表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/231

第二話 腰袋から色々出てきた

仙人じゃあるまいし。


こんな木の上で生涯を過ごすわけにもいかない。


だが、絶対いるんだろうな…

と思う。


だって聞こえるもの。


昨今聞かなくなった、野良犬の遠吠え。


あれを悪質にした、


「ギャゴオォォォォォォォォォォォォオン!」


みたいの。



降りたら間も無く、食われるだろう。


だがおっさんも食わなければ死ぬ。


とりあえずズボンのポケットに、

焼酎(ミニ五郎)が入っていたので、


体温で生温いが、グビっと呑む。



もし何かが襲ってきたら…

と思い、真っ先に思いつく道具(凶器)

釘打ち機を出してみる。


普通に出てきた。


大きさ的におかしいが、

出ないよりは良いので文句は言わない。


だが、釘打ち機だけあっても仕方がない。


動力となる、エアーコンプレッサー、それを繋ぐエアーホースも無ければ…



出てきた。



もう、何も言うまい。


そういうチートスキル、なのだろう。



そうこうしていると、腹が鳴る。


酒を呑むと腹が減る。


この世のことわりだ。




もう躊躇わないおっさんは、


充電式冷蔵庫(マキタ18V)を腰袋から取り出し、

中に保管しておいた冷凍鍋焼きうどんを……


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


おっさんは立派な社会人である。


もう三十年以上働いている。

常識もある、建前と本音も上手に使える。

社会的信用もしっかり得ている。


何故なら、住宅ローンも組めたから。


そんなおっさんが、


地上50メートルはある巨木の枝の上に…


システムキッチンを取り出した。



…驚くのは辞めた。

そうゆうものなのだろう。


操作してみると、


蛇口から水が出た。


ダイヤルを捻ると…


火がつき、鍋焼きうどんを温め始めた。



シンクからは水がジャバジャバ流れるが…


下扉を開けても、足元にも、排水は出てこない。



くつくつと煮たつうどんを見ながら、

おっさんは…


「俺、なんかしちゃいました?」


と、お気に入りのセリフを呟くのだった。


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