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異世界オブ・ジ・エンド  作者: 神谷 秀一
24/75

ゾンビ24

 まずは見つけよう。

 え? がーぐーでしょ?

 見つけた上で殺すよ。

 だって、あいつは許せないことをしたからね。

 そして、俺は探します。


 見つけました。

 行間はシンプルだけど色々ありながらも見つけたよ。

 そして、


 殺すよ。


 中央通を歩いていたその存在を認識した瞬間、俺の足元が弾け飛んだ。

 

『いたぞ』


 がーぐーだ。

 そして、俺は加速する。


 俺はゾンビだ。それ以上でも以下でもない。

 異世界というものに召喚されたが人間の感情の上下幅と行動の結果は、


 空気が震えた!


 結果も、感情も、全てを置き去りにして世界を歪めるような音が鳴ったよ!

 吹き飛んでいくがーぐーの死体。だけど、そのままで済ませるわけがねぇだろうが!


 踏みしめた石畳がまた砕ける。

 だけど、そんなことはどうでもいい。それだけの威力を生んで俺は飛び出す。

 顔に空気の壁が当たった。

 そう思うほどの速度だった。

 一から瞬まで加速する。


 俺の腕は消し飛んでいる。

 空気が震えるほどの一撃はがーぐーを吹っ飛ばした代償として、肩の根元から無くなっていた。

 あん? だからどうしたよ?!

 腕が無くなったからあいつを許すのか? そうじゃねぇだろうが!


 複数のゾンビを薙ぎ倒しながら起き上がるがーぐーの姿が見える。そして、ゆっくりと起き上がりながら、俺に向ける視線は、


『なんで、そんなに怒っている・・・』


 殴り飛ばした。

 背後の壁に激突させた。良く見ればそれは街を覆う外壁だった。

 まあ、今更そんなことどうでもいい。

『再生した』右腕でがーぐーの頭部を掴んで囁いてやる。


「あーうー」


 まったく伝わらないね。

 だから、行動で示してやるよ。

 この王国の外周がどれだけは知らないけど、今、俺が押し付けているお前の頭部がどれだけ持つんだろうな?

 何が持つかって?

 摩擦です。

 擦り切れてください。


 がーぐーの頭部を掴んだ俺は、彼の頭部を壁に押し付けたまま走り出します。


『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 声にならない悲鳴が上がるけど気にしない。

 というかさ、もっと苦しめよ。

 テメェはアサガオを殺したんだぞ? なに普通に生き延びようとしてんの?

 抵抗するように手を伸ばしてんじゃねぇよ。

 当然叩き落して腕も壁に押し付ける。


 やすりとまではいかないけど石造りの壁は肉をそぎ落とすには容易らしい。壁に血と肉のラインを引きながら俺は走り続ける。

 そして、肉の抵抗がなくなったとき、俺はそれを手放した。


 頭部が無くなっていた。

 そして、俺の右手首が無くなっていた。

 まあ、がーぐーの頭部がなくなったことに気付かず走り続けた結果だろう。

 なんにせよ、がーぐーは死んだ。

 いや、元々死んでいたんだけど、動かなくなった。

 だからといって、俺の抱いている感情がなくなるわけじゃない。


 テメェなんかが死んだから・・・いなくなったからってアサガオが生き返るわけじゃねぇんだよ!


 外壁に叩きつけた右腕がまたもや消し飛んだ。そして、砕けた外壁の向こうが見えた。これはやばい。

 というか上からレンガは落ちてこないのか。積み上げてるだけじゃなくてちゃんと溶接? もしくは何かで補強してるのか。なんにせよ無事じゃないけどそれで良かった。

 うん、シリアス成分なくなったね。


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