シエル、対面する
「生きておったか...」
「はい、あーなんて呼べばいいか」
「ワシの名はリール・スギスガだ」
「シエル・ワーナーですよろしくお願いします」
「ああ」
握手をする。
「ワシの弟子、リール・ベイルの生存反応が途絶えた...撤退しよう〈アルスタ王国〉で仲間を集めている二番弟子。リール・ダズルと合流しよう連絡はしておいたからな」
アリスタ王国、確かこの国ベイル王国とすぐ隣の国だったような。
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「お待ちしておりました、エルデラ・オーリック...」
迎えの騎士たちに軽く会釈する。
あれから一ヶ月が経ち騎士団に入ることにした。
上層部の人たちにも認められて部屋に案内された同居人がいるらしい...しんどい。
わたしは元々、あまり会話を避けてきた。
だけど学校で出会った子達はみんなわたしと仲良くしてくれたから友達と呼べる存在が増えた。
(向こうから気さくに話しかけてくれるとありがたいな...)
扉を開けると下着姿の女の子。
黒髪で赤い目をしており顔立ちとスタイルが整っている。
わたしと歳は離れていない。
「アンタが同居人?」
「そうらしいわね」
「ふーん」
近づいてくる。
脚を蹴られそうになるが後ろに後退りをして躱す。
「まぁ良いわルームメイト同士仲良くしましょ。わたしの名はルーデリア・アースよろしくね」
「エルデラ・オーリックよ」
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黒いローブを羽織り合流地点に向かう。
どうやらこの森から結構遠いところにある豪邸らしい。
「リール・ダズルーーーいやここでは本名のキャシオン・ザーグでいいか」
「ザーグは元々は騎士だった.....だけど氣志團に嫌気がさしてやめた、その後すぐにワシに接触して弟子として迎え入れた紹介はそれだけでいいだろう?」
「はい.....いや、一つ質問を...リールってなんですか?」
「リールは同盟軍...解明しようかもう軍隊と呼べるほど人もいない、まぁいいかリールは騎士で言うところの卿の階級とでも言おうか」
「へぇ」
「スギスガ卿、お迎えにあがりましたお乗りください」
馬車に乗る。
少し経つと目的地の場所。
そこには豪邸が建っていた。
「すごい...」
俺は驚く。
「中に入って作戦を考えよう戦いに備えるぞ」
中に入り荷物を置き並べられた椅子に座る。
すると女性がお茶を持って来てくれた。
(メイドか?)
「メイドなんて雇ってるなんてすごいですね」
「彼女はメイドではない私と同じ元騎士で現役の戦士だよ」
「そうよ!」
いきなりでかい声がしたのでびっくりする。
「わたしの名前はアイナ・パリス。メイドなんてそんなチンケなものじゃないわ!!!」
「はぁ.....作戦を考えよう」
ザーグさんがすぐに言う。
「ところでシエル君、ドラゴンは乗れるかい?」
「いえ乗れません」
「困ったのぉ」
スギスガ卿が言う。
「では乗れるようにしようついて来い」
庭に連れられる。
「小屋に入ろう」
小屋と言うにはでかすぎる建物に入ると。
ドラゴンが5匹いた。
「よしまずは手懐けることからしようかドラゴンの頭を撫でてみて」
「こうですか?」
頭に触れて撫でる。
ドラゴンが気持ちよさそうな声を出す。
「よし乗ってみろ」
古屋から連れ出し背中に乗る。
ドラゴンが空へと羽ばたく。
「すごい!高い!うおっ!」
興奮が抑えきれないっ...凄すぎる...!
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木の剣で対人戦の訓練をしている。
「どわっふ!」
ルーデリアが地面に倒れる。
「弱いわよ」
「貴女が強すぎるだけよ」
「そうなの?」
ルーデリアが起き上がり剣を構える。
「たぁぁ!」
向かってくる斬撃を防ぐ。
ルーデリアのお腹に手を当てて風魔法で軽く吹き飛ばす。
「きゃっ!」
尻餅をついたルーデリアに手を貸し立ち上がらせた時。
「エルデラ二等兵とルーデリア一等兵、上層部の方が話したいと言っております」
「わかったわ行きましょう」
後ろについていく。
建物に入り階段を上がっていく。
「ねぇ貴女はどうしてそんなに美しいの?」
「え?」
わたしは聞き返す。
「なんでもないわよ...」
扉が開かれて入り部屋の中央に立つ。
わたし達を囲むように並べられた椅子には上層部のメンバーが座っている。
「エルデラ、君は襲撃者を倒したらしいのぉ」
「は、はい!」
「襲撃者の特徴は?」
「黒いローブを羽織っていて...」
「まさか...とは思ったが...そうであったか」
「え?」
「ルーデリア、君の親を殺害したのは黒いローブを羽織っていたね?」
「はい...」
ルーデリア、親が他界していたのかそんな話聞かなかったけど...
「記録上100年前に騎士団に滅ぼされたアラネアで間違い無いですね」
「うむ、よし戻っていいぞ」
「はい...」
部屋から出る。
「ルーデリア...親を亡くしていたの?」
「えぇそうよわたしを庇って死んだわ、殺されそうになったところに騎士団が来てわたしだけ助かったのよ」
警報音が聞こえると同時に爆発音が聞こえて来た。
何ごとかと思いしたの階に下りると。
「爆薬保管庫が破壊されたぞ!!」
「周辺にいた奴は助からないな」
「おい!上を見てみろ!!」
外に出て空を見るとドラゴンが4匹。
ドラゴンの口から火球が飛び民家が燃やされた。
すぐに大砲の弾が飛んできたが全て避けられている。
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大砲の弾が飛んできて即座に躱す。
下を見ると崩壊した民家で瓦礫に埋もれた人。
騎士団が下におりその中に見覚えのある銀髪の女の子がいた。
するとザーグさんが剣を高らかに突き立て宣言した。
「我々は今!貴様ら腐った国を変えるため100年間ずっと兵士を集め計画を練っていたさぁ兵士達よ戦え!!!」
見張り兵士を銃殺していく兵士達。
秘密裏に大量生産していたロボット兵が今こうして命を奪っている。
俺達はドラゴンから飛び降り着地する。
ロボット兵を先頭に進む。
騎士達が雄叫びを上げて走ってきた。
『撃て撃て!撃て撃て!』
騎士達の悲鳴。
しかしロボット兵が斬り裂かれている。
強いな騎士団。
感心してしまった。
宙を舞う女騎士。
まさか...あの...
剣で攻撃を防ぐ。
銀髪の女の子だった。