7・6話 成長と苦悩Ⅲ.
次話は明日の正午更新予定です。
シャロンと会話をした。
主な内容は、
何故、俺が神童と呼ばれれているのか。
単純に歳のわりに、勉強ができ、魔術を行使できていることが要因だった。もう少し、自重するべきだと後悔した。
何故、シャロンが俺と話をしたかったのか。
さっきの話と共通して、俺が神童と呼ばれているため、興味を持ったとのこと。
実際、シャロンは俺を質問攻めした。
「何をして、魔術をそれほど行使できるのか」
「何故、それほど頭が良いのか」
「日常生活はどんな感じか」
といったものだ。
俺は言い渋ることはせず、生まれてから行っている日課を教えた。
シャロンはとても驚いていた。
しかし、俺にとっては、シャロンの方こそ神童なのではと思った。俺は全属性に適性があるが、シャロンは水・風属性に適性があり、俺と同い年ながら、氷属性の魔術を行使できるようだ。ーー単一属性魔術より、2属性魔術、3属性魔術の方が、魔術式の構築や発動までの工程が数段階、難しい。ーー
そして、ピアース伯爵家は代々魔法剣士として、有名である。シャロンも剣術の稽古が始まったと言っていた。
会話の終盤では、ピアース伯爵がやってきて、話をした。噂に違えず、温厚そうで、将としても有能そうだ。
パーティーはピアース伯爵との会話で終わった。
領地に帰る馬車内では、父はだいぶ満足したようだ。
母と俺はそれを気にせず、世間話をした。
ーー領地に戻った次の日ーー
この日は、暑くも寒くもない快晴の天気だったため、午前中からシュバルツと戦闘訓練を始めた。
先週の反省会で出た、武術を習おうと思う。
「シュバルツ、武術の稽古は何をするの?」
「そうですな、武術といっても、様々なものがあります故、まず基本の体術、剣術、槍術、弓術、馬術、拳闘術、所謂徒手空拳ですな。この基本武術を稽古するべきでしょう。」
「了解。武術についてはシュバルツに任せるよ。」
「はい。承りました。」
こうして初日の武術訓練が始まった。
一方、魔術では、シャロンが氷属性魔術を行使できるのを加味して、複合魔術に挑戦してみようと思う。
しかし、成功はしなかった。やはり、2属性でも、魔法式の構築が難しい。
新たに魔術の本を探す必要があるようだ。幸い、シャルフィード家は魔術の名門で有名だったらしく、魔術の本がたくさんあった。未だ半分しか読めていない。
良い本と巡り会えぬまま一年半が経った。
ーーアベル7歳時ーー
ついに、探し求めていた本が見つかった。
”魔術とは?“
この本は今まで読んだ本で、1番有意義と感じた。魔法式構築のコツや発動時、どこに意識を向けるべきかがわかりやすく説明されていた。
この本は珍しく、秘密主義のエルフが著者であった。ーーこの世界には、人でだけではなく、エルフなどの亜人も住んでいる。ーー著者はルーというらしい。
この本がきっかけで、雷と無系統魔術を組み合わせた、改良版・身体強化魔術を行使できた。この魔術自体はシュバルツに教えてもらった。
時々思うが、このシュヴァルツは本当に没落伯爵家の執事なのだろうか。戦闘訓練でも、未だ勝てる見込みがない。
さらに、武術の稽古は的確であり、達人の武道家だったのでは?とさえ考えてしまった。
しかし、あながち間違ってもない気がする。
次話 稽古と障壁Ⅰ
シュヴァルツとの訓練を続けます。
しかし、成長するにつれて………………
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