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異世界オブ・ジ・エンド  作者: 神谷 秀一
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ゾンビ72

 それは鉄塊だった。どこまでも無骨で異様だけを放っていた。

 武器としての洗練さは無く、ただただ、人殺しのための武器としての存在感だけがある。

 長さだけでいうなら二メートル。一メートルの柄の先にあるのは槍にも似た一メートルの穂先。しかし、それを槍と呼ぶわけに行かないのには理由がある。

 確かに先端は尖っている。しかし、槍の穂先と呼ぶほど尖っているわけではなく、円柱状の穂先はあまりにも太かった。そして、その円柱はランスのような凹凸の無い表面ではない。むしろ、無秩序な凹凸が刻まれたランスの出来損ないのようなものだった。


『なんだこれ?』


 これは俺の素直な感想。ランスの出来損ないというか、明らかに武器以下だろ?

 まあ、俺としては武器の心得が無いので何でも良かったのだけれど、これは明らかに酷くないかと思う。


『むしろ、経験が無いからこそ、こんな鈍器でよかったのじゃないかしら?』


 使う側の身になってみろと言いたいが、声は出せないので軽く振るってみる。

 って、右手だけで振るえば、鈍器の重量に体が泳ぐ。

 うん、使いこなせる気がしない。


『片手でなんか振るうからよ』


 もっともな意見に納得。

 改めて立ち直し、槍もどきを両手で握る。


『右手を柄の先ギリギリまで握って、左手はその半ばに添える感じで握って頂戴』


 まるで竹刀の握り方だな。


『おおむね間違っていないわ。槍術だって利き手で刃側を持つし』


 つまり、振り下ろすための力じゃなくってコントロールするために利き腕を使うってことか。まあ、これは武道やっているとなんとなくわかる理屈だ。いや、俺にそんな記憶はないから知識か、記憶に無い記憶みたいなものか。


 なんにせよ。

 手の中にあった鉄塊を振るう。


 轟音。




 ドン引きでした。

 アールさんが馬車から良くわからない鉄の塊みたいなものを取り出して振り回していました。

 それだけだったら良かったのですが、彼はそれを地面に対して振り下ろしました。


 轟音。


 それだけならどれだけ良かったのでしょう? 弾け散った土は私のすぐ横の樹木に突き刺さり、樹皮すらも引き裂いています。

 ええ、私を掠めるようにしてですよ? 私、あれがかすっていたら同じようになっていたんですけど?

 同時に、向ける視線の先の大地は、抉れていました。しかも、クレーター上にへこんで。

 

 なんですか?

 なんですかあれ?!

 明らかにおかしいでしょ?

 人間じゃないにしても逸脱しすぎです! まだ、クマさんのほうが真っ当です。

 ましてや、あのメイスもどきをまた振るって………あ、穂先が折れて飛んでった。

 まあ、そうなりますよね。

 だって、アールさんの力おかしいし、武器側がもつわけありませんよね。


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