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ばけもの子供の物語

ばけものの笑い声が止まらない

作者: リィズ・ブランディシュカ



 そのばけものはずっと笑っている。


 笑い声が途切れることはない。


 朝も夜も、昼も。


 一日中笑い続けている。


 人間には、そんなことはできない。


 だから、笑い続けていたる誰かは、自然とばけものと呼ばれるようになった。


 そのばけものは、とある森から出てこない。


 どうしてだか、出てこない。


 数年前に、森の中で家族と住んでいたころは、よく外に出ていたし、笑いもしなかったし、普通だったのに。


 いつまでたっても、でてこない。


 人々は変だなと思いながら、森を遠くから見つめるばかりだった。







 ばけものの男は、森の中で笑い続ける。


 一日中、凶暴なばけものと戦いながら。


 普通の非力な人々が、笑い声でおっかなく思って、森の中に入ってこないようにと。そう思いながら。


 数年前にやってきた本物のばけものは、ばけものと呼ばれるようになる前の男の家族を殺してしまった。


 男は、そんな悲劇を他の者に味わってほしくなかった。


 だから、笑いながら、本物のばけものと戦い続けているのだった。


 朝も夜も、昼も。


 一日中。


 いつか倒せるその時まで。



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