黒き王姫
※この物語はフィクションです。実際の神話や物語とは関係ありません。
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「隊長!!もうこれ以上は持ちません!!」
一般の兵士から声が飛ぶ。
「くそっ!!ここまでか...!!」
その時空から黒い集団が降ってきて屍を一掃した。
「なんだ...?」
そのもの達はまるでこれから来る者に道を譲るかのように道の端に寄り、頭を垂れる。
「なにか来る...?」
100人以上はいるようだ。
「なんだ...ッ!!」
暗闇から現れたのは美しい少女を筆頭とした謎の集団だった。その少女は黒いドレスを指で持ち上げいわゆるカーテシーの所作をし
「こんばんは。王女。今宵は大変な夜ですね。」
と優雅に挨拶をする。それはとても美しく、この世ではありえないような美貌だった。その美貌から近くにいた騎士も
「美しい女性だ...」
と声を漏らしてしまうほど。
「あなたは何者?この異変を起こした者なの?」
少女はいいえと答える。
「私達はあなた達が戦っているそれを生み出している組織と対立する者。名は理想郷闇に生き、光に奉仕する者。私達はあなたの敵では無い。もっと言うと私達はあなた達の仲間。」
「それを証明するものは?」
「ないね。けどそれを証明するものとして君の妹を助けてあげよう。」
それを彼女は聞き逃す訳には行かなかった。
「あなたは妹の場所を知っているの?!早く言いなさい!!」
黒いドレスの少女に近づき胸ぐらを掴んで食いかかるように問う。だが
「ッ...!!」
横にいた人物に腹を蹴り飛ばされ、吹っ飛ばされる。
「やめろランスロット。やりすぎだ。」
「申し訳ありません。王よ。」
「王女よ。あなたの妹は必ず私が助け出そう。それで良かろう?」
黒いドレスの少女は近づいてそう言う。
「私も連れていきなさい!!」
王女は食い下がる。すると黒いドレスの少女ははぁ、とため息をこぼして
「あなたが行ったところで途中で死ぬのが関の山。それにあなたがこの場から離れて誰が指示を出して、兵の士気をあげるの?」
グッと王女は拳を握る力を強める。
「安心して。あなたの妹は必ず私が助けよう。助け出したらわかりやすい合図を出そう。」
と王女の向けて少女は話した後、
「トリスタン以外の者はこの場に残り、この者らを護衛しろ。指揮はランスロットにまかせる。」
「了解よ。」
「あ、それとペディ?やりすぎて護衛するべき対象まで殺すなよ?」
そう言われて少女の視線の先を辿るとギクリとしている者がいた。
「わ、わかってるよぉ...」
「はぁ...ランスロット頼んだぞ...」
とため息をついてランスロットと言う者に少女は頼んだ。
「トリスタン。行くぞ。」
「はい。」
そう言って彼女は去っていく。
「待って!!あなたの名前は?!」
「私の名前?私の名前はアーサー。」
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もう何日血を抜かれたんだろう。分からない。こんな話前もした気がする。いつだっけ?もうわからなくてもいいか。もう出られないんだし。というかさっきから地上が騒がしい気がする。
「やぁ...カリン王女...」
こいつは私の血をずっと抜いていたキモいおっさんだ。
「最後に君と交わらせて貰えないかな...そうすれば僕の血を受けつぎながらも魔神の血も入った子供が出来る!!そうすれば私は1発で冠位になれる!!」
まさかこいつ私の体を...
「さぁ...ひとつになろう...」
嫌...こんな...ところで...
「嫌ぁ...!!」
「こんばんは...いい所かもしれないけどどっか行ってくれるかい?」
黒い少女がそのおっさんを吹っ飛ばした。
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「やぁ。初めまして。第二王女カリン。私の名前はアーサー。君を助けに来たよ。」
とアーサーは笑いかける。カリンはその美貌に見とれてしまっていた。
「殺す...ぐちゃぐちゃにして...殺す...!!」
そう言って研究者は小瓶の中の血を飲み干した。
「あれは...!!」
おそらく第二王女の血であろう。
「外にいるゾンビはお前らが困窮者に対して人体実験をした結果生まれたものだろ?大方魔神の血を入れたんだろう。それに耐えきれず生きる屍となった訳だ。」
と研究者に対してアーサーが問いかける。
「殺す...殺す...」
「お前はある程度適応出来たみたいだが体が変形してしまっているな?」
研究者の体は筋肉は膨れて、右腕が剣のようになっている。
「トリスタン。その子を頼んだよ。」
「了解しました。」
「私はこの子と遊ぶから。」
「殺すゥ!!」
研究者などではない。もはやあればただの化け物だ。それはアーサーに向かってすごい速さで突っ込んできてその右腕を振り下ろす。
「ガァッ?!」
「魔法障壁だよ?知らないかい?」
その攻撃はアーサーに当たることはなかった。そしてアーサーはその化け物に向かって
「はい。デコピン。」
と言ってほんとにデコピンをすると化け物は吹っ飛んで行った。
「なに、したの?今...」
とカリンは声を漏らす。
「ただ奴の額に衝撃を与えただけよ。」
と隣にいたトリスタンと言う者が答える。
「ねぇ。化け物君。私が今握っているもの...なんだと思う?」
