礁(とんがった岩)をモンキーターンで滑り躱し、沖へ沖へと爆走する。


「エレレレレレ…」


ずっとオキアミを撒き続ける自動サビキマシーンのようなダークエルフを横目に…


「神殿どこにあんだよ」


案内もいない大海原を水切り石のように跳ね続ける。


なぜか船首に立ち、一人タイタニック──ならぬ女神像?のようなポーズで、トゥエラがイカジャーキーをくっちゃくっちゃ噛んでいる。

どうせ噛みきれないので、濃いめの味付けをして生臭さを飛ばし、ずっと噛んでいられるツマミに調理した。


高性能魚群探知機もとりつけ、液晶を見ながら進むが、海底に特別な変化はなく、たまに魚の群れが通るくらいだ。


「リーーーーーチ!」ってかぁ?


太陽が中天を過ぎて疲労感と空腹を覚える。


「なぁ神殿って本当にあるのか?」


「エレ」

頷くダークエルフ。


「魚探の広角モードで相当な範囲の海底を調べたが、建物っぽいのはないぞ?」


「えれ…」


一旦休憩にするか。

俺は樹海で伐採したが使い道のなかった丸太を、残材保管用のフレコンバックからニョキニョキと出し、海上に放る。

数百本出すと、まぁまぁの広さになったので、丸太どうしを仮にかすがいで止め、いつものように根太を打ちつける。


「海の上って水平だからレーザーもなく仕事できていいな」


コンパネまで敷き終わると田んぼ一枚分?くらいの海上デッキが完成した。


小屋まで建てる時間でもないので、現場見学会用の日除けテントを設営し(紅白の垂れ幕のやつ)

メシと寝床の準備に入る。


「潮に流されちゃうと困るなぁ」


ふと見るといい感じのアンカーがあったので、トゥエラの背中から剥ぎ取り、ロープを結びつけ海に沈める。


生ではとても食えないここらの魚介類だが…

樹海アウトドア魔物達ほりにし魔石スパイスなどを使い生臭さを消す努力のおかげか、

さほど旨くもないが吐くほどでもない、微妙な海鮮バーベキューと、あいなった。


トゥエラとゲロコムを呼び、メシにする。

悲しそうに海底を見つめるドワ子が可愛かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