君の隣で、、、
君が泣いていた。
部屋から出ず、学校にも行かず。
ただ1人で泣いていた。
僕は君の隣で寄り添うことしかできなかった。
君は僕の光だった。
いつも明るくて、寂しい時や悔しい時、苦しい時は君がそばにいてくれた。君がいればどんな痛みも治った気がした。そのくらい、君は僕の光だった。
君はふと立ち上がった。
久々に立ち上がった。ずっと布団の中にいたのに。
君は部屋から出た。
一歩も出なかったのに君は部屋から出た。
嬉しかった。君に宿っていた魂が、少しずつ戻ってきているようだった。
君は君のお母さんとお話をしていた。
君は泣いていた。君のお母さんも泣いていた。
なんでだろう。君の家族はとても明るくて仲のいい家族だったのに。なんでこんなに重い空気なんだろう。
しばらくすると、君は部屋に戻った。
そしてまた、布団に潜った。
そんなに布団の中にいたらナマケモノになっちゃうよ。
君は布団の中でも泣いていた。
ある日の朝、珍しく君が早く起きた。
そして、制服に着替え始めた。
そっか。ようやく行くんだ、学校に。
行ってきますって、久々に聞いた明るい声だった。
それから月日が流れた。君はもう大人になった。
立派な1人の女性に。
友達もだいぶ増えたようだ。君の明るい顔を見る回数がどんどん増えて、悲しい顔を見る回数がどんどん減っていった。嬉しかった。
君の隣にいたかった。ずっと、ずっと。
でも君はどんどん大人になっていく。君と過ごした時間が遠のいていく。
どうやら願いは叶ったようだ。僕のことなんか忘れて欲しいって。君の人生を歩んで欲しいって。
もう心残りは、、、ない。
きっと、、、ない。
行かなきゃ。もう終わったんだから。
生まれ変わってもう一度、君の隣で、、、
初投稿です。少しお試しで話を書こうと思い、ポエムのような話を書きました。
大好きな人の隣にいたい。それは誰しもが思うことですよね。
この話の解釈はみなさんの自由です。