1-7 VSオーガ達(1)
「・・・お前ら二人ともチートだろ。」
「「トウジ兄も大概だよ!!」」
僕とサキはトウジ兄に自分たちのユニークスキルの事と魔王になった経緯を話した。
「間違って魔王選択って、アラタお前ドジだろ」
「・・・否定できませんです。はい。」
実際ドジったし、よりにもよって魔王選択しちゃったし、今現在魔王のもとに連行されているのも
僕のドジのせいで・・・
「・・・マジですみません。」
「まぁ、落ち込むな。なるようになる。」
「そうだよ。過ぎたこと考えるよりこれからの事だよ。」
う、二人の慰めが心に染みる。
「三人ともとまれ。」
ザリアさんが静止をかける声が聞こえた。
「魔物だ。そこまで強くないが、3匹いるな」
そこまで強くないってことは、スライムとかそんなところかな?
てか、この森ではスライムしか見てないけど。
ていうか、気配察知らしきスキル持ってないのによくわかるな。
何でだろう。
「なんで、分かるんですか?」
お、サキが聞いてくれた。
グッジョブ!
「経験である程度ならわかる。もっとも気配察知スキルを持っている奴には劣るがな。」
経験で分かるってスゲーな。
てか、やっぱりあるんだ気配察知スキル。
「そこまで強くない魔物ではあるがどうする?アラタ様」
まぁ、ザリアさんがそこまで強くないって言ってるし、
早くレベルも上げたいし、戦ってみるか。
もし何かあればザリアさんがいるしね。
「分かった。こっちで対処してみる。
けどもしもの時は、助けてほしい。」
「心得た。」
さて、スライムが三体こっちも強くならなくちゃだし、僕も一体は一人で倒せる様にならないとな。
「来るぞ」
「トウジ兄、サキ三体いるみたいだから一人一体対応しよう。」
「うっし!いっちょやったるか!!」
「私も魔法試してみる。」
さて、初の一対一の戦闘だ。
まあ、うまくばらけてくれたら良いんだけどね。
ドシドシドシドシ
あれ?なんかスライムにしては、物騒な音が聞こえるぞ~。
おっかしいな~。
スライムの跳ねる音ってこんな音だったっけ~。
ドシドシドシドシドシドシ
着実に近づいてきている。
これホントにスライムだよね!
「あの、ザリアさん?これってスライムですよね?」
僕は、さび付いたロボットのような
ギッ、ギッ、ギッ
という感じで、振り向きながらザリアさんに確認した。
「?スライムじゃないぞ?今来ているのは・・・」
ザリアさんが答える前に奴は姿を現した。
引き締まった筋肉。
全身青緑色をし、
手には金棒らしきものを持った。
頭に角がある大男が現れた。
「・・・オーガだが?」
ちょっとまてええええええええええ!!
オーガ!
何処が弱そう強くないだ。
滅茶苦茶強そうじゃないか!!
きっと今頃トウジ兄や、サキもビックリして固まっているはず・・・
「へぇ~、オーガか。倒しがいがありそうだ!!」
「オーガならいろいろ試せそう。」
この二人、本当に平和な地球育ちですか。とほほ。
ま、まあ一応ステータスも確認しておくか。
もしかしたら、格好だけで弱いかもしれないし。ハハハ
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オーガ
種族:オーガ
状態:正常
LV28
HP:500
スキル
剛腕
鉄壁
棍棒術
装備
木の棍棒
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グリーンスライムみたいにグリーンオーガとかじゃないんだね。
ただのオーガってたぶんオーガ種の中でも最下位なんだようね。
うん。強いね。
スライムの10倍のHPだし、レベルも28あるし、怖い顔してるし・・・
「「「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」」
「かてるきしねー。」
いや、最初はスライムとか少し強いゴブリンとかでコツコツ経験値貯めていくもんじゃないの?
これ、中ボスじゃね?
「よっしゃ!左の奴は俺がやる!」
「じゃあ、私は右の奴」
ハッハッハ!
ミンナヤルキマンマンダー。
トウジ兄は先手必勝ってな感じで、左の奴に呼び込んでいった。
サキも右の奴に水の球を飛ばして気を引いている。
オーガが分かれる。
己が獲物に向かって。
左のオーガが、トウジ兄と対峙する。
右のオーガがサキと対峙する。
じゃあ、必然的に真ん中の奴は、
「こっち来ますよね。わかります!!」
棍棒を掲げ、雄たけびを上げながら向かってくるオーガ。
恐いから来ないで!
マジで、そんな棍棒に当たったら死んじゃうって。
オーガが棍棒を振り降ろす。
「うお!」
俺は、横に跳ぶことで間一髪躱すことに成功する。
それを見た。オーガがさらに攻撃をしてくる。
右に払い、左に払い。
振り降ろし、振り上げる。
時には、回転をしての横払い。
俺はそれをすべて間一髪躱す。
ってか!此奴、他の二人より動き良いんですけど!
しかも、他の奴より緑が濃い感じもするし、大きい感じするし。
鑑定!
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ハイオーガ
種族:オーガ
状態:正常
LV34
HP:700
スキル
剛腕
鉄壁
棍棒術
近接格闘
身体強化(小)
武器
木の棍棒
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まてまてまてまて!
ハイオーガ!
オーガより強い奴じゃないか!!
「ごふ!」
つい、ステータスに気を取られていたため、
相手の棍棒に当たり吹き飛ばされる。
「アラタ兄!」
「アラタ!」
ハイオーガがゆっくり近づいてくる。
醜悪な笑みを浮かべながら。
まるで、獲物をいたぶるのが楽しいかのように。
・・・上等じゃねーか。