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実力テスト

桜花大学付属高等部 




新館4階1年4組の教室




浦鏡は、机にもたれています



(昨日の、デザートのカロリー消費の為に


 

 スクワットしたのが、響いたな


 

 太ももには多くの筋肉があるから


 

 カロリーを消費するのには効率的だからな



 ストレッチしたから、少し違和感があるだけだが



 なんか疲れた)




石田治は浦鏡の肩を突きます




浦鏡は振り向きます





「石田か、何か疲れてるのか



 顔の表情に元気がないね」





「そうかもしれないな、お教えしよう



 昨日なぜか、クラス委員に選ばれ



 佐藤先生とカレンと俺で



 備品の整理をしている時に



 佐藤先生が



 今日実力テストが実施される事を



 教えてくれたんだ



 90分×5教科



 結構ハードなスケジュールだろう」




「石田、それは極秘にしなくても良いんだよね」



「良いんじゃないの、口止めされてないし」



(1年4組には、言い忘れてた可能性があるな



 佐藤先生らしいかも)





桜カレンが教壇の前に立ちます



手を叩き、クラスの注意を引きます




「昨日、クラス委員に担任から指名されました



 桜カレンです、もう一人は其処にいる



 石田治さんです



 今日は、9時から5教科の実力テストを



 行います」




クラスの彼方此方から、悲鳴や落胆の声が



響きます



桜カレンがまた手を叩きます




「は~い、静かに



 一年は4クラスあります



 そして我が4組は入試の試験結果で



 これは内部進学者も受けておりますが



 その平均点でトップです



 はい、皆拍手」




4組の生徒が拍手します




「しかし、得点差が二位の1組との差が2点




 2組と3組が同率3位で得点差は4点です



 この得点差では、すぐ逆転される状況です



 折角、今現在1位なんですよ



 卒業までクラス替えしませんから



 最後まで、1位の地位を死守しましょう



 他のクラスに、わざわざ譲るつもりは毛頭ありません 



 これは4組のプライドを懸けた戦いなのです



 負ける訳にはいけません、



 よいですか戦わずして、勝利は得られないのです



 勝利は自信と更なる向上心を生みます



 勝利が手に届く距離に有るのですから



 わざわざ他のクラスに譲る必要はありません



 常勝4組を目指しましょう



 では復唱してください、皆さん」




「常勝4組」




「常勝4組」




「もっと大きな声で、常勝4組」



「常勝4組」



「学年一位は四組」



「学年一位は四組」



「学年一位は四組」



「学年一位は四組」



「トップは四組」



「トップは四組」



「トップは四組」



「トップは四組」



「最強四組」



「最強四組」



「最強四組」



「最強四組」



「勝つ絶対勝つ」




「勝つ絶対勝つ」





「勝つぞ~」



4組の生徒が一斉に「お~」と叫びます



自然と拍手が起こります




「ご協力有難うございます、今日は実力テストを



 全力で取り組みましょう」




ノックをして、佐藤教諭が教室に入ります




「桜さん、ご苦労様です



 桜さんの言う通り、今日実力テストをしますので



 頑張ってくださいね



 では早速、問題を配りますね」




佐藤教諭が、問題用紙とマークシートを



配ります




浦鏡は鉛筆を取り出します




(マークシートとか、普通実力テストで



 わざわざ用意するものか?



 四択か25パーセントの確率だな)






桜花大学付属高等部 食堂2階



時刻はランチタイムです



浦鏡は抹茶ソバをすすっています




石田治は、日替わりランチを食べています




「浦それだけで、足りるのか?夕方まで」




「まあね、少し足りないけどテスト中だからね



 脳が働くように、消化が良いものにしたんだよ」




「食後に牛乳って合うのそれ」



「慣れれば、大丈夫だよ慣れればね」



(若干合わないんだよな、本当は)