その化け物は意味が分からなかった。アーサーの手には何も握られてはいなかったからだ。
「時間切れ。正解は...」
アーサーが手に力を入れ“それ“を潰そうと力を入れると
「グガァッ!!」
化け物は胸を抑えて苦しそうにのたうち回る。
「まさか...心臓...!?」
カリンが驚いたように答える。
「どうする?このままだと君死んじゃうよ?」
と笑いながらアーサーは言う。
「でも...やーめた。こんなのつまらないもんね。」
アーサーは手に力を入れるのを辞める。
「君の得意分野でやってあげよう。その手を見るにおそらく君は剣技が得意なんだね。ならそれで相手してあげよう。」
どこからともなくアーサーは白鞘の刀を取り出す。
「さぁ...おいで?相手をしてあげよう。」
「グ...ガァ...!!」
「速い!!」
とカリンは言う。だが
「はは。遅いなぁ...魔力の使い方も下手くそ。適当に力を入れとけば大丈夫みたいな考え方をしてそうな使い方だ。」
その速い剣撃をアーサーは笑いながら受け切る。
「まぁこんなもんだろう。」
と言って化け物の剣の形をした腕を切り落とす。
「ガァッ!!」
苦しそうな声を出す。
「さて...フィナーレだ。」
魔力の嵐が吹き荒れる。
「な、何?!」
「化け物さん。空を見て?紅い空に黒い月。あれは私から漏れ出た魔力が作り出したもの。」
「あ、ありえないわ!!そんなの...そんなことができてしまうなんて神でしかありえないわ!!しかも漏れだした魔力だけだなんて...!!」
カリンが噛み付く。
「ありえないことなんてのはないのさ...」
という答えにカリンは絶句して言葉がでない。目の前でこんな魔力の嵐を見せつけられたら信じざるおえないのだ。
「じゃあこの僕の魔力をこの1箇所に集めて爆発させたらどうなるかな??」
「ガッ...?!!」
ここに来て初めて化け物は動揺して逃げようとする。それを見てアーサーはニヤリと美しい笑みを浮かべて
「堕ちるがいい。」
といって指をパチンと鳴らすととんでもない魔力の爆発が起きた。
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長い爆発が終わるとアーサーはいなくなり、あの化け物は何も残らず爆発が起きた場所は大きな穴が空いていた。私とトリスタンは巻き込まれないようにアーサーは計算していたのか何らかの魔法を使ったのか。真相は分からない。
「第二王女カリン。じきにあなたの姉があなたを迎えに来るはずです。なのでここで待機をしていること。よろしい?」
「わ、分かったわ。」
「それじゃあ私は行くわ。」
とトリスタンは出ていこうとする。
「ま、待って!!あなた達は何者なの?!!何が目的なの!!」
トリスタンは立ち止まって私に振り返り
「私達は闇に生き、光に奉仕する者。そしてこの世界に闇を排除し、地上に理想郷を作る集団。我らは理想郷。我らが怨敵は十二勇士騎士団。覚えおくがいい。もし貴様達が我らの敵となった際は容赦しない。」
そう言ってトリスタンは去っていった。
「十二勇士騎士団ってなんなのよ...魔神の血もよく分からないし...そもそも魔神ってなんなのよ...」
と愚痴っていると
「カリン!!」
と大声で私を呼ぶ声が聞こえたので振り向くと
「お姉様!!」
お姉様がいた。お姉様は私に抱きついて
「良かった...あなたが生きていて...」
と涙していた。
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後日談。今回の事件で王女を誘拐していた研究者は元国に務めいていた研究者であったらしくそいつが誘拐をしていたとなったが国はその研究者だけが誘拐ができるわけがないとして協力者がいるとみて、捜索を続けている。だが肝心の研究者は謎の集団。アヴァロンの頭目、アーサーによって殺されてしまった。そして未だに研究者の遺体などは出てきていないとの事だ。
「そりゃ出てくるわけ無いよね...僕が粉々にしたから...」
あの後僕は学園の警護騎士団に謝罪をされた。もちろん僕は大丈夫ですよ〜と適当に答えておいた。だが問題はそれだけでは無い。あのクソ王女下僕になると言う契約をまだ続けるというのだ。
「はぁ...やっぱりついでとはいえ助けなくても良かったかなぁ...」
心の中で少し僕は後悔した。
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ヤマトの国某所。
「実験施設の研究結果は持ち帰ることは出来た?トリスタン。」
銀髪の少女が話す。
「いえ、全てアーサー様が灰塵と化してしまいました。」
紫色の髪のトリスタンが話す。
「己が気に入らないものが塵も残さない...あの人らしいやり方ね。」
銀髪のランスロットが話す。
「さすが私達の王様だねっ!!」
赤髪のツインテールのベディヴィエールが話す。
「我らが王は天才ですもの...」
緑色の髪のボールスが話す。
「その分私達も力にならないとね。」
金髪のガレスが話す。
「さて、次の舞台は炎神祭になるわね。」
「ええ。準備は抜かりなく...」
黒髪のラモラックが話す。
「我らが王は敵を許さない。王の邪魔をする者は私達円卓の騎士が排除する。」
ランスロットが目を閉じ話す。
「「全ては我らが王の御心のままに...」」
全員が声を揃えまるで分かっていたように同時に話し出す。その空間は言えぬ緊張感が漂っていた...




