第1章4来たぞ異世界‼
俺はドスンという衝撃で目を覚ました。どうやらどこかについたらしい「いってぇ」
俺はお尻をさすりながら体を起こし、辺りを見渡すが、
「どこだ……ここ」
周囲には見覚えのない森が広がっていた。辺りには雑巾を絞ったような木が生えている。一本なら変わった木が生えていると思うだけで、何らおかしな事はないのだが、其処ら中にそういった木が生えているのだから不審に思わないはずが無い。
俺は嫌なものを感じつつ、辺りを探索してみることにした。
「それにしても、ここはどこなんだ?」
辺りを見回しても捻れた木があるだけで、動物がいそうな感じもない。
そう思った時、俺の目の前を妙な物が横切った。それは生物と言うには身体がなく、しかし、自然現象というには意思をもっているかのように自由自在に飛び回っている。それは風が自分の意思で動いているようにも見える。俺は捕まえようと恐る恐る手を伸ばしてみるが、ひょいと俺の手を避けて過ぎ去っていってしまう。
俺はそれの正体が気になったが、それよりも森を抜ける事の方が大事なのでそっちを優先し、探索を再開した。
暫く歩いていると、遠くの木と木の間からわずかに光が見えた。ここがもし、自分がいた世界と同じなのであれば、あの光は太陽の光だろう。もしかしたら森を抜けて家に帰る事ができるかもしれない。そう思った俺はその木に向かって全速力で走った。
捻れた木々が並ぶ森を全速力で駆け抜ける。さっきまで遠くに見えていた光りが段々近くなっていく。
捻れた木々が並ぶ森を全速力で駆け抜ける。一気に森を抜けると開けたところに出た。
どうやらこの森は崖の上にあるようで、森を抜けて少し進むとその先は崖になっている。遠くには町らしきものが見えるが人の姿までは見えない。しかし、明かりがあることから人が住んでいるのは間違いないだろう。更に向こうには黒い霧のようなものがかかっている場所がある。その隣は全体が海で覆われている。ここから見えるのはそれくらいで、後は延々と森が広がっている。
俺の知らない世界がそこに広がっていた。
この世界の名はウラノスィラ。魔法が常識となった世界。人々は日常的に魔法を使い生活している。魔法はこの世界に住む人々にとってなくてはならないもので、それを導くための魔導士も存在している。
この世界は7つの大陸に分れていて、それぞれの大陸で使われる魔法も異なる。
ウラノスィラではここ最近戦争が続いていた。始まりはリタース大陸が他の大陸を乗っ取ろうと侵攻し始めたのが発端だった。戦争を続ける内に、他の大陸の領土を取れると知った他の大陸が他の大陸を攻め始め、今では他の大陸同士でいがみ合う状態となっている。