桜花大学付属高等部 新館職員室




あまり整理されていない机に、佐藤舞が座ります




内藤正義教諭が、佐藤舞教諭の隣に座ります 




「佐藤、お前のクラスさあテスト前に



 雄たけびあげてたけど、何があったんだ」




正面に座る、鈴木華教諭も身を乗り出します




「舞先生、詳しく教えてよ面白そうだね」



「私が廊下を歩いていると」



「佐藤、長くなりそうだから手短に要点を話しなさい」



「うちのクラス委員が、今日のテストを頑張ろうと



 クラスを一つにしたんです



 なんか、勝つとか言ってましたけど



 なんでしょうね?」




「舞先生、多分ねテストで他のクラスに



 勝ちましょうとかだよ」



(さすが、華さんです



 知的な所も大好きです



 佐藤の省略しすぎの説明で、直ぐ分るとは



 確かに、声を出してクラス全体の



 モチベーションを高めていたのか



 佐藤より、クラス委員の方が



 統率力が有りそうだな)





一年学年主任の緒方綾子は、新任の三人を観察しています



(三人の中で誰を残しましょうか



 佐藤先生は、ストッパ―の教頭先生が席を



 外しているから却下



 残るは二人ね、鈴木先生を佐藤先生に付けると



 佐藤先生を弄びそう、想像出来てします



 内藤先生には佐藤先生のお守をしてもらいましょう)





「鈴木先生、今日は昼休みは職員室で待機してね



 私と残りますから」



「はい、分りました」


 



緒方綾子教諭は出前のメニュー表を鈴木教諭に渡します




「好きなものを選びなさい」



「はい、これ凄いですね和洋中全部ありますね


 

 うわ~迷いますね」




佐藤教諭は緒方綾子教諭の顔を窺います



「あの~緒方先生私も残りたいんですけど」



「佐藤先生は、また今度お願いするわね



 内藤先生、佐藤教諭をエスコートしてさしあげなさい



 頼みますよ」



「はい、了解しました



 佐藤先生、行きましょう」




(しょうがない、さすがに佐藤を残す



 という選択は無いな)




佐藤教諭は急いで準備しています



「準備出来ました、内藤先生



 緒方先生、行ってまいります」




「早くいきなさい、ゆっくりしてきなさい」



 佐藤教諭は礼をして、職員室を後にします


 

 内藤正義教諭も続きます





二人が出て行った職員室



緒方綾子教諭は出前の注文を終え、野菜ジュースを



佐藤教諭に差しだします




「有難うございます、緒方先生



 これって佐藤先生もよく飲んでますよね」




「そうね、加藤教頭が大量に毎日渡しているわね



 なぜなのか、それは加藤教頭が懸賞で


 

 当選したからなのよ



 5年分の野菜ジュースを当てたのよ」




「懸賞って当たるんですね、でも5年分の野菜ジュースは



 保管するのは大変ですね」



「そう、だから私達もこうやって



 協力してるのよ」




「一本飲んだら、もう満足しますよね」




「そうね、色んな意味で満足するわね」





佐藤教諭と内藤教諭は、食堂の前にある



レラン桜花に入ります



内藤教諭が、黒く厚いドアを開けます



「佐藤、お先にどうぞ」



「すいません、内藤先生」




シェフ前田夏子は二人を出迎えます




「いらっしゃいませ、内藤様、佐藤様



 お二人とも、何時もので宜しいですか」



「はい、お願いします」



「何時もので」




前田夏子は、右奥へ腕を差し示します



「右奥へ、お進みください



 ナンバー4のテーブルです



 では失礼いたします」





前田夏子は厨房へ引っ込みます




二人は右奥の



ナンバー4のテーブルへ向かいました



テーブルには、既に料理があります




「内藤先生すごいですよね



 これどんな仕組みになってるんでしょうね」




佐藤教諭は内藤教諭をニコニコと見つめます



(華さんが、居ればな佐藤ではなく



 ぜひそう願いたいな) 






「世の中には、知らない方が良いことも有るんだよ佐藤教諭、



 俺は考えないようにしているし



 前田夏子シェフにも今後聞くつもりは無い



 佐藤、秘密を知ってしまったら



 楽しみが減るぞ、最後まで秘密は秘密の方がよいぞ」






(前田夏子シェフが、一人で切り盛りしているからな



 確かに注文を聞き、客が席に着く間に



 料理が置いてあるのは不思議だが



 案外単純なんだよな多分



 知ったら、がっかりしそうだしな) 






「そうかもしれませんね



 お腹減りましたし」



二人は席に着き、食事を始めます


 

