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撮影

桜花大学付属高等部 新館



昨日の実力テストの結果が、既に廊下に張り出されています



浦鏡は、特に気にもせず




4階の1年4組の教室に向かいます




ホームルームを行うべき、1年4組のドアを開ける佐藤舞教諭



今日は大きなバッグを持っています



「席についているわね、みなさん」



教壇に立つ佐藤教諭




「皆さん、昨日の実力テストはお疲れ様でした



 皆さんご存知の通り、クラス平均点でトップになりました




 おめでとう、みんな拍手」




佐藤教諭は笑顔で、クラスを見ます



(さすがに、クラス委員のカレンさんを



 特別に誉めるのは、止めておきましょう



 特別扱いしてしまい、何か問題でも起きたら大変ですから)





「では、皆さんにはご褒美です



 私が加藤教頭から頂いている、野菜ジュースを配りますね



 今飲まないでね、休憩やお昼に飲んでね」




佐藤教諭は鞄から、野菜ジュースを取り出し



配ります




(加藤教頭から、毎日沢山貰っていて



 正解でした、



 折角テストで、良い点を取ったに



 何も無いなんて、悲しいですからね)




「では最後に、連絡事項を伝えますね



 正式には、昨日からですが



 一年生の



 部活動と委員会の、入部と活動が認めらます



 見学などは、掲示板や校内テレビCMで確認してくださいね



 皆さん、今日も元気に過ごしましょう



 以上です」




佐藤教諭は、教室から出ていきます




桜カレンは、静かに喜びを感じています



(流石私、もともとクラスみんなの学力が



 高いから、モチベーションを上げれば



 予想出来た結果だけど


 

 実際に実行した私は偉いです、実行力がある桜カレン



 口だけじゃない、桜カレン)




石田治は桜カレンに話しかけてみます




「いや~凄いね我がクラスは



 桜ちゃん」




「何、当然の事を言ってるの



 私が、クラスに居るんだから



 当然じゃないの」




石田治は、苦笑いを浮かべます



(自信家だな、クラス委員桜カレン)






桜花大学付属高等部 新館図書館



浦鏡と有沢理子は、倉庫で



昨日、佐藤教諭が寄贈した本を整理し



パソコンに登録しています




ドアを、ノックして文芸部部長南野桜乃が入室します



「お疲れ様、二人とも」



「お疲れです」



有沢理子はパソコンの入力していた手を止めます




本をジャンル別に分けていた



浦鏡は椅子に腰をおろします



「桜乃部長、お疲れ様です」






文芸部部長、南野桜乃は



冊子を、二人の部員に渡します




「以前二人に、短編恋愛小説三部作



 を制作すると言ったでしょ



 小説の宣伝と、文芸部の宣伝を兼ねて



 校内放送でCMを流す事にします



 今二人に、渡した冊子が



 CMの台本です



 内容は短編恋愛小説三部作



 の特別編です



 これを浦君と理子ちゃんに演じてもらいます



 それを流します



 これで完璧ね」




有沢理子は挙手をします



「理子ちゃん、なにかな?」




「私が、出演するのは決まりですか?」




「突然で御免なさいね、慣れれば大丈夫だから理子ちゃん」




浦鏡は冊子を読み込んでいます




「あの桜乃部長、部長が脚本を書いたんですね」




「そうそう、なかなかの物でしょう




 早速、放送室でカメラ撮影します




 二人とも、セリフ覚えてね



 では、移動しましょう」



南野桜乃と有沢理子が、先に部屋を出ていきます




(行動早いな、二人とも



 しかし、地味な僕が出ていいのだろうか?)


 





放送部の部室へ向かう三人がいます




文芸部部長南野桜乃は、二人を見ながら




熱心に話します

 




「では、移動しながら話すね




 二人の演技には、ほどほどに期待してるね




 一つだけ言えることは、とにかく大げさに演技してね




 よいのかなって位に、大げさに演技してね



 例えば、ミュージカルの舞台俳優みたいな感じかな」




 少し思考していた、有沢理子が挙手します




「理子ちゃん、何かな?」




「桜乃部長、浦君はともかく



 私は、ちょっと恥ずかしいです」




「理子さん、それは酷いな



 僕にも羞恥心は有るんですよ」




南野桜乃は二人を見ます




「二人とも、この活動は文芸部に必要な事なんだよ



 どんなに、素晴らしい作品を書いても



 誰も見てくれないんじゃ、寂しいでしょ



 だから、校内放送でこの短編小説を宣伝するのよ



 特別編の、ミニドラマを流して



 まずは関心を、持ってもらうんですよ」




三人が、放送部の部室に入ります




南野桜乃はカ早速カメラを操作します





「では、二人はカメラの前に移動



 浦君は下駄を履いてね、これで身長5センチアップ




 そして一番重要な事を話します、浦君は正面を見てはいけません



 基本斜め45度よ、その角度ならイケメンに見えなくもないから




 理子ちゃん、浦君の髪にジェル塗って



 無造作にまとめてちょうだい



 ネクタイも緩めて



 はい二人ともスタート」




浦鏡は下駄を履きます



有沢理子は、浦鏡のネクタイを緩めます



ジェルを手に取り、浦鏡の髪を鷲掴みにします



後は適当に後に流します


(浦君、面白い顔してるし



 多少見れる髪型になったかな)




