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異世界オブ・ジ・エンド  作者: 神谷 秀一
20/75

ゾンビ20

 アサガオの魔法は水を生む魔法と攻撃魔法らしい。ちなみに攻撃魔法はわかりやすいファイヤーボールとのことだった。だけど見てはいない。水魔法はともかくとして室内で炎なんて放ったら洒落にならないからな。

 あ? 俺に魔法? 夢のまた夢ですね。

 使い方の概念教えてもらったけど、まったく無理でした。先生であるアサガオが感覚的なことしか言えない事もあったけど、自分には不可能だってことを自覚した。

「うーんって、身体の奥から何かを取り出す感覚」

 わかるか!

 でも、彼女はそうやって指先から水を生んだけど、俺にはまったくそれができない。

 これは才能の差なのか無差別に勇者召喚された弊害なのかはわからない。

 なんにせよ俺には不可能ということがわかった。

「アール、ここから出て行くの?」

 その質問には頷いておく。

 なぜなら、俺はともかく、アサガオはいつまでもここにはいられない。理由はいくつかあるけど食糧事情がそうだ。

 乾物屋倉庫から何かしら手に入れることは可能だけどそれは無限じゃない。

 そして、無限だったとしても生鮮食品がないと栄養が不足してしまう。結果、行き着く先は死だ。

 とはいえ、外に出るためには準備が必要だ。その準備をするのは俺なんだけど、女性用品はアサガオに聞かないといけない。そして、それを聞けば、

「布が欲しいわ。今は大丈夫だけど生理が来ると困るし」

 生々しいことを言われました。でも、必要なんだろうな。

 出発はともかくまずはそれをゲットが最優先か。

 という理由で外に出ます。


「あーうー」


 久しぶりのあーうーです。

 とはいえ目抜き通りの商店街。ゾンビウォークをしながら布屋さんを探します。まあ、最悪衣服の生地をナイフで切ればいいので、そこまで探すことはない。

 でも、


「がーぐー」


 またいやがった。

 今の俺はこの世界の衣服に着替えているけど、あいつはそのままだった。

 いや、そのままだけど汚れていた。

 ワイシャツは血と骸で汚れきっているし、スラックスは半ば破けていた。

 わかりやすく言うとゾンビそのものだ。だけど、行動は以前と変らぬ俺様街道まっしぐら。

 近寄るゾンビを薙ぎ倒して、寝転がる死体を踏み潰している。


 うん、向かい合ったら面倒だ。

 俺はゾンビウォークをしながら路地に外れていく。

 だって、無用な戦闘したくないしね。

 後方から打撃音が聞こえました。でも、知りません。俺は暴力嫌いだからね。

 でも、少しは考慮すべきだった。

 あのゾンビが向かう先はどこだったのかと。



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