「佐藤、その巨大な物体は何?」



「これはですね、人参プリンです」



佐藤教諭は人参プリンをナイフで切り分けます




「どうぞ、内藤先生



 先ずは一口どうぞ」




「悪いね、じゃあ貰うよ」




内藤教諭は人参プリンを口に入れます




(人参風味のプリンかこれは



 粒状の人参が混ざってるな)




「悪くない」




「美味しいですよね、人参プリン



 私はこのパンケーキで人参プリンを



 挟むのが好きです」




「内藤先生は何食べているんですか?」



(佐藤、一目で分るだろう流石にこれは



 食べたいのか、食べたいんだろうな



 わざわざ聞くんだから)




内藤教諭は、ピザをナイフで切り分け



佐藤教諭のお皿に置きます




「佐藤、美味しいぞ



 食べてみなよ」




「有難うございます」




佐藤教諭は、



ピザを食べ直ぐに感想を言いました



「熱いですけど、チーズが特に美味しいです」




「よかったな、ゆっくり食べなよ」




(華さんだったらな、二人でピザを食べて



 チーズが口に着いているのを



 取ったりして



 良いなそういう食事は)




「佐藤、甘いものばかりだな」




「そうですか、でも人参が食材に入ってますから


 バランス取れてますよね?」



「まあ。夜はしっかりバランス良く



 食事しなよ」 




「そうします、



 お気を使っていただき



 有難うございます」




佐藤教諭は頭を下げます



「なんだ、佐藤大げさだな」



「何となく、言ってみたくて?」



「なぜ、疑問形で終わるんだ」



佐藤教諭は、笑顔で内藤教諭を見るだけです




桜花大学付属高等部 



新館4階1年4組の教室




教壇に立つ、クラス委員桜カレン



「全員起立、さあ早く立ちましょう」




桜カレンは手を叩きます



席を立つ、生徒たちを待つ桜カレン




「では、ランチを食べて眠くなるこの時間帯の為に



 そして実力テストの為に



 声を出して、気合いを入れますよ



 さあ、みんないきますよ」




桜カレンは右手を突き上げます



「絶対勝つぞ」



「絶対勝つぞ」




「もっと大きな声で、絶対勝つ」


「絶対勝つ」



「勝つ」



「勝つ」



「勝つ」



「勝つ」




「勝つのはどの組だ」



「4組だ」




「皆で拍手」




大きな拍手が起きます




(これで勝てる、これだけ盛り上げたんだから



 良くやった私)





佐藤教諭がノックをし教室に入ります



「桜さん、お疲れ様



 では、午後からも引き続き実力テストを行います」




佐藤教諭は、問題用紙を配ります




浦鏡は鉛筆を取り出します




(長いな90分のテストは



 しかし、カレンさんのお陰で



 脳が活性化したな、声を出すのは良いのかもしれない



 カレンさんは気持ちよさそうに



 自己陶酔してたな、分りやすい)




時刻は17時40分になりました



実力テスト、5教科を終えて浦鏡は机に



もたれ、倒れています



岡村愛子は、浦鏡の耳の感触を楽しんでいます



彼女は嬉しそうに触り続けています



「浦君、お疲れだね



 私達、食堂に行くからね



 ご飯は絶対食べなよ、またね~」



岡村愛子は、浦鏡の髪を撫でます



浦鏡は顔を上げます




「ご心配していただき有難うございます、愛子さん



 もう少し教室で休んでおきます、また明日」






岡村愛子は手を振り、教室から出ていきます




教室には浦鏡だけが残ります



(石田も行ったのか、良かったな愛子さんと食事が出来て



 でもカレンさんもセットでついてくるがな



 脳を使いすぎると、頭痛がするな



 エネルギーを使い果たしたのだろう



 しかしカレンさんは、なぜあそこまで



 クラスの点数を引き上げようとしていたのか? 



 クラスみんなを鼓舞してまでも



 鍵は昨日の放課後



 佐藤先生、石田、カレンさん



 三人に何が有ったのか?)




浦鏡は目を閉じます



桜花大学付属高等部 



新館4階1年4組の教室に、足音が近ずいてきました

お疲れさまです、なかなか進まない

物語を書こうとしております

では失礼いたします

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