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異世界オブ・ジ・エンド  作者: 神谷 秀一
63/75

ゾンビ63

超短いです

 森の熊さんは思った。まあ、正確に言うならブラックベアーだが。


『この人マジ天使』


 意訳なのか現実なのかはわからないが、森の熊さんは歓喜していた。

 わけのわからない人間もどきに敗れて肉になるか食われるかの恐怖に怯え、移動した先では痛みに震えながら肉になるか馬になるかという意味のわからない選択肢を突きつけられたのだ。

 本当に意味がわからなかった。でも、肉になるというのは己が獲物に対して行ってきた行為であり、現状の結果である。

 しかし、それが己の身に降りかかるとは思っていなかったのもまた事実。そうなった現実に絶望したのもまた事実。

 だが、下手に動けば殺される。

 絶望の続きの諦観でうずくまっていれば、目の前で目を覚ました黒い姿の人間が、森の熊さんを視界に収めて仰け反った。

 それは当たり前のことだ。野生の獣と向き合って平然とできるのは、あの顔色の悪い人間以上か未満な何かだけである。

 森の熊さんは思う。

 黒い衣装をまとった小柄な人間は化け物と話していた。

 話した上で己に視線を向けてきた。

 何があった?

 そう思った直後、己の身体に熱が生まれたことに森の熊さんは混乱する。

 けれど、その熱は痛みを覚えていた体内や、失われた左目を覆った上で痛みを無くしていく。

 失われた視界は戻らない。しかし、身体の訴えていた痛みを無くして熱を帯びていくのだ。そして、その熱はゆっくりと、穏やかに消えていく。

 森の熊さんは思う。


『この人マジ天使』


 森の王者が屈した瞬間だった。


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