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お后さまの召使い  作者: 暦海


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23/36

何と説明すべき?

「……その、ありがとうございます梨壺なしつぼさま」

「ううん、気にしないで。伊織いおりさんが喜んでくれたなら良かった」



 その後、20分ほど経て。

 そう、頭を下げ謝意を告げる。あれから悩みに悩んだ末、日本と中国の古典文献を一冊ずつ頂くことに。……いや、他人ひと様のお部屋で何を長々と時間を掛けているのだろうと我ながら思うけども……うん、どれも頗る魅力的で。


 その後、再び頭を下げ出入り口たる襖の方へ。お礼だけ頂いてすぐ帰るなど、何とも失礼な話だと自分でも思うけれど……でも、これ以上長居をするのもその方が申し訳ないわけで――


「…………あっ」


 ふと、ポツリと声が。……そう言えば、月夜つくよさまには何と説明しよう、書物これ。鞄も何もないので隠し通せるとも思えないし……やっぱり、正直に言うべきかな? 今日のお礼として、梨壺さまに頂いたと。……でも、それだといつ頂いたのかという話に――



「――っ!! 梨壺さま!」



 刹那、思考が止まる。そして、さっと引き返し前方へと倒れる梨壺さまを寸前で受け止める。……ふぅ、何とか間に合った。……でも、安心してる場合じゃない。あの時は平気だと仰っていたけど、本当はご体調が――


「…………ふふっ」

「……へっ?」


 すると、腕の中で響く微かな声。心做しか、その声は頗る楽しそうで……えっと、どうしたのだろう? ……いや、それともやっぱり気のせ――



「……やっぱり、男の人だったんだね? 伊織さん」


 

 


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