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二、
程なく一際大きな榊の袂で、これを見上げるように女は佇んでいた。
そこに、闇に溶け込む大きな黒が羽をはためかせ現れた。
この糺の森、加茂御祖神社の神使である八咫烏が三又に分かれる足で枝にとまり、女を見下ろしていた。
女はただ静かに焼き切れた矢を差し出した。
事の顛末を悟るかのように黒はその矢を受け取り、そして再び闇に解けて消えた。
そして、女はこの森を去った――
程なく一際大きな榊の袂で、これを見上げるように女は佇んでいた。
そこに、闇に溶け込む大きな黒が羽をはためかせ現れた。
この糺の森、加茂御祖神社の神使である八咫烏が三又に分かれる足で枝にとまり、女を見下ろしていた。
女はただ静かに焼き切れた矢を差し出した。
事の顛末を悟るかのように黒はその矢を受け取り、そして再び闇に解けて消えた。
そして、女はこの森を去った――
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