6・5話 成長と苦悩II.
ヒロイン登場回です。
次話もヒロインとの話を続けます。(少し)
パーティーに参加すると、所謂貴族の子供のお披露目会であった。
予想に違えず、父は俺を連れ回して、自慢をしているようだ。
何故、俺がこんなことを感じているのか?
それは、パーティー自体が面白くなく、それより、シュバルツとの話について考えことの方がが有意義だと感じたためである。
『武術を扱えば、戦闘の幅が広がる』そう考えると、想像が膨らむ。
しかし、前世では、ただの高校生で、しかも、運動部に所属していなかったし、まして、武術、剣道、薙刀、柔道や空手を思い出すが、すべてスポーツの形になってしまっている。想像がつかないが、後3日すれば、シュバルツから稽古をつけてもらえるだろう。
そうこうしていると周りがざわつき始めた。
思考をそちらに回してみると、新たな貴族が入場したようだ。
位が高いか、有名な貴族家なのだろう。
「これはピアース伯爵様遠いところ参加してくださり、誠にありがとうございます。」
と聞こえてきた。パーティーを主催した貴族家の執事だろうか
「いや、少し時間に遅れてしまったようだね、すまない」
「いえいえ、滅相もございません」
「………」「………」
話を聞いてみると、
今の人は、ピアース伯爵が入場したようだ。
ピアース伯爵家はシャルフィード伯爵家よりも広大な領地を経営し、さらに、同貴族位の中でも発言力が大きいと聞く。また、ピアース伯爵の為人は良いと聞く。
ーー大物の登場により、大人による、子供のお披露目が本格化してきた。ーー
父が俺を連れて、自慢をする。もとい、貴族同士で話し合っているわけであるが……この機会が、後に、婚約の話に繋がることは、この国では多くあるそうだ。ーーウィドア王国に関することや物語(主に童話)を読んで知った。ーー
このようなことが4、5回続いたのだろうか。俺にとっては、あまり関係がないことなので、話半分で聞いていた。
このパーティーは立食形式をとっていたが、しっかりと座ることができるソファが設置されていた。
俺は聞き飽きたのと、喉が渇いたため、葡萄のジュースをもらい、ソファで寛ぐことにした。
その後、俺がソファで寛いで(休んで)、すぐに、銀髪にライトブルー入ったサラサラのロングヘアーに空色の透き通った目を持つ、美しい少女が話しかけてきた。
「すみません、座ってもいいですか」
「どうぞ、…お気になさらず………すみませんが、……あなたのお名前は」
ーー前世と現世を合わせると精神年齢は23歳と社会人のレベルに達している。また、前世では、自分の勉強・趣味に時間を費やしていたため、色恋沙汰には全く無関心だった。誤解を招くのが嫌なので補足すると、小説や心理学上では恋とはどのようなものか知識ではわかっていた。ーー
年甲斐にもなく、しどろもどろになってしまった。
これが所謂、“初恋”なのだろう
「これはすみません。私は、シャロン・ピアースと申します。」
と言い、彼女は貴族の礼をとった。
彼女の醸し出す雰囲気が、どことなく母に似ている気がする。そして、彼女の動作には、気品があり、美しかった。
「ピアース伯爵の御息女でしたか。私は、アベル・シャルフィードと言います。」
「なるほど、あなたが、シャルフィードの神童でしたか。私はこのパーティーであなたと話してみたかったのです。」
と目を輝かせた。
「え!……………今なんと?」
彼女の誘いは嬉しいものの、今言われたことが信じられなかった。
「はい、あなたと話してみたかったと……」
首を傾げながらいう姿は、とても可愛いらしかった。ーーいやそんなことよりもーー
「それの少し前の方です」
と少し、突っかかりながら、言ってしまった。
次話 成長と苦悩Ⅲ
トレーニングを再開します。
そして運命的な出会いをします。
面白い 続きが読みたいとういう
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