2・1話 目覚めⅠ.
続きです。今日か明日には、次話を投稿します。
目を開けると、想像と違った天井だった。
それに薬品の匂いではなく、木の温もりが感じられる匂いがした。
そして、全身に上手く力が入らない。
目覚める場所は病院だと思っていため、動揺して、階段を踏み外して転げ落ちた際頭を強打して頭がイカれてしまったのでは⁉︎
と考えてしまった。
しかし、改めて、考えと見ると、こんなことを考えることができる思考力が残っているため、頭は正常ではないかと結論づけた。
そう考えていると、部屋の外から40代頃の男女の声とダンディな低くて、聞きやすい声がしたーー50代後半の男だろうかーー。閑話休題。
そして、声の主であろう40代頃の男が部屋に入るなり、
「アベル、アベル、アベル………お前には魔術の全属性に適性がある。…………………お前がシャルフィード伯爵家を再興させるのだ。今から…………………………お前は………………………ことで…………………………‥…私は……………………できるのだ!」
と言った。
最後の方は支離滅裂で聞き取ることができなかったが、俺には魔術?の才があるようだ。全くもって意味がわからない………
そう考えていると、件の男が俺に近づいて来た。
そして、俺を抱きしめようとするではないか!
『気持ち悪い!やめろ!』と言いたかったが、喋ることができず、心の中だけで叫ぶことになった。
いや、違ったらしい。
男は俺を抱きしめるのではなく、横抱きに持ち上げた。
これには、流石に驚いた、俺は高校生であって、赤ちゃんではないのだ。
しかし、実際には、横抱きにされたことで、自らの身体をはっきりと確認することができて、遺憾ながら、『異世界に転生してしまったらしい。』
ということを認めざるを得ない。
結局、あの事故によって、やはり俺は死んでしまったらしい。
『はぁ………………』
『しかし、良く考えると、俺は全属性の魔術に適性があるようで、この世界で、魔術を使えることは意外と面白いのではないか⁉︎』
と楽観的に考えることができた。
そうこうしていると、俺は、元いた位置に戻されて、考え疲れたのか、深い眠りに入ってしまった。
この日から、ベットでの生活が始まった。
やはり、俺の身体は赤ちゃんのままであり、自らの意思で動くことも話すこともできない。
しかし、頭の方は、前世の記憶や思考力がそのまま引き継がれた形であったため、親や執事の会話を聞いて知識を蓄え始めた。
次話 目覚めII.
アベルは前世の読書家や努力が災いして、(?)この世界の常識や魔術の理論を勉強します。
設定が多いので、読みにくかったら言ってください。
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