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レラン桜花

1年4組に近ずく足音




足音をたてていたのは有沢理子です



ノックをしドアをガラっと開けます





「岡村さんにメールを貰いまして



 浦君の寝顔を見れると聞き、来ちゃいました」





有沢理子は浦鏡の



前の席に座ります、そして彼の髪を撫で続けます




「理子さん、もう良いですよ



 眠けは覚めましたから」




「あら、残念ですね



 もう少し浦君の寝顔を堪能したかったです」



有沢理子は、浦鏡の髪から手を離します




「理子さん、



 これから何処に行くんですか?」





「はい、浦君これから教師寮へ行き



 本の運搬をしてもらいます



 では行きますよ浦君」




浦鏡と有沢理子は教室から出ていきます




桜花大学付属高等部



新館教師寮




文芸部部長南野桜乃が、二人を手招きします




「二人とも御苦労さま



 本は全部台車の上に置いて有るから



 図書館まで運んでね



 整理はまた今度やりましょう



 私の仕事はここまでね、後は任せたわ」




南野桜乃は、二人の肩を叩き立ち去ります




有沢理子は南野桜乃に会釈をします




「浦君、重いから理子ちゃんをサポートしなさい」




「分りました、お疲れ様です」




有沢理子は部屋のプレートを指さします




「この部屋は、1年4組担任の佐藤先生の部屋ですね」




「そうですね、じゃあこの本は佐藤先生の本ですね



 それにしても本の数が多いですね」




有沢理子は台車を押しますが、進みません




「浦君も、一緒に押してください」




台車の本を読んでいた、浦鏡は慌てて台車を押すのを手伝います




「理子さん、重いですね」




「当たり前の事、言わないでください




 もっと力を入れて、押してください」





二人は台車を押してます



そしてエレベーターに台車を載せます




有沢理子は階段を指さします




「浦君、残念ですがスペースが足りないようです



 階段へどうぞ、まさか私が階段を下りる選択肢は



 もちろん有りませんよね」




 「もちろんですよ、理子さん



  階段へ行かせて頂きます」




浦鏡は走って、階段を下りていきます



エレベーターが、一階に着くと



浦鏡が、息を切らし立っています




「お出迎え有難う、浦君



 さあ、行きましょう」




有沢理子と浦鏡は、台車を押し図書館へ



向かいます




図書館へ着くと、倉庫へ本を置きます




「浦君、さあ行きましょう



終了ですよ、夕食を食べに行きますよ」




有沢理子は浦鏡の腕をとり



引っぱります




「分りました、理子さん」





浦鏡は疲れた体を、有沢理子に引かれ



歩いていきます





浦鏡は、レラン桜花の入り口の



ドアを開けます




「どうぞ、理子さん」



「有難う、浦くん」



 


レラン桜花のシェフ、前田夏子は二人の姿を見て



姿勢を正します




「いらっしゃいませ、お客さま



 お名前とメニューをお願いします」




「理子さん、お先にどうぞ」




「じゃあ、私から注文するね」



シェフの前田夏子に、視線を向ける有沢理子




「有沢です、海鮮サラダセットとホットレモン水を1リットル



 お願いします」




「僕は浦と申します、稲荷ずしとみそ汁と納豆を



 飲み物は日本茶をお願いします」




「畏まりました、有沢様、浦様



 ナンバー17のテーブルです

 


 左奥へどうぞ」




 二人が、17のテーブルへ行くと



 既に料理が置いてあります




「浦君、凄いですね」




有沢理子は、浦鏡の肩をバンバンと叩きます




「そうですね、まあ席に着き食事を取りましょう」




「美味しいですね、浦君の稲荷ずしは」




「まあ、美味しいとは思いますよ」




浦鏡は、納豆を一気に口へ運びます




「浦君、納豆嫌いなの?」




浦鏡は納豆を食べ終えます




「普通ですね、でも一気に食べたいもので



 納豆のネバネバの糸を発生させたくないので



 素早く食べました」




「へ~でもですね、納豆を食べた後に



 キスをする私の事を考えてほしいですね」




「なるほど、そういう考えもありますね



 状況によっても、食事の選択も限られますね



 ところで有沢さん、ホットレモン水は美味しい?」




 「普通ね、夜だしカロリーが少ない物しか



  飲めないですから



  ところで、先ほどの



  既に料理が配膳されていた件ですが




  浦君の見解を聞きたいのですが」 




浦鏡は、日本茶を飲み



有沢理子を見ます




「不思議ですね、お客からメニューを聞き



 30秒もしない内に、テーブルに料理があるのですから



 まるで、お客が何を注文するか



 分っているみたいですね



 普通は、テーブルマジックでするんですよ



 このような類はですね、今回は料理なんですがね」




「そうですね、トランプのテーブルマジックでありそうですね」



「理子さん、卒業まで時間はたくさんありますし

 


 謎は謎のままでも宜しいのでは」





「浦君、何も今謎を解こうという訳では無いのですよ



 浦君は、それとなく流そうとしてますね」




浦鏡は苦笑いします




「まあ。思いつくところではカメラとマイクですかね



 まあ、仮に何が注文されるか分っていても



 このレラン桜花を、前田夏子さんただ一人で



 運営している点で


 

 また接客と料理、まあ接客は入り口で対応するだけですが


 


 この点が最大の謎ですね」




 有沢理子は浦鏡の言葉に耳を傾けます




「浦君、ダメですね恋人の前で



 女性の名前を出すとは



 振られるのは、時間の問題ですね」




「厳しいですね、理子さん



 なるほど参考になりますね



 冗談はこのへんにしてですね」





「そうですね、



 美味しい料理が目の前に有りますから、早く食べましょう」




「そうですね」


(謎が多い料理店か)




有沢理子は、浦鏡のグラスにホットレモン水を注ぎます




「浦君、どうぞお飲みください」




浦鏡はグラスに口を付けます




有沢理子は浦鏡を見ています、ジッと 




「美味しいですよ、有難うございます



 口にレモンの香りが広がって



 とても飲みやすいです」




有沢理子は頷きます




「浦君、模範的な回答ですね



 ではお返しに、日本茶を注ぎなさい



 気が利かない人ですね浦君」




「失礼しました、さあどうぞお飲みください」



「ところで、今日の実力テストの手応えは



 どうでしたか?」



「そうですね、マークシートですから



 記述ではないので、僕を含めて



 平均点は上がるでしょうね



 僕のテストの手ごたえは、何時も通りですね」




「浦君、さあ出ましょう



 食休みは終わりです」



「そうですね、寮に帰りましょう」


 


(レラン桜花の料理は美味だ)





桜花大学付属高等部 新館学生寮



有沢理子は、部屋の前で立ち止まります




「浦君、送ってくれて有難う御座います」



「いえいえ当然の事ですよ」



「部屋には誰も居ないよ、寄っていく?」



「お誘い有難う御座います。



 流石に、一人暮らしの部屋には



 誰も居ないでしょう



 誰か居たら、怖いですよ」




「つまらない男ですね、意気地なし」




「まだ、続いてたんだ



 理子さん、また明日おやすみなさい」




浦鏡は後を向き歩き出します



「おやすみなさい」




(浦君、一回も振り向かないで



 帰っちゃうのかな)




有沢理子は浦鏡の後姿を見つめます



浦鏡は、角を曲がる時に



有沢理子に手を振りました




(浦君ビックリしましたよ



 気がついていたんですね、私があなたを見ていたのを



 今度は私が送ってあげましょう浦鏡を)

お疲れ様です、次も更新できればと思います

失礼します

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