南野桜乃は、カメラを覗きます



「理子ちゃん、良いよ



 イケメンに見えるかな



 時間無いから、早速シーン1」





南野桜乃が、手で合図します




「理子さん、タオルどうぞ」




有沢理子はタオルで手を拭きます




「桜乃部長、何時でも良いですよ」




「じゃあ、スタート」







浦鏡に、有沢理子が声をかけます



「浦君、今日も図書館行くの?」



後を振りかえる浦鏡



「うん、桜乃さんの手伝いをしようと思ってね」



カメラを覗きこみながら、南野桜乃が浦鏡に声をかけます




「浦君、こっちこっち」




浦鏡は図書館へ立ち去ります




その後姿を、見つめる有沢理子





「カット、シーン2行くよ」




有沢理子は挙手します




「理子ちゃん、どうぞ」




「桜乃部長、これで視聴者は分るんですか



 物語が」




「大丈夫よ、ナレショーン入れるから




 ではスタート」






「理子、土曜日空いてるか?」



嬉しそうに、浦鏡を見つめる有沢理子




「大丈夫だよ」




「良かった、桜乃さん都合が悪いらしいんだ


 

 土曜日なんだけど、理子にこのチケットあげるよ



 誰かと行ってきなよ」





チケットを、有沢理子に渡そうとする浦鏡



俯く、有沢理子




「浦君、鈍感だね昔から



 桜乃さんがダメだから



 だからチケットを私に渡すの



 私は」





「理子どうしたんだよ?」




「私は浦君が」





有沢理子は浦鏡のお腹に




回し蹴りを放ちます



(テレビ用に、とにかく所作が綺麗に見えるように蹴ろう



 左足を軸にして、右から左に流れるように)




蹴りを、まともに受ける浦鏡




(理子さんの目が怖い、避けたいな



 でも僕は、素人だから避けたらかえって不自然に見えて


 

 またもう一回、撮影とかだったら嫌だからな



 うお、理子さん蹴りが鋭いよ、重い蹴りですよ



 痣が残らなければ良いな) 





立ち去る有沢理子




「カット、シーン3」




浦鏡は倒れ込みます



(上手く、撮影出来たみたいだな)




「休憩を要求します、マジで痛いです



 理子さん、恨みでも有るんですか?」




「桜乃部長、可愛そうですから



 少しだけ休憩をあげましょうよ」




南野桜乃はカメラを止めます




「そうですね5分休憩、浦君は回復に努めなさい




 理子ちゃん、ナイス蹴りだったわよ」



 (さすがに。もう一回蹴るのは



  浦君が可愛そうですから)




「そうですか、此処は一番の見せ場ですから



 気合い入れました」





(よし一回で成功したぞ、この撮影は仕方がないと考えよう、





 理不尽だがしょうがない、時間も無いし




 よし、立つぞ)





台本を確認している、有沢理子



カメラを覗きこむ南野桜乃




「浦君が、立ち上がったのでスタート」






有沢理子を、呼び止める浦鏡



「理子待って」




浦鏡の目を見ない、有沢理子




「なに」



「この前はゴメン」



「気にして無いよ」




有沢理子の肩を持ち



顔を近ずけ、目を見る浦鏡




「誤解なんだ、俺はずっと前から理子が




 大好きだ」




見つめ合う二人




「なんで?桜乃さんに}



「相談してんだよ、ずっとだから



 彼女とは何も無いんだ」




「じゃあ、土曜日に桜乃さんを誘ったのは」




「理子を誘うのが、照れくさくって



 つい相談して桜乃さんの名前えを出してしまって



 だから、」





「いいよ、今度の土曜日どっか連れていってね」




嬉しそうにする有沢理子




「カット、お疲れ」



倒れこむ二人




「私は、編集してくるから



 今日は解散



 二人とも楽しみにしてなさい



 明日のお昼には放送するからね」





放送部の部室を出て行く、文芸部部長南野桜乃





「浦君、これが放送せれるとかなり恥ずかしいです



 精神的にきついです




 どうしましょう?明日からどう過ごしましょうか」





「大丈夫ですよ、人の記憶は私達が思っている以上に



 曖昧に記憶するんですよ



 安心してください、私達が演技する時に




 明らかに目立っていた物が有ります




 この短編恋愛小説の冊子の表紙



 これは明らかに、目を引きます




 不自然に、常にカメラの正面に映るからです」


 


「そうかな?そういえば



 さっきのシーンは、今思うと凄い恥ずかしいセリフを





 言っちゃたかなと




 後悔をしています」





「文芸部の為です



 小説を沢山の人に読んでもらえますよ



 多分ですけど」






「そうですね、ところで私は桜乃部長に既に原稿を提出しましたが



 浦君はもう提出したのですか?」




「僕は、早速昨日桜乃部長にメールで送りました



 添削してくださるようです



 既に明日には、図書館正面のエントランスに



 今までの、文芸部の作品と新作である




 恋愛短編小説三部作も置いておくそうです」




「仕事が早いです、桜乃部長



 そういえば、浦君先ほどは



 失礼しました」




有沢理子は、浦鏡に頭を下げます




「いえ、気にしないでください



 さあ、桜乃部長のお言葉に甘えて



 さっさと帰りましょう」




有沢理子は、浦鏡のワイシャツをずらして




お腹を見ます  




「良かったです、負傷してなくて」




「そうですね、人間は意外に頑丈に出来てますね



 さあ、出ましょう」 




(良かった、跡が有ったら


 


 理子さんが心配してしまうからな)




二人が部室を出ていきました




後片付けは、南野桜乃が責任を持って行いました

お疲れ様でした、他にも作品を書こうと思います

気分転換の為にも

失礼いたします

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